*この話は引き続きに続いて立志モードをつかった“腐女子向けドリーム”今回は泰権で泰凌で凌権という恐ろしい代物でもあります。苦手な人は回避で。
苦情は受け付けませんが、
質問、問い合わせ、ネタ、私のも作って!という猛者等は常に受け付けてます、生涯現役じゃー!@黄忠のじじい。
すぺしゃる・さんくす→「木氏公社ver2@灯様」よってこのお話は彼女とのメッセで交わされた台詞が題材となっております。
*デフォルト名では主人公が灯氏(ともし)で短髪、その友人が誼將(名前変換ポイント)で茶ぱつボブヘヤーとなります。
*是非どちらかお好きな方へ貴公の名前をいれて配下兵となった気持ちで読んでください
*灯氏は凌統配下、誼將は太史慈配下で什長です(作品によって階級が上下してますが気分です)。
*作中で灯氏は凌統を「先輩」、誼將は太史慈のことを「師匠」、周泰を「周泰先輩」と呼んでいます。お嫌な方は回避。
*自己満気味ですいません。意外と楽しめるそうですが・・・_| ̄|○。
*回を重ねるに連れて注意書きが色々とうるさくてすいませんです。
























立志モード〜太史慈の受難〜








 「明日から柴桑へ遠征になった。」

太史慈は什長になったその他数名を執務室へ呼び、遠征準備とどの隊が残るのかを話しました。

「・・・ということになる。残り組は休暇に当ててよいが、次の遠征時は残り組が出陣することになるだろう。」

今回出陣となるは「・・は出かなぁ。」と思います。

それから解散を言い渡されは他の什長達と打ち合わせ件雑談をしながら詰め所へと向かいました。





 「えーっ?!」

「えーじゃないっての・・。」

場所は変わりここは凌統の執務室。

太史慈と同じように打ち合わせをしていた凌統はを残して解散を言い渡し、その直後、不服な声が廊下まで響いてきたのです。

「お前は留守番だ。それより弓の練習しておきなよ、戻ったらチェックするからね。」

「そんなぁっ!だって遠征ですよっ?!こんなおいしい・・・!」

は口を滑らせそうになり慌てて手で押さえます。

「こんなおいしい・・・ネタか?んー?」

ニヤリと笑んだ顔が自分をのぞき込んできますがはブンブンと首を横に振り、潔白をアピールします。

「ま、いいや。そゆことだからさ。」

「じゃあ先輩は今回どの部隊も率いないのですか?」

「そう、欠員補充でいくんだからね、あんたも休暇をしっかり楽しんで体を休ませときなよ?」

「ぶー・・・。」

「なんだい、ぶーってのは・・。折角上司が部下の身を案じてるってのに・・・。」

やれやれ・・と凌統は小さく息をつき、きっちり座っていた足を崩しました。

「今回はりょもさんが責任者として出陣で、そんな大げさな戦にもなりそーにないし。」

「・・・・・。」

「・・・だからそんな目でみるなっつの・・・・。」

「・・・他にどなたが行くのですか?」

「太史慈殿のところが半分出陣するけど子義さんが率いるのか副将が率いるのかは未定なんだ。」

「・・周泰殿は?」

「出だよ?あの人今は部隊率いてないから大将を任されてるりょもさんにくっついてくはずだ。」

「・・そうですか。」

あ〜は出かなぁ?とは思います。

と、彼女の髪の毛が一房、ピコーンと跳ね上がりました。

「解りました、では、失礼致します。」

辞去を願い出、供手するとあっさりは執務室を出て行ってしまいました。

「・・・・・まぁ、いいけどね。」

少しあっけにとられた凌統はぽつりと呟きました。





 は兵舎の詰め所へやってきました。

大きな建物には副将より階級の低い長達がそれぞれの執務室を宛われており、とても人の往来が激しいところです。

もここに一室を宛われていました。

ー!!」

動きやすそうな赤色の軽装衣に茶パツはある意味のトレードマークです。

「あ、。」

、今回出?」

「うん。」

「あー!!!いいなぁもうっ!」

「留守番か。」

「先輩、今回は欠員補充で呂蒙殿配下になるんだって。だから一隊しか率いないの・・・。」

「あーあー。あたしはバリバリに出だよ。周泰先輩が呂蒙殿の配下になるってさ。」

「・・・、、」

「ん?」

の目がギラリとひかります。

「おいしいシチュ?」

「そう思われる。」

ニヤリと頬笑むと反対に冷静な表情ですが深く頷くはとても対照的です。

そこへ大きな手が二人の肩を叩きました。

「お前達またよからぬ事を考えているのだろう?」

振り返ると大きな好漢がやれやれ・・・といった表情で立っていました。

「子義師匠。」

「太史慈殿!」

「俺はなぁ・・お前達のお守りまでしたくないんだぞ?頼むからよからぬ事に、いやむしろ流すべき所は知らない振りをして欲しいのだ・・・。」

は何故太史慈がこんな、あたかも泰権凌権泰凌を知っているという前提で話をしているのか分かりませんでした。

「よからぬ事ではありません、萌です。」

「真顔で答えるなっ!まったく・・・。俺にはお前達女性の考えることなどわからん。しかし、野暮なことではないのか?」

ここまで言われ、は合点がいきました。

この好漢は知っているのです。

「ですが凌統先輩は公認してくださいましたよ?」

「なんだとっ?!」

これには太史慈も驚きを隠せません。

そこへ凌統が現れました。

「あれ?皆さんお揃いで。」

いったい彼はなぜここにいるのだろうか?

