*この話は引き続きに続いてもう7話目!立志モードをつかった“腐女子向けドリーム”で泰権で泰凌で凌権です。
*苦情は受け付けませんが、質問、問い合わせ、ネタ、私のも作って!という猛者等は常に受け付けてます、いっちょやるか!!@太史慈。
*すぺしゃる・さんくす→「木氏公社ver2@灯様」よってこのお話は彼女とのメッセで交わされた台詞が題材となっております。
*デフォルト名では主人公が灯氏(ともし)で短髪、その友人が誼將(名前変換ポイント)で茶ぱつボブヘヤーとなります。
*微妙に太史慈ドリームが盛り込まれております。お好きな方は読み込み直して太史慈の方へご自身のお名前をどうぞ。
*灯氏は凌統配下、誼將は太史慈配下で什長だか伯長だかです(作品によって階級が上下してますが気分です)。
*作中で灯氏は凌統を「先輩」、誼將は太史慈のことを「師匠」、周泰を「周泰先輩」と呼んでいます。お嫌な方は回避。
*自己満気味ですいません。意外と楽しめるそうですが・・・_| ̄|○。
*今回も完全ギャグです!ヽ(´Aメ*)ノな周泰なんてぜーったい見たくない!!という周泰ドリーマーの方は緊急回避!!!!
立志モード:番外編2〜温泉に行こう!!〜
「「温泉?」」
とはオウム返しをしました。
彼女たちの見る先にはそれぞれの上官である凌統と太史慈が立っていて、表情も明るく、むしろニコニコしています。
「そうだ。今のところ順番に各2隊ずつ療養もかねて行っていたのだが、明後日はいよいよ俺たちが出発する。」
「俺たちが一番最後だからね、殿達孫家も一緒に行くってさ。」
「「お〜!!」」
とはまたも同時に声をあげ顔を見合わせます。
「まったく、こんな良い知らせを持ってきたってのに・・二人ともまさかここにるなんてなぁ・・・。」
凌統は困った顔で、空を仰ぐかのように見上げました。
太史慈も手で庇を作って太陽を背にしている部下達を見上げています。
そう、この二人、いつも通りに建業城の屋根にいるのです。
「ったく・・。あんた達、もう他の連中には言い渡してあるんだから・・・部下達に休みを言い渡しておきな!!」
「あ、先輩、行かれるのは限られてるんですね?!」
「そう、伯長以上だからなー!」
がふんふん、と頷いているとはひらりと屋根からその身を躍らせました。
「おいっ!」
あまりの高さに慌てる太史慈の小さな悲鳴を余所に、
−スタッ!
軽い小気味よい音を立てて着地したは太史慈の腕を持つとぐいぐい引っ張っていきます。
「お、おい・・・どうしたのだ?」
「・・・・・・・。」
彼女はそのまま暫く歩いて人目のないところまでやってくると上官に向き直り、ちょっと困った顔をして言いました。
「あの・・・師匠、」
「なんだ?」
「・・・確か周泰先輩はまだ師匠の部下でしたよね・・・。」
「そうだが?」
「今回は孫権様も凌統殿もご一緒と?」
「あ、ああ・・・。って・・またよからぬことを考えているんじゃなかろうなっ?!」
「声が大きいです、師匠。・・・逆ですよ、逆。」
「逆・・だと?」
太史慈はキョトンとした顔で部下を見下ろします。
「先日の事件をお忘れですか・・・師匠。」
の表情はまるで怖い話を暗がりでしているかのような顔で、怖い話をしているかのように太史慈に迫りました。
ゴクッと思わず生唾を飲んでしまう太史慈。
「そ・・そうだったな・・・弱ったな・・・。」
「あれから色々話してみたんですけど厄介なことに変泰化している間の記憶は先輩にないようなのです。」
「ま、またできたよーな設定を持ってきおって・・・。」
イヤな汗を感じつつ取りあえずはツッコミを入れる太史慈。
しかし次の瞬間、は普段と変わらない少年にも見える表情に戻っていました。
