*この話は立志モードをつかった“腐女子向けドリーム”で且つ泰権、凌権、泰凌というおそろしー代物でもあります。苦手な人は回避で。
*苦情は受け付けませんが、質問、問い合わせ、ネタ、私のも作って!という猛者等は常に受け付けてます、まいられーい@K蓋。
*すぺしゃる・さんくす→「木氏公社ver2@灯様」よってこのお話は彼女とのメッセで交わされた台詞が題材となっております。
*デフォルト名では主人公が灯氏(ともし)でその友人が誼將(笑うところ)となります。ので是非名前をいれて読んでください。
*灯氏は凌統配下、誼將は太史慈配下で兵卒です(初期位置かよ)。
*作中で灯氏は凌統を「先輩」、誼將は太史慈のことを「師匠」、周泰を「周泰先輩」と呼んでいます。お嫌な方は回避。
−立志モード−
ある昼下がり。
先日兵卒となったばかりのとある兵を凌統は調練しておりました。
なかなか見込みがあり、自分と同じ武器を仕込ませることにしたのです。
と、向かいに立つ短い髪に汗を光らせた彼女が、肩を大きく上下させながらその場にしゃがみ込みました。
そろそろ限界かな、と凌統は思い武器を下げます。
「・・・やっぱり見立てたとおりだったねぇ。最初にこのくらい扱えたら、ま、いんじゃないかなぁ。」
「あ・・ありがとう・・ございました・・・。」
「はい、ご苦労さん。汗を流したら部屋に来てくれ、渡す書類があるからね。」
「はい・・・。」
「んじゃ、あとでな。」
彼女はさりゆくでかい後ろ姿を見送り、その場に倒れ込みました。
「・・・ケリ届くかっての!でかすぎるんだから、先輩は!!」
盛大に悪態を付くと彼女−−は仰向けになって、少し目を閉じることにしました。
それから一刻半ほどだったころ、は上官である凌統の執務室へ向かっておりました。
汗を流し、さっぱりしたので気分も軽いし陽気もいいので鼻歌の一つも歌いたくなります。
凌統の執務室までやってきた彼女が戸に手をかけようとしたところで少し戸が開いたので一歩下がりました。
先客がいたのです。
「あ、周将軍。」
出てきたのは首を真上に向けないと顔が見えないほど大きな人物でした。
「・・・・か。凌統に、用か?」
「はい、書類を取りに来るよう言われておりました。」
は供手して答えます。
大きな大きな偉丈夫は巾をかぶってはおらず、長い髪を頭頂でほどよい団子に結い残りを下へ流していました。
いつもとちょっと違う雰囲気です。
「・・・なにか?」
どこか下を向いたまま一向に何も言わない周泰には怪訝そうな目を向けます。
「いや・・・。」
彼はそういって歩いていってしまいました。
「・・・・変なの。」
彼女はポツリと呟くと、扉の前で来訪を告げ、中へ入りました。
「で?」
「私と手合わせしたときは疲れてなかったのに先輩はお疲れだった、それだけ。」
「・・・邪推しすぎじゃないの〜。」
「一刻半しか経ってなかったよ、調練後別れてからね。」
隣でけらけら笑いながら話を聞いているのは同期に兵卒入隊したで彼女は太史慈の配下兵です。
はにやりと笑います。
「まぁ偶然かも知れないしね、ただの。それにそのあと先輩は殿の所へ行ったよ。」
「ふ〜ん。てか、周泰先輩とイタシタ後殿の所へいってるとしたら・・・それってものすごーく化け物。」
は笑います。
「確かに化け物!偶然かもねぇこの件は。ともかく、かっこよく決めて殿の所へいったよ。いかにも凌家の当主って感じだった。」
「当主として呼ばれていたのかもね?」
「でもあんなにバッチリ決められた姿で流し目でもされたら落ちない人はいなさそうだな、男女問わず。」
「そんなに決めていったのっ?!・・・想像できずー・・・。」