恐らく自分たちと同じように戦の指示を出していたはず。

彼の配下であるはここにいて、しかし彼は彼女に用があるわけではないようだ。

にぎやかだが今殆どの長達はこの建物から出てそれぞれの軍団長の元へ行っているだろうといういるわけで・・・。

ここまで考えて太史慈にはある疑問が浮かび、カマをかけてみることにしました。

「・・・・凌統、つまらん事を言うが・・・。」

太史慈はおそるおそる言います。

「周泰なら殿の所だぞ?」

「えっ?ほんとですかっ?!なんだよー、あの人自分で呼びつけといて・・・。」

凌統はムチムチむくれながらそのまま建物へ向かいます。

「あ、先輩どこへ?周泰殿はいないって・・・。」

「しょーがないから待っとくんだよ。眠いしあんまり動きたくないからね〜。」

ふわ〜あ、と欠伸を一つかましながら凌統は行ってしまいました。

「・・・・・まつんだ。」

「そーみたいだね、。」

「話は戻るが、お前達がしていることは野暮なんだぞ?」

「十二分に承知しております、師匠。しかし、」

「なんだ?」

は太史慈を見上げ、柄にもなく大きく愛嬌のある瞳をじっと見つめます。

「・・・周泰殿の助けになってますし、凌統殿の事もが助けてますから結果オーライです。」

「・・・・・。」

太史慈は眉を顰めます。

「いったいお前達が彼らに何の助けになってるというのだ?」

「もし誰か来たらまずいですから私達が知らせたりするんです。」

が答えます。

「・・・師匠だって誰かとの逢瀬、人には見られたくないでしょう?」

「そりゃぁまぁそうだが、俺ならそんな後ろめたい事はせんぞ。」

「・・・・・・・・そうですね。」

がほわん、と頬笑んでいいます(はその様子を見てなにかあるなこのヤロー、と思った)。

「ギブアンドテイクですよ、太史慈殿。この関係はとても危険なのです。何かあれば私達が打ってでますからv」

さぁいこう!とは彼女の腕を引っ張って行ってしまいました。

太史慈はそんな彼女たちの後ろ姿を見て「・・・頼むからやっかい事に巻き込まないでくれよな・・。」と呟きました。




もちろん、物の見事に巻き込まれるわけですが。




 二人は周泰を探していました。

凌統がむにむに言いながら部屋で待っていることを伝えるためです(これなら見つかっても探していましたと言い訳できるな、と二人は思っている)。

「・・・看破機能を持つさん、」

「機能なんだ。」

「・・・・・看破能力を持つさん、周泰先輩はどこ?」

「不明。」

「・・・ぬ〜ん・・・。この場合考えられる場所はただ一つ。」

「ただひとーつ!」

「「殿の部屋っ!!」」

・・・・・ついでにいうと二人は屋根の上にいます。

「それより今度の市で出すの?錦絵集。この前まで漫画書いてたけど大丈夫か?」

「あ〜平気平気。今までのを直したり書きためたのも使うからさ〜。あとは新作を描けるだけ描いておきたいかなって。」

「ふ〜ん。」

「早くも取り置きの問い合わせが来てるんだ〜☆」

「さぁっすが!」

「その為にもいいインスピレーションが欲しいんだよねっ!」

「そっかぁ・・・。楽しみにしてるね〜。」

「へへへ〜。あ、そうだ、これこれ。」

は懐からズルリと一冊の本を取り出しました。

「わっ!!これって!!!」

思わず取り落としそうになる

はニンマリ笑いました。

「できたよ〜春・画☆」

「うわぁ〜これこそ本当に今までの集大成だよ〜。」

「お気に入りのシーンを漫画から抜粋したのも有れば・・・ほらこれ、見覚え無い?」

「あ、これってこの前の・・・?」

がめくったページには見覚えのある泰凌シーンが、それはそれは美しく絵がかれています。

「そう、あの小道の奥でやってたやつ(番外編参照)。」

「わ〜すげ〜マジで腐女子フィルターだ〜。」

「んふっふっふっふっふ〜。これはね、もう二喬様の所へお渡ししてあるんだ。」

「おお?お得意様だもんね。」

「好評でした、お粗末様ですってかんじ。あ、それのだからね。」

「いくら?」

「あげるよ。」

「いいの?」

「そのうち何かで返してv」

「わかったv」

はいそいそと懐にしまいます。

そして二人は城内にはいると普通に廊下を歩いて我らが殿である孫権の部屋へと向かうことにしました。




 てくてくと歩く女子が二人。

と、彼女たちが数十秒前に歩いたところへ太史慈が出てきました。

危うく何かを踏みそうになり慌て手足を止めます。

「おや・・?本・・・か?」

誰のだろう、と想いながらパラパラパラ・・・・とめくる太史慈。

「ふむ・・・・錦絵だな。」

最初は何が描かれているのか解りませんでしたが、見るにつれ紛れもなく自分の友人達や畏れ多くも殿の絵姿が描いてあるではありませんかっ!!

しかも異様に肌の露出が多く、見ているこっちが恥ずかしくなるようなものばかりです。

太史慈は慌てて閉じ、落とさないよう念入りに鎧の内側へ挟み込みました。

「・・・あの困った二人だなっ!!!」

こんなものがあると周りに知れたら事は重大!彼女たちの生死だって関わってくる!