「ま、殿に関しては側付きの護衛部兵もいますし、尚香様がついておられますからね。あとは・・凌統殿でしょうか。」
「う、うむ・・・。」
「を、と言いたいところですが彼女は過度の変泰恐怖症にかかっておりますので・・・。」
「なんとまぁ・・。」
太史慈は腕を組み、先ほどのところで凌統と話しているをみやります。
「・・発病しないことを、祈るしかないだろう。」
「そうですね・・。」
小さくため息をついたに太史慈は軽く頭を撫でると連れだって凌統達の元へ戻りました。
所変わって、温泉宿。
山道をたどり半日、一行は渓谷に姿を現した建物に驚きました。
ちょっとした城のような大きさをもつ山荘です。
昔から有るのか重厚感があり、また周囲の景色にしっかりととけ込んでもいます。
先頭を行くは凌統の隊、孫家が続き最後を太史慈の隊が行きます。
一部の兵士を除き武装をせず旅のキャラバンにも似た出で立ちで、主たる孫権などは髪色に合わせた淡いベージュの外套を異国の民のようにはおっていました。
最初に孫家が宿へと入り、凌統の隊、最後に太史慈の隊と続きます。
馬を下り、一通り指示を出した太史慈はがいないのに気づきあたりをぐるりと見回しました。
すると調度死角になるところに黒い切れ端が見えたのです。
「の羽織っている外套か・・・?」
太史慈は側に近づきます。
するとこんな声が聞こえてきました。
「・・・それは無理、ですよ・・。」
「分かり切っている。が、殿の御身を守るのが私達の役目だ。」
「しかし・・相手は我らが長ですぞ?」
「幼平殿がいつもと変わらなければ警戒する必要はないのだ。」
「しかしお話を聞く限りでは日頃の長とはまったく違う強さをお持ちのようですが・・・?」
「・・・そこだ。」
「え゛〜・・・・?」
「先日のくせ者騒ぎを知っているだろう?あれは・・周泰殿のことだ。」
「そんなぁ〜。なお無理じゃないですか〜。」
「隠密部隊は?」
「今回は参加していません〜・・。」
「あ〜・・面倒なことにならなきゃいいんだがなぁ・・。」
「もう、こうなったら各々で警戒していただくよう伝えた方がよろしいのでは〜?」
「しかし・・こんなに狭い空間でそういった騒動を起こすのも忍びない・・。」
「ひとまず、警戒はしておきます。」
「頼む。何かあったら私か、太史慈殿の所へいけ。あの方も訳を知っている。」
「解りました、そう伝えましょう。」
話が終わるとザッ!という枯れ葉を踏み切る音が一瞬聞こえました。
「やれやれ・・。」
彼女はぼやきながら振り返るとほんの少しだけ驚いた顔をしました。
「師匠・・・。」
「変泰対策か?」
「・・殿をお守りするのが我らの役目です。が、今回私は凌統殿とのバックアップに回ります。」
「それがいいかもしれないな。人は足りてるのか?」
「ええ・・その点は。指揮する者も別にいますから。」
「変泰にならないよう、祈るしかない。」
「取り越し苦労になればいいのですが・・・なにぶん、気持ち半分は休暇ですからね・・。」
あ〜あ、と大きな大きなため息と落胆の声をあげる。
宿の方から彼女を呼ぶ声がします。
顔を上げるとが玄関で手を振っていました。
「では、師匠・・・。」
「うむ。」
彼女は一礼すると走っていってしまいました。
宿にいる間、周泰は孫家につくこととなりました。
事情を知っている尚香が手配したのです。
「でもま、あえて近づけさせといて護衛心に火を付けさせておくのも良いと思って。父様や兄様だっているし、義姉様達もね。」
あ〜良いお湯v
と尚香は露天風呂にはいるとお湯を布に含ませ顔を拭います。
「確かに、その方が欲求の爆発確立が下がるかも知れませんね・・・。」
濡れた髪を掻き上げ、が尚香の隣に座りました。
