*この話は引き続きに続いてもう7話目!立志モードをつかった“腐女子向けドリーム”で泰凌です、ちょっとだけ。
*今回は完全なる番外編です。
*と、今まででしたら↑が重要ですけども今回は太史慈ドリームかつ夏侯惇ドリームです。
*ので夏侯惇ファンの方は最初の方へ名前を、太史慈ファンの方は後の方へご自身のお名前をいれてみてくださいませ。
*苦情は受け付けません。
*すぺしゃる・さんくす→「木氏公社ver2@灯様」よってこのお話は彼女とのメッセで交わされた台詞が題材となっております。
*デフォルト名では主人公が灯氏(ともし)で短髪、その友人が誼將(最重要名前変換ポイント)で茶ぱつボブヘヤーとなります。
*灯氏は凌統配下、誼將は太史慈配下で什長だか伯長だかです(作品によって階級が上下してますが気分です)。
*作中で灯氏は凌統を「先輩」、誼將は太史慈のことを「師匠」、周泰を「周泰先輩」と呼んでいます。お嫌な方は回避。
*自己満気味ですいません。意外と楽しめるそうですが・・・_| ̄|○。
*今回はほぼ完全にドリームです!ご注意!!!
*あえて王道シチュエーションに挑みました!
桜咲く、月の下で私たちは
−夜。
呉で一番北にある魏との国境に近い某街から出て、一番最初に当たる山でとは野宿の場を構えていました。
傍らにはそれぞれの愛馬が、今は馬車から放されのんびりと草を食べていましたがは熱心に自分の作品を手に最終チェック中。
火を挟んで向かいで倒木に腰掛けているは最後の一冊を閉じた相方に言いました。
「で、落丁はあった?」
「・・・はぁ・・。ないよ、なかった!!」
あー終わったぁっ!!とは丁寧に本を仕舞うと(馬車には沢山同じ本が乗せられていた)、大の字に倒れ込み思う存分手足を伸ばします。
「お疲れさん。」
は薄く笑むと水を渡します。
半身を起こすとは受け取り、一気にあおりました。
「でもよかったな、間に合って。」
「呉オンリーを合肥でやるなんて間違ってるよ〜。」
「でも主催は魏だろ?」
「・・・・。」
「まぁ金にはなろうな。」
「曹操の考えそうなことか。」
曹操といえば一緒にでてくる隻眼の武将。
(あの人に会えるわけ・・・・ないわな。)
会いたきゃ戦場に出ろってか?
でも、戦が無ければ会うことはなかっただろうし、戦場で会えばどちらかが死ななければならない。
「・・・・・・。」
「、顔が怖いぞ・・・何考えてる?」
が薪を足しながら言います。
「んーん、何でもないよ、。」
そう言って微笑む彼女がなんだかとても悲しそうな顔をしているのは何故だろう。
気になったけどはそのまま傍らに置いてあった外套で身をくるむと、「じゃあ、後起こしてね」といって目を閉じてしまい聞くこともかなわない。
(いや、聞くことではないかな)
は満天の星空を仰ぎました。
−三日後早朝 呉国建業城
外回廊を全力疾走する足音がありました。
というか、ドドドドドド!!!!という擬音語がまさにぴったり。
「あんのアホはどこへいった!」
目指す場所は凌統のいるところ。
宿舎に居ないことから屋敷へ帰っているとか。
やがて裏門から出て行くと馬にも乗らず、甲冑もなにも普段着のまま、長い髪を振り乱して全速力で凌家へと急ぎます。
そして、正面ではなく裏門から進入。
早朝のためあまり人もおらず、戦の足音も遠いせいかある意味無防備だと思ったものの、勝手知ったる凌統の私室へ行き、
迷いもせず寝室への扉をバターン!!と開けたのです。
「おい公績、うちのを知らんかっ?!」
しかし確認を怠ってあけてしまったため、真っ先に目に入った光景は
−なんか背の高い顔に傷跡のある人と茶色い長い髪をもった女性が口づけを実にあつーくかましている−
という光景。
勿論周泰と凌統のことであって、周泰に比べたら凌統の背は低いわけで、比率的には男女差になるわけだから遠目で見るとまぁ普通の恋人通しに見えるわけ。
近づけば二人ともえらく大柄なのだがご愛敬。
ただ留意すべきは二人とも半裸だと言うこと。