真っ赤な顔をした太史慈は急いで思い当たる場所を目指して走り始めました。




 そんなことになっているとはつゆ知らず、は殿の部屋の前で止まり、侍従に用件を伝えました。

「え?周泰殿?彼はここに来ていませんよ?」

きょとんとした顔で彼は言います。

「うそぉ・・ここにいるって聞いてきたのに・・・。」

「私は言い付かっておりませんが・・・。」

「・・では殿はいらっしゃる?」

「ええいらっしゃいます。でも今は先頃の鍛錬でお疲れになられたということでお休みになっていますよ?」

は「それだっ!」と思いの髪の毛もピコーンと上がりました。

「・・解りました。では他を当たってみましょう。お手数をおかけしまして。」

は言います。

「いえいえ。もし見えられたらお伝えしておきますから。」

「宜しくお願いします。」

が言い、二人は元来た方へと歩いていきました。




 「・・・それで結局そのままにしたんだ?らしくないな〜。」

紅い服に身を包んだ姫君が言いました。

「しょうがないですよ〜。だって侍従がああ言ったということは本当にお休みになられているのかもしれませんからねぇ。」

「まぁ兄様のことだからね〜。確かにここ数日本当に疲れてる見たい。もう何日もクマがとれないからなぁ。」

は動かしていた筆を止めました。

「尚香様、」

「なに?どうしたのー?改まって。」

「本当に殿が休息を取られているとお思いですか?」

「・・・・・意味深ねぇ。」

クスリと尚香は笑います。

「本当に休息して頂きたいのであらば、暫くの間だ周泰殿と凌統殿をどこぞへ殿の側から離すことをおすすめ致します。」

「あらネタ詰めはいいの?」

「これだけ絵が描けてますので、暫くは我慢致します。」

「・・・・・・・・解ったわ、考慮してみる。せめて兄様のクマがとれるまではねぇ〜。」

尚香が手近にあった絵を手に取り、画材が乾いているのを認めると丁寧に漆の箱へと入れました。




月が一番高く浮かぶ頃。

影が一つ、城内を走っていました。

「・・・困った・・・非常に困った・・・。」

彼女の思いはただ一つ、アレを探し出すこと。

「これじゃ前にがメモ簡落としたときと同じだぞ、まったく、情けない。」

足音一つ立てず、彼女は今日歩いた道筋をたどっていきながら軒下や様々な隙間を確認していきます。

そしてとある一角へくると動きを止めました。




 「あの莫迦はいったいどこへいったんだっ!!」

兵舎から出てきた太史慈は一人ごちました。

そう、彼はあの拾った本を渡しに来たのです。

しかし二人の部屋は空っぽ。

「・・・・考えてみろ、子義。あの二人だぞ?しかしは明日の朝早い。は留守番だから・・・まぁあまり考えたくないがどこぞへ行っているとしても・・。」

は隊を率いて明日から遠征です。

いつもなら必ず自分の所へ来てはお茶を入れ、様々なことを勉強するという熱心な部下だというのに今日に限っては音沙汰無し。

「・・まさかこれを探しているんじゃなかろうな・・。」

いや、確かにこれを拾われたらまずいことになろう。