そのまた隣にがすでに布を頭に乗せた状態でつかります。
「あ〜良いお湯〜v」
「そうだなぁ〜。」
とがまったりと感想を述べます。
渓谷を見下ろす形に作られた露天風呂、上にはきちっと庇があり雨が降っても楽しめるようになっています。
前を見れば広がるは絶景。
「・・・すごい眺めねぇ〜。」
尚香は目を細めてうっとりと言いました。
季節は秋。
落葉樹は見事に紅葉し、一年の中で一番美しい様相に変わっています。
まして彼女たちが望むのは渓谷。
赤・橙・黄・黄緑・緑、そして夕暮れの空と空を映す川の水面は絶妙なコントラストを描いていたのです。
女性三人、しばしその絶景に見惚れていました。
と、女性三人まったりしている最中、のアンテナがピコーンと跳ね上がりました。
「ん?んん?」
は周りをキョロキョロ伺います。
尚香もあたりの気配を探ります。
ただ一人、はゆったりお湯につかったまま目を閉じていました。
と、三人が感じていた気配がパタリと消え、のアンテナもまた収まってしまったのです。
「あ、あれ?あれれれ?」
は慌て、尚香ももしや、と思います。
と、が目を開けたかと思うと傍らにあった湯上がり用の黒い羽織を手に助走を付けると露天風呂から飛び降りたのです!!
「「?!」」
尚香とは彼女の落ちていった先を見下ろします。
そこにはポツポツと人影があるようです。
「・・もしかして・・男湯・・?」
尚香は呟きます。
そして二人は湯から上がると簡単に服を着て階下の男湯へと走っていきました。
尚香とが勢いよく男湯に飛び込んだ時(武装済み)は主である孫権を彼の羽織でそっとくるんでいました。
酷く脅えていて、にすがるように座り込んでいます。
「殿・・・大事有りませんか?」
「た・・助かった・・・・・。」
がたがた震えている背をそっと撫で、はそっと言いました。
「・・諸葛殿から聞き及んでいるかとは思いますが・・我らで、お守り致しますので。」
「うむ・・・。」
と、が尚香の陰に隠れるように言いました。
「も、もしかして・・・出たのかなぁ・・・。」
「そう思うわー。の看破だって途中で使えなくなったしね。それに、兄様の脅え方も尋常じゃないわ・・。」
尚香は兄の傍らに膝をつきます。
は彼女に主を任せるとの方へ歩きました。
はいつのまにか弧刀を手にしています。
「・・あ、武器、持っていたんだ。」
「服にくるんでいた・・・。大丈夫か?」
「うん・・・なんとか。」
しかしの表情はどこか警戒するようにの腕にすがります。
「しっかし・・無茶するねぇ・・・。あんな高さから飛び降りるなんて・・・。」
「下に、師匠がいたから・・・。」
「え゛っ?太史慈殿が?」
「・・・今は、アレを追ってる。」
は降りてきた前髪をうるさそうに掻き上げます。
「・・ちょっと高さがあったからそのまま羽織を着て腰帯を締めて、・・師匠の気合いで衝撃をゆるめてからアレの上に飛び降りた。
・・・アレは、湯殿の死角でハァハァ言っていた・・・。」
「げえっ!!」
はいよいよ顔をゆがませ、辺りをうかがいます。
「・・・ったく、何事かと思えば・・・。」
と、脱衣所への扉が開き、上半身裸の凌統が顔を出しました。
「あ、先輩、今からだったんですか?」
「ああ。ったく・・・ここは濁り湯の名湯として知られているからさっさと野暮用片づけてさあ入ろう、って思ったら・・こんな騒ぎになっちまって・・・。」
やれやれ・・・と言わんばかりに凌統は手にしていた上着を羽織ります。
その横を孫権と尚香が従者に連れられて出て行きました。
「で、、あんたは大丈夫なのかい?」
「えっ?」
我に返って凌統を見上げる。
そんな彼女はじ〜っと上から下まで、まるで観察するかのように見ていきます。