「すごい、エロかった。」
「うはははははは!!!エロい流し目かっ!!」
「ドキッとするお色気というかね、そんなかんじ。あ、手みやげに甘いお菓子を持ってったよ。」
「殿の所だもんね〜。なに、甘いお菓子で釣るのか?うははははは、できすぎだよそれこそ〜!てか攻めが色気出してどーする!!」
「確かに攻めが色気だしてもねー!」
二人はげらげらと盛大に笑っていましたが、今度はがこんな話をし出しました。
「そういえばね、周泰先輩って私が配属されたときから子義師匠の元にいるでしょ?だからあたしも何かと一緒にいることが多いのだけど・・・・・・。」
その日は彼女の上官である太史慈からいいつかり、周泰と共に主である孫権の元へと向かっておりました。
「殿は・・時折無理を言うのだ・・。」
周泰は低くゆっくりとした声で言います。
「私のような一介の兵卒が殿にお目通りを願えるだけでも大それた事なのに・・・。」
彼女は緊張した面持ちで言います。
「・・・気にするな。俺も、元は賊だ・・。」
「・・・・そうでしたね、周泰先輩。」
そう言われると少し気が楽になりました。
やがて孫権に目通りを願い、入った部屋は畏れ多くも私室だったのです!
「わ、私は外に出ております!!」
彼女は慌てふためいてきびすを返そうとしますが結局は孫権の命令で中へ入り、ちょっと頼まれた用事を済ませました。
「噂通りの腕前だな。」
感心した孫権から褒美として点心を頂くと彼女は殿の私室を辞しました。
ところが、一つ言い忘れたことがあったのです。
「あたしとしたことが!」
彼女は慌てて部屋の前まで戻ってきました。
そして戸を叩こうとしたときです。
「で、どうしたの!なにきいたのっ!!」
目をキラキラと輝かせながらは先をねだります。
はで、「想像通りだよ」というに留めました。
「まぁ殿の所へいったのは夕暮れだったんだけどさ。・・その日の夜、子義師匠のとこにいたら周泰先輩が来たんで言い忘れを言っておいたけど・・・。」
「・・・ネタにしてもいいのかな?」
「肖像権とか名誉なんとかって訴えられるんじゃない?ってすでにメモ済みかよ・・。」
「・・・・・・(一心不乱にメモを取っている)。」
「あ、やっぱり出るんだ?合肥コミケ。」
「もう申し込んだ♪」
「や〜vもうったら〜♪」
「だぁって〜♪」
・・・ついでにいうとここは建業城の屋根の上です。
短髪と茶ぱつにボブという二人の女子はそれでなくても目立つというのに(兵自体が男だらけだし)ピンクの思考を飛ばしきゃっこらしています。
と、が我に返ったように言いました。
「てことは二人とも孫権様を落としたいんだ。・・・もてもてだね〜殿v」
「そうみたいv」
「は殿がもてる理由ってなんだと思う?だぁってさ〜髭じゃん?陸軍師みたいに少年というわけでもないしー。」
「それは言っちゃだめだー!・・・・最近はちょっと服にバリエーションが増えてきたけどさ、ほら殿って若いせいか色々一生懸命だよね?」
「あ〜解る解る。なんつーかさ、“本当はおうちで勉強する方が好きだけど頑張って外に出ることにしました!若いからって軽く見られないように
一生懸命髭も伸ばしたんだよっ!!”って長衣の袖をぱたぱたしながら言ってそうだよね〜。」
「あ〜可愛いvv袖をパタパタっとこがいいね♪」
「蒼いきれーで大きな目でムキになって言うの〜♪てか髭萌か〜俺ら・・・。」
「髭萌えねv」
は黄昏れるようにそういい、はニコニコしながら萌え萌え言います。
と、遠目の効くが何かを見つけたのか立ち上がりました。
「・・・あ、れ?・・周泰先輩と凌統将軍だ。」
「えっ凌統先輩?どこどこっ!!」
