STOP PLEASE!!!

今回は温いですがベッドシーンというものをもうけてございます(題名もピロートークですからねぇ)。
最後まで行っちゃいないですが、男同士が裸で寝台の上にいるのが
「想像できるかバカヤロー!」(←ここ重要)と思われた貴公、
このまま表に戻ってくだされ!
「むしろどーんとこーい!!」という男前の方のみの閲覧でお願いします。
ご覧になった際のいろいろなことには責任終えません!

あと、オフでおいらのことを知ってる人もやめてね☆
じゃないと・・・泣きますから(泣くんだ)。
































Pillow Talk 3  (潼関前夜−2)




 底冷えがするため敷き詰められた毛皮の上に綿製の布にくるまった、誰か。

部屋の隅には火鉢があり、埋み炭がくすぶり暖を作る。

寝台の傍らにある台の上には水差しと、燭台。

蝋燭には一つだけ灯がともっていた。


 「・・・・落ち着かれましたかな、馬超殿。」


低い声が静かに言った。

声の持ち主は布にくるまった誰かの隣にいて、同じ綿製の布の中にいる(寒くないよう、布の内側には毛織物が縫いつけられていた)。

ただろうそくの火を受ける体は服を着ておらず、逞しい体を惜しげもなく晒していた。

所々に残る傷跡が、いっそう魅力を引き立てる。

馬超は令明に背を向けたままでいた。


「まだ・・・足りませんかな?」


ぞくりとするような低音が耳の側から入り、馬超の腰へと響く。

まだ疼いているといっても過言ではないその箇所。

馬超はドキリとしたかのように、身を一層縮めた。

いや、その低音だけで感じてしまったと言った方が正しいだろう。


「ともあれ、明日にはこうゆるりと休むこともできなくなるゆえ・・・・お休みなされ。」


側に感じていた暖かな体温が消える。

馬超は思わず振り返った。

耳に付けた飾りが、シャラン・・・と鳴る。

背を向けていた令明は、それで馬超が振り返ったことを知った。


「・・・・・戻られるのか・・令明殿。」


令明は、振り返った。

馬超は、まだ目に涙を浮かべていた。


「・・・・そのような顔をするものではありませんぞ。仮にも、貴公は、大将だ。」


大きな目が、寂しげに自分の方を見ている。

今は、褪せた緑色だろうか。

明かりの逆光でそう見える。

すっと、涙が頬を伝って消えた。

関内の広間から戻ってきて以来、ずっとこうだ。

馬超は多くを語らない。

そのかわり、泣いたままだった。

抱きしめても、口づけをしても、その身を抱いても彼の涙は止まらなかった。

ただ寂しげに、静かに涙を零すだけだ。

令明は一度自分の頭を、髪をなでつけるように荒く撫でた。

そして、おもむろに火を消す。


「・・・入りなされ、体を冷やしては一大事・・・。」


令明は赤子相手のように、相手の肩を優しく抱き、半身を起こした馬超の身を横たえる。

暗い部屋に、馬超の思いの外白い肌が浮き上がった。

流れるように付いたしなやかな筋肉。

乱れた、明るい髪は思いの外触り心地がよい。

ガラにもなく、触っていたいと令明は思う。

シャラン・・・・シャリン・・・リン・・・・。

馬超が動くたびに、乾いた甘い音が響く。


明日は戦。

喧騒を知る体が休まらぬのも道理。

その矛先は、今若き大将に向けられている。

令明は第三者であるかのように悟った。


「令明殿・・・・無理強いはしない。去られるのなら、戻られよ。明日には、戦だ。」


馬超は少し困ったかのように、言う。

暗闇の中、令明の瞳だけが黄色みを帯びていると馬超は思った。

その令明の顔が、近づいてくる。

大きな右手は自分の左顎をとらえて放さない。

シャリン・・シャン・・・

耳飾りが甘く鳴く。

馬超は目を閉じた。

この行為で、全てを雪ぐことが出来たら、そう思った。

覆い被さってきた令明の体温が心地よい。

口づけされたところからじんわりと、暖かさが全身に広がってゆく。

それが馬超を一層、家族の暖かさを思い出させて涙を呼んだ。

すすり泣く声がする。

令明は顔を上げ、ボロボロと幼子のように涙を流す馬超の額に口づけをして涙を拭った。


「・・だ・・いてくれ・・・令明・・・イヤじゃなければ・・・。」


「・・・・。」


「俺は・・・女々しい・・・・。」


令明は馬超の首筋を舐めた。

馬超の声が上擦る。

執拗にそこを攻め、手は馬超の体中を這った。

馬超が動くたびに、先ほど以上に耳飾りが音を立てる。


「どうやら・・・先ほどとは様子が違うよう。」


涼しい顔をした男は言い、馬超はきょとんとした。


「先ほどは、悲しさのみしか感じていないようにお見受けした。しかし此度は・・・・。」


大きな手は、馬超の胸をスッと撫でる。

馬超の腰が跳ねた。


「此度は・・・“馬超殿”を抱けるようだ・・・。」


白い肌に朱が差す、これも先ほどには無かった反応だ。


「・・・今度は、令明殿だけを見ていよう・・・・・。」


馬超はそっと、令明の頬に触れた。


「お前だけを、感じさせてくれ・・・・なにもかも、ひとまずは戦も家族も悲しみも・・・忘れたいから・・・・。」


「・・・・お望みとあらば・・・。」


令明は荒々しく馬超の紅い唇に噛みついた。

馬超もそれに答える。

日が昇るまでまだ時間がある。

ひとまずは、何もかも忘れて明日へ向かっていこう。

二人はそう思った。












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