ウットリした凌統の顔は太史慈の位置からだとよく見え寧ろ周泰の顔は解らない。
「んー・・・・・・あれ、子義さん?」
余韻の残るウットリ顔で太史慈と目を合わせる凌統。
ところがそういった色事に不慣れな太史慈はそのまま卒倒してしまいました。
−同日、昼 合肥「呉オンリーイベント」会場。
よく晴れた空の下、戦になったら100%合戦場になるだろうと不吉なことを考えながらは昼飯を食していました。
一気にかきこんでいち早く食べ終わったは現在昵懇にしている同人書き仲間へ挨拶回り中。
だだっぴろい広場には沢山の机が並べられ、簡素な筵が日よけとしてその上を走るように敷かれています。
それが結構な長さ続いて5・6列くらい並んでいて、ともすれば一日で全部は回りきれないだろうし、人が多すぎてそれどころじゃないだろうというくらい。
毎回ながら主催者はいい腕を持っているな、とは食べ終えた昼飯の空を布にくるむと馬車に置きました。
因みに馬はちゃんとこの日のために預かり場があるので問題なし。
「・・・あー良い天気だよなー・・・。暖かいし・・もう春だもんなぁ・・・。」
今回のスペースには木があってよっかかれるためそれだけでも「ラッキー」だな、とは思います。
なにせ寄っかかるところのない場所で何時間もいるのは大変辛いのです。
と、そこへ今回のオンリーイベントスタッフが大きな声で「もうすぐ開場しまーす!各自スペースに戻ってくださーい!!」と大きな声で歩いてきました。
「も、もう戻るかな。」
ポツリと呟くでしたが、そんな彼女、今日は新作である陸遜のモデル1を着ていました。
とても陽気がよく、おなかを出していてもちっとも寒くありません。
というか体術を使う彼女なのでそこはかとなく6つに割れているようにも見えます。
「ふわ〜ぁ・・・。早く帰ってこないかなぁ・・・。」
並べてある本に日焼け防止の布を掛けると彼女は陽気に誘われてうとうとと目を閉じてしまいました。
「ごめんて。」
「しょうがないよ・・・。」
イベント終了後、呉へと馬車を走らせるとでしたがが平謝り状態でした。
あまりの日柄の良さに彼女はぶっ通しで眠ってしまったのです。
お客さんがスペースに来ても起きず木により掛かったまま寝続け、気が付けばイベントは終了、片づけまでも終わっていました。
「面目ない。」
「そんなこともあるんじゃないのぉ?・・・はーあ・・・。」
は仲間達に彼女を紹介すると言っていた物の、起きないので次の機会まで我慢してもらうよう言って回る羽目になってしまったのです。
「代わりに色々リクエスト貰ってきたからさ、次のイン○に間に合うように衣装つくって着て貰うからね!」
「わかった。」
それからのんびりと何もなく時間は経ち、もうすぐ魏からでるなぁといった平原でのできごとでした。
ゆるゆると迫る闇の時間。
その中で見えてきたぼんやり、明るいなにか。
火ではなく、柔らかな色合いに目を引かれた二人はそこで一夜明かすことにしました。
「・・桜か。」
「だねぇ・・・・。」
群生地帯などそうお目にかかれるわけもなく。
立派な幹を持つ山桜と、まだ細身ながらも沢山の花をつけた若い木々。
馬車をとどめ、馬を放すと二人はせっせと寝床の準備をしてそれから思い思いに桜を愛でることにしました。
は荷物の中から瓶子を取り出すとまだ酒が残っているのに気をよくし、そのまま一番大きな桜の木を上り始めました。
花をたわわに付けた枝の間から覗く満月。
絵に描いたような絶景さに一人瓶子を傾けていては詩を一つでも吟じたいもの。
今宵こそはと心を決めて
お待ちしていた夜のこと
縁にて座した私はただ
空を見上げて知ったのです
貴方はこない
風がそよいでどこからか花びらが
花びらではなく貴方ならばと
手のひらで受けてはまた
空へと舞い上がっていく様など
ふらりと来てふらりと来ない貴方のよう
「・・・・恋の歌は・・暗くて好かん。」
自分で詠っておきながらポツリと呟き再び瓶子に口付けようとしたときでした。
返歌が聞こえてきたのです。
月を見上げ動かない君
呼ばれるのを恋しく思うか?