「え〜っとね〜・・。」
は少し目を細め、城内の見取り図を思い浮かべながら言います。
「あそこは・・・あれだ、執務室棟の一番奥、凌統将軍の部屋の・・・・一番奥の扉からじゃないと入れない中庭。」
・・・そこまで見え、かつ知っている君はおかしい、とは心の中でちょっとだけ思いましたが、
そんな事思われているとは露も知らず、は彼女の腕を引っ張り屋根伝いにその場所へと向かいました。
凌統将軍の執務室から行かれる庭は手入れの行き届いた綺麗な庭で有名でした(彼が来る前から綺麗だった、念のため)。
彼女たちは二人の姿を認めると、彼らの立ち位置から一番遠いところに降りました。
丁度いい木が幾本か生えており、姿と気配を消すのにはうってつけです。
彼女たちは周泰の後ろ側へ身を潜めました。
とは目配せをし、頷きあうと話に聞き耳を立てます。
しかし聞こえてくるのは今度の戦でのこと。
今なぜ周泰ほどの人が太史慈師匠の配下兵なのか不思議に思っていたは「ああ、このためだったのね」と思います。
それからちょっと沈黙が走り、凌統が思い出したように一時場を辞しました。
・・・ただその場に立って待つ周泰。
しびれを切らしたはあろうことか、周泰に話しかけたのです!
「・・・だめじゃないですか、周泰殿!」
「む・・・?」
「あ、馬鹿!!周泰先輩すいません!!別にのぞきみとかそんなんじゃないんですよっ!!」
必至に押さえ込むとすごい迫力で迫ろうとするに少し周泰は驚いているようです。
「ええい離せ友よ!」
「ここで離さないのが友だ!!」
「・・・・!!」
半分暴れている二人には近づく気配が分かりませんでした。
周泰は咄嗟に二人を側の垣根に押し込むとその長身の陰に隠しました。
「すいませんねぇ、お待たせしてしまいまして。」
凌統の声に二人の女子は危なかった〜と顔を見合わせます。
「ちょっと家の者に呼ばれてたの忘れてまして。いつまで当主の長衣を着てるんですかって脱がされちゃってさ・・・・。破られでもしたらたまらないって。」
両袖口を胸の前で合わせクスクスと含み笑いをする上官には少なからず驚きます。
あんな笑い方、初めて聞いたのですから!
しかし次の瞬間は真っ黒な腐女子の笑みに変わっていました。
そしてちょっと無理をして上官の服装を確認したのです。
髪は右下で緩く結われ、簪がさしてあります。
着ている服も楽そうな何の変哲もない長衣ですが、ふわっとしたデザインで色も淡い蒼色から濃紺へのグラデーションが綺麗です。
締めている帯が赤紫と白の飾り帯なせいか、ちょっと怪しいという雰囲気というか・・・・・、
(・・・・色っぽい。)
はそうおもい、それはも同じでした。
そして歩いてくる凌統をじっとみている周泰にむけ、後ろからこんなことをいったのです。
「さぁ、あなたのまえに先輩がきたらそっと抱きしめるのです!!」
「ちょ、、なんつーことをいうかこの娘は・・・!」
内心きゃー♪といいそうになっていたはなんとか友人をたしなめます。
しかしギラギラと輝く友の瞳にあきらめたようで、自分も好奇心もあったことから黙って見守ることにしました。
大丈夫、打ち首になるときは一緒だ!はそう思ったのです。
ところがも思惑とは別に、周泰は自分の側にやってきた凌統の腰を引き寄せたのです。
左腕でがっちりとささえ、右手は凌統の顎。
そして二人が見ているとも知らず(周泰は知っていますが)、周泰と凌統はいとおしそうにお互いのほほを撫で、口づけを交わしたのです!
「「!!!!!!!!!」」
ごく自然に重なった二人の顔。
背のた〜かい高い偉丈夫同士が接吻をしているというのに絵になる素敵さ!