まして自分が拾ったなどと露も思わないはず。

「ええいっ!」

太史慈は警邏の兵以外誰も歩いていない城内を探すことにしました。


 それから少し経ったとき。

太史慈は漆黒の服に身を包んだ部下を見つけました。

彼女はあたりをキョロキョロし、何かを探しているようです。

しかし彼が声をかけようとしたところで彼女は行ってしまいました。

太史慈は慌てて追います。

「・・・あいつこんなに身軽だったのかっ?!」

おもわずごちます。

そのときが見つけていたのはコソコソと道を行くと姫でした。

「三人だとっ?!」

太史慈は少し距離をあけて彼女たちを追いかけます。


 いったいどこをどうやってここまで来たのか。

ここは本殿の真裏なので夜ともなれば警備が他よりも厳重なところです。

それをあっさりとかいくぐったと己の技量に少なからず驚いたものの、太史慈は後をつけました。

ここまでくればあの3人が何を狙って来ているのかは明白。

主に気づかれる前に彼女たちをここから引っぺがさなくては。



 「・・・にーさまも、やるわね。」

「昼間はお休みだったのでしょう?」

「ええ、周泰に子守歌を歌って貰いながら昼寝ですって。」

「・・・歌旨いの?。」

「地味にヤバイくらい上手。」

3人の女子は軒下へやってくると壁に背を預けます。

「・・・先輩かぁ。」

「あら?凌統は昼間周泰の所にいたんじゃないの?」

「何をやっているかは解りませんからね・・。」

が答えます。

しかし彼女の内心としては「全部探したのにないぞ。・・・やはり拾われたか・・。」と舌打ちした状態。

騒ぎになっていないと言うことは女性が拾ったか(城内の女官にもファンは大勢いる)、好き者が拾ったかだ。

「あの二人をにーさまから離さないとにーさまの顔色は戻らないわねぇ。」

「・・・場所を変えますかな、お二方。」

のレーダーが跳ね上がり、彼女たちは城内へ上がると表側に向かって移動を始めました。



 太史慈が彼女たちに追いついたとき、彼女らは畏れ多くも殿の部屋へと身を滑らせていました。

彼の頭の中は意味不明な記号文字で一杯になりましたが早く引っ張り出さなくては、と急いで後を追います。


まぁ、これがいけなかったわけで・・・。


 太史慈は己の腕力にいわせて3人を一気にとりまとめて急いで部屋から出てこの場から離れることを計画していました。

しかし、この3人、ただ者ではない。

一人は弓腰姫と名高い我らが姫君で今一人は軽業で名を馳せる伯長、そして最後がもっともくせ者、怪力を誇る己の部下です。

太史慈が予定通り、図体のでかさと力を駆使して3人を抱えたときでした。

くせ者かと思ったが地に足をつけ、思いっきり踏ん張って太史慈を投げたのです!

「うらあっ!!」

もちろん、投げた先は畏れ多くも殿の寝所。

そこには素っ裸の凌統がいま気を飛ばしたばかりの、同じく素っ裸な孫権から離れるところでした、が今凌統の姿はありません。

凌統視点から言うと轟音と共に扉が壊れ、太史慈が自分に向かって飛んできたのです!