自分はじっとその様を見るだけ
君が消えてしまっても
何もできず無力なため息をつくだろう
は聞こえてきた声にまったく驚きませんでした。
そして、寄りかかっていた木の枝から少し身を乗り出し、桜の間に目をこらすと見慣れた男が立って彼女の方を見上げていました。
鎧もなく、旅装束の男ですが腰には大きな双鞭を下げています。
「師匠、」
「驚かないようだな。」
「・・・そろそろ合流する頃かと思っておりました。」
「流石、カン取りがいいな・・。」
「私たちがでかけて三日くらいは放っておかれるでしょうが、それ以上経過すると私たちの友人知人宅へ回りまくって詳細を聞きだします。
小一日あらば済みますのでその日は旅支度までして終わります。翌朝、一番に建業を出て馬を跳ばせば・・・・・。」
「それほどの知性、もっと別のことに使えんのか・・・・。」
「・・・・一応、副官なので使っていないわけではありません。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、降りてこないのか?俺が来たのに。」
「ここの方が、絶景です。」
「下から見るのも捨てがたいんじゃないのか・・・?」
「師匠が上れば、枝が折れますね。」
「一言多いわ。」
「・・・・・・・・降ります。」
はそのまま真っ直ぐ、当たり前のように枝から飛び降りました。
地面までは大人の身長で3人分ほど。
迷いもなく足からフワリと身を躍らせた部下を太史慈は当然のように抱き留めました。
「・・あのな、お前は何処からでも飛び降りないと気が済まないのか・・。」
「着地はできますが、師匠がいると負担がまったくないので助かります。」
腕の中で顔を上げ、じっと自分を見上げる彼女は珍しく穏やかでした。
別段いつも眉をひっつめているわけではない物の、自分を補助する有能な副官であり主の身を挺して守る護衛でもある彼女は
どちらかというと表情をあまり浮かべない顔をしているわけです。
それが少し笑みを浮かべたように見えるほど穏やかな顔をしていれば、太史慈は少し胸が高鳴るのを覚えました。
「今宵は・・・良き夜になりそうです。」
「うん?・・・・だったらなんであんな歌を詠った?」
「返歌をいただけましたので満足です。」
「まぁ歌の通りにお前が消えそうだったからな・・・。」
「・・・・消えたところで、帰る場所などございません。」
は小さく息をつくと太史慈の胸に寄りかかりました。
太史慈も彼女を抱き直し、少し力を込めます。
「そうだ、お前の場所は一カ所しかないのだからな・・・。」
「・・・・河北には実家がありますが?」
「初耳だ。」
「・・・私は家を出た身ですが、顔も知らない弟が家督を継いで曹魏にて役職を拝命しています。」
「ただ者ではなかったか・・・。」
「私はしがない女中の子故、存在を知るのは実の父母のみ。」
「だか、しがないと謙遜する事はない。孫呉は、お前を頼りにしている。」
「・・・・・師匠、」
「なんだ?」
は半身を起こすと太史慈をじーっと見上げます。
「誰に私たちの動向を聞きましたか?」
「? 公績だが・・・。」
「朝?」
「あ、ああ・・・。」
と、太史慈の顔がボンッ!と赤く染まります。
「・・・察するに朝からとばしておられたようですな・・・あのお二方は。」
「う、うむむむむむ・・・・。」
「そう怖い顔なさいますな・・・・・。」
「・・・・ああ・・・。・・・・・・・?」
「今宵は月夜、桜月・・・。よろしいじゃございませんか・・・我らも宴と洒落こみましょうや・・・。」