二人はサイレンスで喜び、悲鳴を上げました。
凌統は周泰の首に腕を回し、引き寄せます。
時折聞こえてくる凌統の甘い声、苦しそうな息づかい。
は真っ赤な顔をしていましたが時折気にしたように周囲を警戒します。
はで必至にメモをとっています。
どんどん“深いこと”におぼれていく二人。
凌統の着物は辛うじて引っかけられているという状態まで脱がされ、周泰はどんどん腰をかがめていきます。
「・・・・・先輩もこんな声出すんだ・・・・。」
はポソリと呟きます。
と、はハッとしたように凌統の執務室の方を向きました。
見れば周泰も同じように執務室の方を向いています。
「・・・ど・・したの・・?・・・しゅーたいさん・・・・。」
切らした息で舌っ足らずに凌統は言います。
周泰は「いや・・・。」とだけいい、彼を抱き上げると二人が隠れている垣根の側へやってきて、城壁の白磁の壁へ彼を寄りかからせました。
凌統からは死角となっていて、垣根は見えません。
と、周泰が彼女らの方を向き、はそっと垣根から出ます。
そして二人は頷きあうと同時にはすばやく凌統の執務室へと走ります。
と、忘れ物をした、とでもいう感じに戻ってくると相変わらず二人に見入っているの腕を引っ張り素早く中へと入っていきました。
「ちょ、めっちゃいいところだったのに!!」
「しーっ!!静かに!!」
言われては慌てて口を手で押さえます。
二人は今凌統の卓がある奥の部屋にいて、隣が来客や面会で使われる応接室のような小部屋で、そこには外へ出る戸がありました。
しかしこっそりと様子を見るに、戸の向こうには誰かの影がうろうろ。
あの某タケ○プターを彷彿とさせるシルエットは・・・・
「殿!!」
二人は思わず身をかがめます。
「やばいじゃん!殿だよー!!」
「困ったなぁ。いけ、とは言われたけどどうしたらいいんだろう・・・。」
「合図だったんだ?」
「うん。驚いたけどこんな時に何だろうって。」
「よりによって殿じゃぁねぇ〜。」
しかし角の部屋である凌統の執務室から出るためには殿がうろうろしているあの扉しかでぐちはありません。
あとはもう一度庭へ戻り、屋根へと上がるかです。
窓は?しかし飾り窓なので通れないこともないですがサッとはくぐり抜けられません。
「・・・強行突破するしかないかな、よぉ・・。」
「あ、窓?」
「そう。屋根に出て、向こう側へ回って殿を呼びに行こう?」
「そーするしかないか。」
二人はひとまず靴を脱ぎました。
窓を開け、あたりを警戒します。
「おっしゃ、じゃあちょっと周り見ててねー。」
「了解!」
は周囲を警戒しつつ、なんとか窓をくぐりました。
「てか何処にも手足かけるところがないから抜けにくいんだよ。」
地におり服をはたく彼女。
がふがふがうにゃうにゃ言いながらでてくるとは手を貸して立たせました。
「ごくろーさん。」
「ふひー・・。結構しんどかったねぇ、武器外してからくぐりゃよかったよ・・。」
「ともあれ、屋根上がろうか?」
「あいよ。」
二人は屋根へ上がり、まだいるだろう殿のいる廊下の向こう側へ、気づかれないように降り立ちました。
そして、いまだうろうろしている殿に声をかけたのです。
「・・・これは殿!」
