飛ぶ鳥を見て翼を羨む
澄みわたる青い世界を
限りない地平を行く海を
彼らは知っているのだから
私は地に足をつけたふりして
空を行く鳥を見上げた
嗚呼
我が身を見よ
気休めに大地へ降ろした足は錆付いてしまって
このまま全身が浸食されゆくのを
快楽にも似たその感覚に支配されながら
この身は朽ちてゆくのだろうか
空を行く鳥を羨み
己の力で立たなければと思うが
何をするともなく
楽であると
快楽に身を任せ
大地の錆となるがまま
空を見上げる目はやがて光を失い
唯快楽だけを友に
錆に覆われてゆくだろう
−花鳥風月 鳥の詩−