はうっとりと笑い、太史慈の腕から離れました。
そして師の腕を引き、桜の木の根元へと導くとその首に腕を巻いて思い切り自分の方へ引き寄せました。
『そうか・・・酒を飲んでいるからいつもと違うのか・・・・。』
太史慈はやっと彼女のいつもとは違う雰囲気や言動の理由に気づくと、そっとの腰に腕を回してしっかりと抱きしめます。
「・・・・師匠、」
「ん?」
声に呼ばれて目を合わせばそれだけで何も言わない彼女に太史慈は片眉を上げてみせます。
は少し苦笑し、
「もう、よろしいのではないですか?」
といい、少し考えた太史慈は合点がいくと照れくさそうに笑いました。
「・・・・・ああ、すまないな、鈍くて。」
「いえいえ。」
「できた副官だ。」
「じゃあ私、昇進です?」
「うん?俺の隣じゃ不満か?」
ん?と顔をのぞき込んでくる太史慈と、今度はが顔をほんのり紅く染めました。
「いえ・・・・。」
「まぁいいじゃないか、ずっと太史慈軍副将で。俺も嬉しいぞ?」
「はい・・。」
こうしてと太史慈は曖昧だった気持ちに蹴りを付けたわけですが二人で酒を飲みながらふとは
(そういえば、どうしたんだろう)
と我に返り千里眼で探ることにしたのです。
が太史慈と再開する少し前。
「あ〜、ほんっと、綺麗な桜ぁ〜、山桜かなぁ・・・。」
は細い桜の木の下で木簡を手に次回作のネタを考えていました。
「季節物も・・・たまにはいいよね〜♪んじゃ月夜・・・・・闇・・・・・月光・・・・・桜・・・・鮭・・じゃないや酒・・・・・でもマンネリには注意だよなぁ・・。」
鼻歌交じりに書くくらい上機嫌の。
ふと、顔を上げてみれば、ひとつ、ふたつと花びらがひらり、ひらり、ひらり・・・・・・
「はっ!」
彼女はその場から一気に飛び上がり桜の木の枝へと逃げます。
彼女の寄りかかっていたところには朴刀が刺さっていて彼女のネタ帳が無惨な有様となっていました。
『麒麟牙・・・・・・。』
しかし、幹に深々と刺さった麒麟牙の持ち主は姿を現しません。
気配もなく、ただ闇があるだけ。
が腰に差したヌンチャクに手を伸ばしたときでした。
闇の中から、偉丈夫が静かに姿を現しました。
「・・・・降りてこい、なにもせん。」
「・・・・。」
少し待っても返事がないため偉丈夫は少し困ったように「はー・・・。」とため息をつきました。
「・・久しいな、。」
「名前を覚えて頂けていたとは・・・・・・・・・夏侯惇様。」
「ふむ・・、呉国凌統軍配下、副将。軽業の才を持ち隠密術も使うという・・・。日頃からは想像付かないほどの変貌ぶりだな。」
「・・・・・。」
「お前、いやお前らと言おうか。今回のコミケに乗じて合肥城周辺と街の地形図、それに保有する兵力を取っていっただろう?」
風が出てきて、花のすれる音が場を支配する夜。
は桜の花びらをまとうように姿を現しました。
いつもの明るい笑顔はありません。
目を大きめに見開き、ヌンチャクを握ってじっと立っています。
「・・・・麒麟牙、返して欲しくば、私を倒せ。」
「ふん・・。倒せるのか?」
「無論。」
「大きい事を言う・・・。」
「試すか?」
「・・・・俺はたまたまここを通りかかっただけだ。それに、お前をここで倒したところで損得はない。」
「・・・。」
「その上で、孫呉がその情報をどう活用できるか、見てみたいところだな・・。」
「私は孫呉の士だ。邪魔する物は、殺す。」
「俺は魏将だ。が、言ったろう?お前を今倒したところで戦がなくなるわけではない。遅かれ早かれ情報は持って良かれ、開戦となろう。
