ガラスの色と成形
ガラスの魅力。それは、培われた職人の技により無色透明のガラス或いは、色ガラスをその技を尽くしてさまざまな形に作り上げ装飾を施し
生命を吹き込む伝統工芸の美しさにある。
● ガラスの色
無色透明なガラス
ガラスを作る原料は、微量の酸化鉄を含んでいるため、そのままでは青緑色になる。このため、ソーダ 灰、木灰のカリ分或いは、鉛丹により
無色透明のガラスを作り出す。
スワンを模した無色透明のガラス器
色ガラス
表面に着色する方法
灼熱のガラス表面に金属酸化物を吹き付け着色するラスター彩色
イオン交換により表面を発色させるイオン交換着色
ガラス表面に色ガラスの粉を塗布し焼き付けるエナメル彩色
ガラス全体に色を着ける
ガラスの原料に金属酸化物を混入し発色させる。ガラスの色の出し方は、現在でも秘伝になっているくらい神秘な面がある。
角型ボール 色ガラス
● ガラスの成形(主な方法)
宙吹き
鉄パイプの先に溶けたガラスを巻き取り宙空で人間が息を吹き込みながら成形する方法が最も親し
まれている。
ガラス成形の中でも最も感動を与える技法であろう。職人の技によりいろいろな形、装飾を行う。二つと同じものはない。
宙吹きは紀元前1世紀中頃 シリアで発明された。ガラス成形の基本技法。
型吹き
型の中に軟らかいガラスを吹き込むため、宙吹きではできない器形ができる。また同じものがいくつもできる。 人面文小瓶 高さ6cm シリア1〜2世紀
型押し成形雄型と雌型を使い、溶けたガラスを機械成形するた。表面パターンは、
丸みを帯びており、手作り のカットパターンと異なる。
鋳造法
型の中に溶けたガラスを流し込み鋳造する。
装飾板 18cm×18cm イタリア 1〜2世紀 大英博物館
粘土型にコバルトブルーのガラスを鋳込んだ装飾板