今宵こそはと心を決めて
月を見上げ動かない君
お待ちしていた夜のこと
呼ばれるのを恋しく思うか?
縁にて座して私はただ
自分はじっとその様を見るだけ
空を見上げて知ったのです
貴女が消えてしまっても
貴方はこない
何もできず無力なため息をつくだろう
風がそよいでどこからか花びらが
花びらではなく貴方ならばと
手のひらで受けてはまた
空へと舞い上がっていく様など
ふらりと来てふらりと来ない貴方のよう
〜
桜
月 〜