「うむむ・・・め・・・。」

投げ飛ばされた太史慈が頭を押さえながら起きると眼前には・・・・・・。

「・・・あ、倒れた。」

がぽつりといいます。

お色気濃度が特に上がっている凌統を押し倒したような格好を認めた太史慈は、その場でぶっ倒れてしまいました。




 今回のことは肝心の孫権にばれていなかったので尚香が「不問よv」といったのでなんの問題もありませんでした。

しかし、それぞれの部屋では大変なことになっていました。




−in 凌統’s room−


 「ごめんなさいってば〜!」

「まだまだぁっ!」

「もう・・・許してくださぁい〜!!」

「こんなんで音をあげるなっての!」

「ふわ〜ん!!」

「ほら止まるな!しっかり動けっ!!」

「いや〜胸が減る〜!」

「もともとないだろ!」

「ひどいっ!!」


 部屋では俯せになったの足の上に凌統が座っていました。

そして彼女の腕は後頭部で凌統に押さえられています。

「ほらぁまだまだあと50回足りないぞっ!!」

そう、恐怖の背筋200回(夜なので免除されている)しかも凌統乗せてやっていたのです。


「もう動けません〜!」

「泣き言いえるなら動かせっ!」

「いや〜!」

「ほら次は腹筋だぞ〜!!」

「いや〜!誰か助けて〜!〜!!」


 が上官に怒られている(覗き見よりは後をつけられていたのに気づかなかったので)頃、は・・・・・。



−in 太史慈’s room−


 「・・・これを探していたのだろう?」

ふたりは向かい合って正座していました。

の顔にはいささか緊張の色があります。

太史慈は卓の引き出しから例の本を取り出しました。

「!!!・・・・・はい。」

「まったく、真っ黒な偵察服まで着おって、怪しまれて敵と思われました、じゃすまないんだぞっ!!!」

はギュッと目を閉じて顔を背けます。

「・・・ともあれ、見つけたのが俺でよかった。・・・・・・持ち歩くな、このようなもの。」

「はい・・すいません。」

「・・・冷やせ。」

「はい。」

は差し出された布を桶に入れてぬらすと水を切り、太史慈に渡しました。

「まったく、投げ技だけはキレがあった。」

「恐れ入ります。」

投げられたときに額を強打した太史慈は物の見事なたんこぶを作ったのです。

「お前の怪力についてはもっと考えんとな・・。」

「・・・。」

太史慈はしょげた中にもどこかホッとしたような顔の部下をみて(本が見つかったので安堵している)小さく息をつきました。

「戻って寝ろ。明日は早いぞ。」

「・・・・・何も言わないのですか?」

「あの場にいたことか?・・おおかた察しは付いているし・・・もういい。」

太史慈は真っ赤にした顔をプイッと背けました。

「・・・・大丈夫ですか?」

「何がだ。」

「その・・・・見てしまったこと・・・。」

「!!!」

心の中で「あ〜この人やっぱ純情♪」などが一人萌えているとはつゆ知らず。

「お色気にあてられてしまったのでは」

「な、なにも見てないぞっ!」

太史慈はムキになっていいます。

「お前達に巻き込まれるとこっちの身がもたん!頼むから勘弁してくれ・・・・・。」

ガックリとうなだれた上官にはお茶を入れることにしました。

「・・・安眠作用のあるお茶を入れておきますから・・・飲んで寝てみてください。私も明日に向けてこれを飲んで寝ますから。」

「・・・・・明日は早いぞ。」

「はい。」



こうしてそれぞれの夜は更けていきました。







−終われ−







。おまけ。

「・・・、すっごい顔してるよ・・大丈夫?」

「一晩中先輩に襲われてた。」

「襲われたっ?!」

「先輩を上に乗っけて動いてるの・・・。なんというか、布団が恋しい。眠い。」

「どうだった?」

「体中が痛い。特に背中と腰。」

「うわぁ・・・・。」

「・・・は?」

「怒られたけど今日があるから寝た。」

「いいな〜。」

「・・・凌統殿はそんなに眠そうじゃないね。」

「うん・・・・・・で、何回やったの?」

「背筋200回と腹筋200回だったけど途中で気が飛んだ、眠かったし。起きたら先輩の部屋の長いすだった。」

「最高記録?」

「だね。」

「・・・・・まぁ、今日から休暇でしょ?」

「うん、見送ったら寝るよ。」

「そうしなって。」

「・・・生きて帰ってきてね。」

「勿論。」

「・・・・・いってらっしゃい。」

「うん、いってきます。」







−終劇−