(・・・解けた髪〜・・・おお、いつも見てるけどあまりゴツ過ぎない胸板〜・・・合わせ目から良い感じに見えてるわね〜・・・・・)
と、只ならぬ淡い気配には相棒の肩を叩きます。
「お、おい?」
「あん!今良いところ何だからぁっ!」
「・・・・???」
(え〜っとどこまでいったかな〜。・・・・あ、あれってもしかして痕っ?!あ〜この前の変泰騒ぎからそんなに経ってないもんねぇ。あ、下はまだいつも通りか〜。)
「しっかし・・・・、」
が再び凌統を見上げます。
「ん?なんだっての・・・。」
「先輩そんな格好してたら喰われますよ?」
にこやかにサラリと言う相棒には鋭いツッコミを入れます。
「ったく・・・・私達だけではないんだからな、ここにいるのは。ともあれ、凌統殿もどうか警戒を怠らないでください。」
「警戒ったってなぁ・・・相手は周泰さんだぜ?」
「では先日のような酷い有様に再びなりたいと?」
「う゛・・・・・それはないが・・・。」
「そーですよー先輩。あんなんじゃネタにもなりませんからね〜、変態すぎて。」
「・・・・・。」
ともあれ何か対策を打たなければならない。
は思います。
しかし何か忘れてないか?
ここは男湯だ!!!!
湯船では出るに出られない孫堅・孫策が真っ赤な顔をしてひたすら待っていました。
湯冷めしそうだったとはもう一度風呂に入り直して部屋へ戻りました。
今回は見張りもかねて太史慈、凌統、、という4人で大部屋なのでも一安心です。
間接照明が穏やかな部屋に戻ると太史慈が顔を出し、真っ先に怒鳴りました。
「この馬鹿者がッ!!!」
「・・・・。」
「お前一歩間違えたら即死だぞ!!そんな高さから飛び降りおって何を考えている!!!!」
「・・・・。」
「、悪いがはずしてくれるか・・・。済んだら呼びによこすから・・。」
は太史慈を見、を見てから(彼女はまっすぐ太史慈を見たままだった)部屋を出て行きました。
数十分後。
廊下の一角にもうけられた踊り場の長いすに座って凌統と待っていたの所へが呼びにやってきました。
「、」
「あ、・・・済んだ?」
「ああ。」
は少し苦笑すると友人の頭をポンポンと撫でます。
「お疲れ。」
「うん。」
弱々しく、それでも笑みを友人に向ける。
端から見れば美少年とその恋人のようにも見えなくもありません(少なくともそれを見ていた凌統は思った)。
「で、部屋に戻れるのかい?」
凌統は立ち上がりながら尋ねます。
「お待たせ致しました。」
「気にすることはないってね・・・。ところで周泰さんを知らないかい?」
「師匠がしばき倒して今は湯を使いに行っているそうです。」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」
「普通に不審者と思ったそうです。」
それは暗に変泰化したことを差しており凌統の顔が引きつります。
「ただ、今晩は孫権様の護衛という仕事がはいっておりますから、変泰化は避けられるかと。」
「そうかい。」
「私も仮眠の後、周泰先輩と交代で3時間だけ行ってきます。流石に勤務中なので変泰化はしないと我らは踏んでいます。ですから安心してください。」
こうして3人は部屋へ戻りました。
大部屋には布団が4枚、しかれていました。
二枚目と三枚目の間は広く取ってあり襖がありました。
「お前達はそっちで寝るんだ。」
夜着に着替え、髪を緩く下で結った太史慈が言いました。
その姿をは無言で見てます。
「ん?どうした、。」
「師匠、本当に髪を切るのですか?」
「あ、ああ・・・大分長いからなぁ。」
「・・・・・・。」
は何も言わずにの方へ行くと襖を半分占めました。
「あ〜先輩達覗いちゃいけませんよ〜。」
の声が言いました。
