信頼の医療 癒しの空間
  網膜疾患2    Dr.浜本による眼の病気のお話

          網膜静脈分枝閉塞症


  
網膜の動静脈が交叉するところで静脈が閉塞するため
おこります。
年齢的には65歳以上が半数を占めます。
症状は網膜出血の程度により、症状のないものから
目のかすみがおこるものまであります。動脈硬化、高血
圧、糖尿病があるとおこりやすくなります。
治療は、黄斑部に水がたまって(黄斑浮腫)視力低下が
続くときはレーザー網膜光凝固を行います。網膜の虚血
により網膜に新生血管が生えたときにも、硝子体出血、
緑内障を防ぐためレーザー網膜光凝固を行います。
他に結膜下にあるテノンのう下腔にステロイド注射
する治療、硝子体手術などがあります。
 
    網膜の上側に網膜出血を認めます 


          網膜中心静脈閉塞症

   視神経乳頭の中を通り網膜に出ている網膜中心
静脈が閉塞することにより、網膜出血や網膜静脈
の拡張、蛇行を認める疾患です。
発病の危険因子は高血圧、糖尿病、緑内障があります。
症状は視力障害ですが、視力が低下しないタイプ
(非虚血型)と、視力が低下するタイプ(虚血型)があり
ます。
虚血型では新生血管が発症し、進行すると血管新生
緑内障をおこし、視力低下が進行します。
治療、虚血型の場合はレーザー網膜光凝固を十分行
うことにより、新生血管を抑え血管新生緑内障を防ぎ
ますが視力は0.1以下になることが多いです。 
 
     虚血型:広い範囲に網膜出血を認めます


  網膜色素変性

   夜見えにくい(夜盲)が初発症状の遺伝性疾患です。
網膜の光を感じる視細胞には錐体細胞(色を感じる、
明るいときに反応する)と杆体細胞(明暗を感じる、
薄暗い時に反応する)があり、この病気は杆体の機能
が低下します。(錐体も障害される例もあります)
症状は夜盲、視野狭窄です。周辺視野が狭くなり進
行すると中心視野だけがのこり求心性視野狭窄となり
ます。進行すると視力も低下します。
個人によって進行の早さが違うので眼科に定期的受診
し、指導を受けるとよいでしょう。 
 
     褐色調のまだらな変性巣を認めます