1、最初





 「・・・共闘だと?」

「そぉなのよ、石田三成さんと。さぁ、どちらの知謀が冴えてるか・・見せてね。」

狐はにんまり笑うと姿を消し、変わりに男が残された。

そいつは頭に金色の角を生やし、手には無骨な戦扇を持った赤毛の男だった。

そして人を見下してそうな、冴えた目と不遜な口調が恐らくは人を不快にさせるだろうものだった。

石田三成とやらは薄い唇を少しだけ引いてみせる。

偉く美人だ。

「お前が曹丕か?」

「いかにも、石田三成か。」

「我らが遠呂智様の為に・・・まぁそこそこに働こうではないか。」

ふん、この男は他人を見下さなければならないようだ。

「ふん・・・お前の手腕も楽しみにしておこうか・・・三成とやら。」

「お互い様だ。」





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「・・・魏へ?」

「そうよ。まとめている曹丕さんと貴方を組ませれば強い戦力になるとおもってね。」

確かにこうして何も動けないようではしょうがないし、それに曹丕という男にも興味がある。

あの曹操の息子だというのだからな、年を経ても語り継がれている偉大なる将の血筋をみるのもまた一興であろう。





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 なるほど、確かに雰囲気は大したものだ。

常に眉間に皺を寄せ、口調は丁寧だがどこか人を小馬鹿にしたような印象だった。

だが、頭は切れるだろう。

俺と曹丕は似ている。

あえて口に出すことはないだろうがこれはゆくゆく役に立つだろう。

狐が居なくなった後、曹丕は俺に言った。

「・・・狐も案外、化かすのがヘタだな。」

「ならば俺たちが化かすか?」

「クク・・・・それも楽しかろうさ。」

ああ、そのなんでも解っていると言いたげな顔。

どうやら俺と曹丕は似ているのだろう。

手を組まないだろうから俺と曹丕を一緒にしたとか・・・?

おもしろい。



さぁ、この世界をどう動かしてやろうか?








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