さも偶然をよそおったの演技は不自然さもかけらもありません。
二人は孫権の前まで来ると供手しました。
「おお!」
「どうかなさったのですか?供もお連れでないとは・・・。」
「いや・・・。そういえばそなたは?」
孫権はのやや後ろにいるをみます。
「はい、凌統配下、と申します!」
改めて拝礼すると「今はそこまでの儀礼、省いてよいぞ。」と孫権は優しい眼差しで言いました。
「ではとやら、すまぬが凌統を呼んではくれまいか?用があってここまで来たのであろう?」
確かに凌統の執務室は一番最後にありこの隣に部屋はありません。
「その通りですわ、承りました。少々お待ちくださいませ。」
はに目配せし、二人はもう一度供手すると戸口で声を上げました。
もちろん、二人に聞こえていないということは百も承知です。
「困ったわ・・・呼びに来るよう言い付かっていたのに凌統殿が出ない・・・。」
「でも執務室にって言ったのでしょう?。」
「そうなんですけど・・・。」
二人は演技をしながらなんとか無断で部屋へ入っても怪しまれないようにし向けます。
「、太史慈配下誼将、入ります!!」
は大きな声でそう言うと部屋へと入っていきました。
も後に続きます。
先だって歩いていたはこっそり中庭の様子を確認することにしました。
「い・・・やっ・・・・・・ああっ!!・・・ぁっ!!」
甲高い凌統の声は恐らく部屋の方まで聞こえるでしょう。
は慌てて執務室と小部屋をつなぐ戸をしめました(因みには執務室にいます)。
「いや〜!まじ本番だし!!あ〜でもどうしよう、引き延ばすことはできないぞ・・・。
なんとかして急務を伝えなければっ!!というか・・ヤりすぎだっつのっ!!」
はもう一度二人を見ます。
申し訳程度に腰あたりで服を引っかけた凌統と(下は言わずもがな)前をくつろげ、手甲を外した周泰。
これは準備にも時間がかかりそうです。
ともあれは今度のコミケ向けにこのシーンを盛り込んでイラストを描こうとその場を目に焼き付けんばかりに凝視し・・・・
「ああっv目に毒だわっ!!にも見せたい〜!!けどこうしちゃいれられないっ!!え〜っと・・なにか〜なにか〜・・・・・・あったっ!!」
あたりを見回すと部屋の片隅に置かれた“いつもの壺”が目に入りました。
「これをぶん投げてやろう!!」
ニヤーリ☆と怪しく笑む。
しかし問題は何処へ向かって投げるのか、それともこの壺をどっちかに当てるのか。
一応投げようと構えたところで彼女は壺を下ろしました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・神頼みでいっか。」
そして「どっせいっ!!!」というかけ声と供に彼らがいるだろう方向へ向かって壺を投げたのです!!
ガチャンッ!!という割れた音とドサッ!という何かが倒れた音。
つづいて小部屋と執務室を分かつ戸が開けられ、慌てたが顔を出しました。
「何事だっ!!」
はとその後ろにいる孫権を交互に見ますが「え〜っと、あの・・・、そうっ!」と何かが閃いたように己の得物を抜き、いいました。
「凌統殿を待っていたら何か割れた音がしたのですっ!!」
彼女は先だって庭へ降り立ち、二人が居た方へ走ります。
(・・・あれ?)