「着替えてるのかい。・・・俺たちはもう寝るから、お前達も早く寝ろよな。」
凌統は髪を解いて一枚羽織を脱ぐと丁寧にたたんで布団の中へ入りました。
太史慈も同じように布団へ入り、側に置かれた明かりの火を消しました。
「え〜、その格好で寝るの〜?」
「四時間もすれば交代が呼びに来る。ギリギリまで寝ていたいからな。」
は灰色のズボンに黒い武闘服を着て布団に潜りました。
は淡い桃色に紅いチャイナボタンのついたいかにも女の子向けな上着に膝少し下のズボンという可愛らしい格好です(目線)。
やがて半分占められた襖の向こうも闇に包まれるとあとは静まりかえった空間があるだけでした。
四時間後。
は配下の兵士に起こされ部屋を後にしました。
廊下を歩いている間にぼさぼさの髪に懐から取り出した銀の櫛を通します。
そして少し目をこすって顔をシャキッとさせると状況を聞きました。
「先輩はどうだ?」
「変わった様子もなく過度の護衛までされてます。」
「さよけ。」
「ということなので私達は到着時に言われたとおりの警戒しか行っておりません。」
「それで間に合っているのなら構わない。・・・で、周泰先輩は?」
がそう配下兵を見上げた時、二人はすでに主・孫権の寝室前までやってきました。
「中に。」
「そうか。」
は音を一切立てることなく当たり前のように寝室へと入っていきました。
「・・・先輩、先輩・・・。」
大きな寝台で横たわる二つの影。
周泰は腕の中に孫権を抱いて仮眠を取っていました。
「か・・・・、ご苦労。」
「後はお任せを。」
「明け方までには顔を出そう。」
「御意。」
周泰は滑るように寝台から降りました。
よく見れば孫権はきちっと夜着を来ており、周泰も薄い羽織を一枚羽織った姿です。
(過度の護衛はしなかったのか。)
は胸の内で呟きました。
明け方近く。
空が白んでくるとはホッとした顔をして東の空を見上げました。
因みに彼女は孫権の部屋の真上は屋根の上にいます。
彼女の勤務時間はあと数分で終わるのです。
「何事もなく帰れそうだな。」
彼女が柄になく微笑みを浮かべた時でした。
「うわぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!」
ドップラー効果と共に悲鳴が確実にのいるほうへと向かってきているのです!
「こんな早朝から・・・この悲鳴は・・まさかっ?!」
は傍らに置いた弧刀を手に屋根を伝って逃げまどう悲鳴を追いかけました。
「・・・見つけた!」
が千里眼で見つけたのは必死の形相で逃げまどう凌統の姿でした。
夜着の上はビリビリに破れズボンは何とか死守したよう。
素足で、目は驚きで見開かれ青ざめ、髪は解けて振り乱したのかぼさぼさもいいところ!
その後ろにいるのは・・・・
「・・・光る目、だらしない口元、荒い息と明らかに本人も気づかないほどデフォルメ→(´Aメ*)された先輩!!」
は舌打ちをすると屋根から飛び降りました。
Σ(´Aメ*)
変泰はの姿を認めると歩みを止めました。
走ったからではない明らかに妖しい切れた息づかいだけが木霊します。
「先輩、そろそろ時間ですよ・・・。」
はひとまずいつも通りに声をかけます。
しかし今ひとつ解っていないよう。
ヽ(´Aメ*)・・・・・・ソコヲ、ドケ
変泰はゆらり・・・と二人に迫ってきます。
「く、来るな来るな来るな!!!!」
凌統はいつもの凛々しさも欠片もなく半分錯乱していて、は脅える凌統を後ろに隠し徐々に間合いを広げます。
(´Aメ*)・・・・ハァハァハァ
「「・・・・」」
絶対関わりたくない、という文字が二人の脳裏を右から左に流れていきました。
と、ヽ(´Aメ*)ノは何かに気づいたようにその場から姿を消したのです!