だから、どうせ刃を交えるなら戦場(いくさば)が好ましい。・・・違うか?」
「・・・言うな・・夏侯、元譲・・・・。」
「・・・・。」
夏侯惇は何も言わずの方へ歩いていくと、いつの間に麒麟牙を握っていた彼女の手からそっと抜き取って鞘へ収めました。
「もっとも、」
「?」
「俺がコイツを投げて、お前はよけた。だから今日はもういいって思っただけだ。」
「なるほど。」
一撃必勝だったらしい技を彼女が避けた時点で勝敗は決まっていたのです。
「で・・・酒くらい持っていないのか?」
夏侯惇は幹に寄りかかるように座り込みました。
「良い月夜だ・・・そうは思わんか?」
「・・・そうですねー・・・。」
はヌンチャクを腰に戻すとどこからともなく瓶子を取り出しました。
「花見酒も風流で☆」
「ふん、・・・・今の内だけだからな、こうしてゆるりと過ごせるのは・・。」
「お互い様です☆」
も夏侯惇の隣に座ります。
しかし、あの夏侯元譲が隣にいるのです。
敵でありながらがもっとも焦がれる武将。
次に合うときには、刃を交えなければならない相手であり、目標。
「あたしは、貴方を倒し孫呉の天下を実現させたいと思っています。」
「俺は孟徳が望むことをかなえてやるだけだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・でも、今はただ桜を愛でる一個人でありたい。」
囁くようには言葉を紡ぎ、夏侯惇は思わず振り返ります。
少し瞼を伏せ、桜吹雪をじっと見つめる横顔は悲しげでした。
何がどうである、こうだから、そうなのだ。
理屈なんか、ない。
はふと、そう言い漏らしたのです。
それは側にいる魏将の耳に届いていました。
「ならば俺も今は桜を愛でる一個人でいよう。」
今だけ、今だけ。
「・・・あたし、貴方のことが目標なんです。」
「ほう?」
「あたしのような・・それも女がってお思いかもしれないですけど・・・でも、貴方が目標なんです。」
「・・・・・いつかは俺を越えなければな。できるか?お前に。」
「勿論!」
「・・・・意味は、解っているのだろうな?」
はゆっくり夏侯惇と目を合わせました。
少し困ったように眉を詰め、下から見上げます。
夏侯惇はいつもと変わらない表情でと隻眼を合わせました。
「・・・はい。越えると言うことは、貴方を倒すということです。」
「負ければ、お前は俺に倒される。」
「はい。」
正座していたは膝の上で拳をぎゅっと握ります。
わかっている、わかっているけど、それでも憧れています。
「・・武人の端くれとして、それでも貴方を・・・。」
「ふむ・・。」
夏侯惇は大きな手での頭をがしがしと撫でました。
「に゛ゃっ!!」
「女がと思う必要はない。お前は強い。存分に俺に憧れ、腕を磨き、俺に挑んでこい!俺も楽しみだ。」
「・・・・。」
は真っ赤な顔を上げました。
そこには酒が入って表情のゆるんだ夏侯惇が上機嫌にほほえんでいるだけ。
背後には月。
桜吹雪。
(で、できすぎシチュエーションっ?!)
次回作に繋がる・・・・!と思ったところでした。
天上に見えるのは桜の嵐
視野の端にはくっきりと浮かび上がる月
あたしの隣には
青をまとった隻眼の将
楽しげにあたしの方を見ていて(酒のせいだろうが)
頭を撫でる
あたしの頭の下には
隻眼の将の左腕
今だけ
今だけ
桜の花びらと同じように
戦場へ出れば散る運命であったとしても
今だけ
今だけ
−了−