そこにはベチャッとうつぶせにひっくり返っている周泰の姿があるだけ、肝心の凌統の姿は忽然と消えていたのです。
「・・・周泰!!おのれくせ者かっ!!二人はこの場を警戒しておれ!!私は皆を集めよう!!」
「危険です、私が・・・」
「、お前はとここを警戒し周泰を介抱するのだ、お前達は太史慈の配下だろうっ!!!」
「はっ!!心得ました!」
二人の腐女子は供手し、大声を上げながら走っていく孫権を見送りました。
「!くせ者か?誰か見なかったかっ?!」
矢継ぎ早に質問する友人を何とかなだめると何が起こったのかを話しました。
「・・・・・・・よくやった、と言っておこうか。ちょっとした騒ぎになったけどきっと逃げたから、で済むと思うし。・・・ね?周泰先輩。」
「・・・む・・。」
低い声が地面からします。
が下を向くと丁度周泰がゆっくり体を起こそうとしていたときでした。しかし、どこか、変です。
「いったたたたた・・・・。まったく、何事だっつの・・・騒々しいなぁ・・・。」
この癖のある声(いまはやや掠れ気味)は・・・・
「りょ、凌統先輩!!!」
「し〜!!声大きい!!」
は慌てて言います。
そう、周泰は旨い具合に凌統を隠していたのです。
もちろん周りが庭で視野が限られると言うことと孫権を側まで寄らせなかったことでうまく出来た事ではありましたが
さすがの凌統もうんざりした顔をしています。
「ったく・・・でかいのが上になんてねぇ・・・。あ〜あ、背中が草の汁だらけだよ・・・青臭いし。」
「・・・助かった、、。」
周泰は髪を結い直し、下を向きます(そうしないと二人の女子が見えない)。
「・・・・喰らったんです?周泰先輩。」
「・・・・・・まぁ、痛かった・・・。」
「ったく、、周泰さんに向かって壺投げるなんて・・・・いい根性してるじゃないか・・・?」
「ひっ!!!!」
黒いニヤ〜リ、という笑みを向けられたはすくみ上がります。
「覚えておきなよ〜。明日は二人で軽く汗でも流すとしようかね・・・・・・・・。」
「ううう・・・覚悟しておきます・・・・。」
ともあれほんわかした和み雰囲気。
しかし、何かが変。
は思います。
何かが変だ、何かがあっさりしすぎていて本当は見てはいけない気がする・・・・なんだろう・・この違和感と・・この禁忌を犯してしまったという後悔の念は・・・。
そして二人の大男とニコニコ話す友人に目を向けます。
楽しそうに、時々プリプリ怒りつつどつかれつつ話しています。
(別にいつもどおりじゃない。ただ凌統殿がはだ・・・・・!!!)
「裸だっ!!!凌統将軍!!!!!」
はた、と止まると凌統。
そう、彼の服はいま“申し訳程度で腰あたりにからみついたまま”なわけです。
あちこちに鬱血した跡を残し、髪はすっかり解けているその姿。
「!!!!!!」
鍛錬後の上半身というのであれば健康的で目の保養になるかも知れませんが今は全くの逆です。
とは「きゃ〜♪」という黄色い悲鳴を上げながら何処かへ走っていってしまいました。
−後日。
「さてっと・・・、この辺でいいかな?」
凌統は軽やかにヌンチャクを仕舞うと大きく肩で息をしている兵卒に向かって言いました。
「あ・・ありがとう・・・ございました・・・!!」
は息も切れ切れに言いました。
「なんのなんの、あんたやっぱいい筋してるって。・・・・それはそうと・・・・・え〜っとね・・・今度の七日かな、俺たち遠征にはいるから。」
「え、遠征!!!しかも七日って!!!!」
「おやあ〜?なにか予定でもあったのかい?残念だけど俺たちと子義殿の隊で建業から出るからね〜場所はまだ秘密。準備を怠るなよな!」
はその場に倒れました、ばったりと。
そして誰もいなくなった鍛錬場で、叫んだのです。
「今度の七日って合肥コミケ当日じゃないーーーーー!!!!!!!」
はその夜、太史慈と見回りをしていた友人によって真っ白になったで発見されました。
「・・・・・・燃え尽きているな。」
「はい、子義師匠。恐らく・・・今度の遠征についてでしょう・・・。」
「部屋へ運んでやれ。」
「はい、連れて行きます。」
「子義殿、そこにうちの〜・・・ああ、それそれ。、背中におぶった真っ白いの、いただけるかい?」
「あ、では・・・。」
「しごきすぎではないのか?凌統。」
「今日はちょっと叩きすぎたかもって思ったんですよ。」
「それで向かえに?では・・をお願いします、凌統殿。」
「・・・・・・・・・・我々も行こうか?」
「はい、子義師匠。」
満月の綺麗な夜、二人の腐女子はそれぞれの上官とゆったり過ごしましたとさ。
−いい加減終われやっ!!−