そう凌統が認識した瞬間、は屋根の上の方を見上げて「逃がすかっ!!」と地を蹴って屋根の上へと上がって走っていってしまいました。
少し遅れての配下であるいつもの兵士が凌統に追いつきました。
「すいません凌将軍!」
冷静さを取り戻しつつある凌統は配下兵が肩に羽織らせてくれた上着の前を止めながら「いくぜ、絶対殿の元へと向かったんだ!!」といって走り出しました。
配下兵も何かを感づいたのか、と同じく屋根の上へと上がったので凌統も途中で屋根へと上がり、二人は我らが主・孫権の眠る部屋へと大急ぎで向かいました。
その途中様々なところで悲鳴が上がりました。
ヽ(´Aメ*)ノは屋根を上がったり回廊を走ったり、しかも人間とは思えない野性的な走り方ですれ違う人たちを恐怖と驚きに陥れていったのです!
その後を追いかけると途中で合流していく護衛部の兵士達。
途中で尚香がの隣につきました。
「朝からにぎやかね!」
「ええ・・まったく!」
は吐き捨てるようにいいます。
「兄様の部屋?」
「間もなく・・・到着します。」
と聞こえてきた主の悲鳴。
何人かの護衛担当兵士が倒れていていかに荒々しく変泰が孫権の部屋に入ったかを物語っています。
飛び込むようにして孫権の部屋へと入ったと尚香。
そこで見たのは部屋の隅にある棚の上へ、まるで猫のように逃げ込んで脅えている主の姿でした。
「孫権様!!!」
「兄様!!」
しかし変泰との距離は非常に近く尚香とが「まずい!!」と思った瞬間でした。
「うう・・・・うえ・・っく・・・ひっく・・・。」
どこからか泣き声が聞こえてきたため一同は動作を止めました。
その間に凌統との配下兵もやってきました。
凍り付く一同。
しかし泣き声はやみません。
それどころかどんどんエスカレートしていくのです。
青い目を潤ませて子どものように泣きじゃくる孫権は錯乱がピークを越えてしまっていました。
しかも動作は酷く幼く、髪が降りているため髭が同化してまるで髭など生えていないようにも見えます。
歩み出たのは凌統で、彼は変泰と孫権の間に割ってはいるとそっと主の頬に手を添えました。
孫権は青い青い瞳を潤ませて凌統を見つめるとその手に擦り寄り、「凌統・・・・」と頼りない掠れた声がいいました。
「もう大丈夫ですからね、殿。俺が・・・ついていますって。」
「りょうと〜・・・・。」
ふえ〜ん、と子どものように泣きつく孫権、そっと抱きしめる凌統。
その前で凍り付いた変泰とその向こう側で殺気にまみれている尚香、以下護衛部兵士達。
護衛部の兵士にとって主は第一、孫権様ラバーズといっても過言ではないのです(命張ってますから)。
ついでに言うと護衛部兵士以外にも道中驚かされたり何らかの被害を被った武官・文官・手伝いに来た近所のおばちゃんまでいる始末。
流石の変泰もまずい、と思ったのか脱兎の如く部屋から飛び出しました。
しかし中庭に着地する寸前で投げられた尚香の円剣(not刃)が見事にHitしぐしゃっとそのまま落ち、あっという間に取り囲まれました。
(´Aメ;;;;)
「にーさまを・・・・泣かせたわね・・・・?」
尚香の黒い一言が始まりの合図。
−数分後。
「・・・うわーすごい、文字通りボッコボコの袋だぁ〜!」
それを屋根の上から見守ると太史慈。
「また俺は彼奴の回収役か?周泰は俺よりでかいんだぞ?」
「でも太史慈殿は力が強いじゃないですか。」
「そりゃ周泰は何とか担げるが・・・・でも重いことに変わりはない。」
「だったら無理に手をかけずに放っておけばいんじゃないです?」
あ、みんなが引けてく、とは屋根から半分身を乗り出しました。
「尚香様〜、〜!」
後に残った二人が顔を上げます。
どこか吹っ切れたような清々しささえ感じられる穏やかな表情でした。
「おはよう!い〜朝じゃない!」
「ほんっとに晴れ晴れしていますね!!尚香様!」
はそのまま屋根から飛び降ります。
太史慈も何とか梁を伝いながら(雨樋では重い太史慈を支えられないため→一カ所壊した)降りて合流しました。
「また派手にやってくれたなぁ。」
手を腰に当て困り顔で言います。
そこにはボロぞうきんのように捨て置かれた変泰。
しかしは昇る朝日を背景に、じつに爽やかに微笑んだのです。
「これで、暫くは問題ないでしょう。この人は我ら護衛部が責任を持って回収しますから放っておいてください。」
「さぁてっと・・・朝ご飯なにかなぁ〜。」
「、、一緒に食べない?部屋に来てよ〜。」
尚香は可愛くおねだりします。
は「は〜いv」と快諾しますがは太史慈を見つめたまま、
「・・・私は少し眠ります。」
そういいました。
「確かに、あまり寝てないもんね〜。3時間が結局朝を迎えちゃったんだし。」
「うん。」
は「では。」といって尚香に供手すると部屋へ向かって歩き出しました。
と、太史慈もまた「御前失礼致します。」といって供手するとの後を追っていきました。
「・・・で、、」
「なんでしょ?」
「あの二人ってどーなの?」
「あ〜、あの二人ねぇ〜。」
は太史慈と並んで歩くを見ながら言います。
「実はよく分からないんですよ。満更でもない気がしないでもないし、かといって時々まるで無関係のように装うこともするのです。」
「ふ〜ん。太史慈がそこまでするなんてよっぽど信頼しているのねぇ。」
「でも、時々見せる子義殿のに向ける優しさは本当に彼女を大切にしてるんだなって思うんですよ。昨日露天風呂から飛び降りた時も彼女の立場からだと当然のはずなのに・・。」
「確かにね。・・・あら?だったら凌統と貴女はどうなの?結構溺愛してるじゃなぁい?」
は笑いながら言います。
「溺愛されてるっていっても多分意味の違うものでしょうよ。師弟愛ってのかな?」
「公績は兄様に一筋、時々周泰だもんね?」
ニヤリと笑う尚香に同じく黒い腐女子笑みで返す。
「全ては、萌です☆」
二人の腐女子はニコニコしながらその場を去りました。
その後ろではむしろ原型を留めていない変泰が転がっています。
「まったく・・・呆れて物も言えませんよ。」
そこへやってきたのはの配下であるいつもの兵士。
彼は何人かを連れていて手短に指示を出すと変泰を担架に乗せて去っていきました。
「・・・一日部屋に閉じこめておくか。」
彼は爽やかな空を仰ぎ、ため息をつくと他の兵士と共に宿へ戻りました。
−終わり−
☆おまけ☆
「で、あの後どうしたの?。」
「寝てた。」
「ほんとにそれだけ〜?」
「・・・・・。」
「ほっぺた紅いぞ?」
「んなっ?!」
「あやし〜。」
「い、いやまて!本当に寝てただけだってば!」
「その意味の寝てた?」
「・・・・師匠も眠れなかったんだって・・・。」
「子義殿が?なんで??」
「・・・・変泰騒ぎになったら絶対私が出て行くし、もし部屋に来られたら凌統が狙われるから気が気じゃなかったんだって。」
「ふ〜ん。」
「だから・・・・・・一緒に寝てた・・・。」
「なるほど〜んv」
「あ〜いたいた、〜、」
「あ、せんぱ〜いvと殿〜!」
「うむ、世話をかけたな、!、大事無いか?」
「お元気になられたようで、安堵致しました。」
(いや〜んv殿ったら先輩と腕組んでる〜v可愛い〜vvvあ、髪ってただ結ってるだけなのかぁ。幼いなぁもうvv)
「いたたた!ちょっと悦に浸ってるからってあたし叩かないでってば!」
「、」
「あ、はいはい?」
「頼んだぜ?」
「(凌権ですな♪)がってんでい!」
−今度こそ終劇!−