「戦場の真ん中で愛を叫ぶ!」
第2話 初めて見た決定的瞬間
前回いらんことを思いついた義の兄者達(直江と三成ね)←何故か直江だけ呼び捨てなのはこのサイトの謎。
そんな事ともつゆ知らず、大阪城にやってきたのは徳川家康と榊原さん、そして護衛に服部半蔵という3人組。
太閤殿下と家康公は自軍の軍備や兵糧、また米の植え付け忙しい時期とも相成りまして、しばらく反目するのはやめることにしました。
左近:「てゆーか、面倒だしぃ?」
だまらっしゃい。
三成:「さて、我らは服部殿のお相手に行かねばな。」(お茶請け装備中)
直江:「・・・・うむ。」
三成:「どうした、兼継。都合でも悪いのか?」
直江:「いや・・・。」
三成:「・・・・・・・なんなのだ。ともかく、控えの間にはあの服部半蔵がいるのだ、小袖袴で。」
直江:「強調するな!」
三成:「意味がわからん。俺たちだって同じだろうが。」
直江:「それもそうだ。」
三成:(なんなのだこの唇は)「行くぞ、茶が冷める」
−ガラッと扉を開けましたこの二人。
襖の向こうには部屋があって、バルコニー(あれ、和名ってなんだっけ?)があります(ここは天守3F)。
そこには細いシルエットが欄干に寄りかかって外を見ていたようですが、襖が開けられたので急ぎ足で戻ってくると頭を下げました。
容姿をざっと説明すれば髪をオールバックにして真ん中あたりでピヨン、と一本に結んでいてあまり派手な色目ではない上下です。
直江:三成:「「おやっ?」」
傷がなかった気がする。
半蔵らしき人:「・・・・・」(座って頭を下げてる)
三成:「はっ!・・・・遠路はるばる、ようお越し下された。石田三成です、お見知りおきを。こちらは上杉を代表して大阪に留まっております・・・」
直江:「直江兼続です。面と向かって会うのは初めてかと存じます。」
半蔵らしき人:「服部石見守正成と申します。以後、よしなに。」(頭を上げた)
直江:三成:「「・・・・・・・」」
半蔵らしき人:「?」
三成:「!(我に返った)家康公は太閤殿下とかなり楽しそうに歓談されておられた、今しばらく時間も掛かりましょう。どうぞ。」(お茶請けを差し出す)
半蔵らしき人:「ありがたく頂戴いたします」(また頭を下げた)
三成:「では、我らはまた後ほど来ますゆえ、こちらをつまんでお待ちください。」
直江:「失礼いたす。」
扉を閉めて彼らは無言のまま下の階へ移動します。
そして誰もいない部屋へ入るとやっと口を開けました。
三成:「どういうことだ、傷がないぞ?」
直江:「面立ちも・・・鋭さがない、むしろ穏和だ。」
三成:「別人か?」
直江:「しかしあの名は・・・・。」
三成:「譜代服部家当主の正式名だ。服部家は公家に使えていたこともあるから石見守を授けられている。」
直江:「なるほど・・・・。確かに、服部半蔵は代々受け継いでいる名と聞く。しかし・・・・・、」
三成:「あの顔で人が殺せるとはおもえん。化けてるのか、影か・・・・。」
直江:「う〜む・・・。」
三成:「呼ぶか?」
直江:「誰を。」
三成:「幸村に決まってるだろう」(馬鹿め)
直江:「そうだなぁ。」(お茶請けのお菓子がおいしそうだったと思っていた。因みにお抹茶と栗蒸しようかんだった。)
三成:「では早速。」(人を使わすことにするらしい)
−半刻後。
幸村:「真田幸村、ただいまはせ参じましたっ!」(敬礼付き)
三成:「うむ、ご苦労」
直江:(なんかいけない女王様と下僕っぽい・・・・)「悪いな、幸村。」
幸村:「いえ、お二人のお呼びとあらば何処からでもっ!」
直江:「(キラーン)・・・・・半蔵が呼べば?」
幸村:「地の果てまでもっ黄泉路からでも!!ハァハァ・・・・。」
直江:三成:(顔かわってるしー!!)
幸村:「・・・・あれ?・・・・・・・・半蔵のにおいがする。」(耳と尻尾がニュッと出てくる)
直江:三成:「「!!」」
幸村:「・・・・・三階の・・・・・あそこかっ!」(先陣切って突っ込むとき見たく凛々しい顔)
−フシュッ!!
直江:「消えたっ?!」
三成:「兼続、服部殿の所へ急ぐぞっ!!」
・・・・移動中。
三成:「失礼、服部殿!!!!」
勢いよく襖を開けました。
・・・・・何か背中でした。
三成:「ぐはあっ!!」
直江:「三成ぃっ!」(なにげに楯にした)
幸村:「いたたた・・・・・。まったく、久々だというのにそんな手厳しい!三成殿が巻き添え喰ってしまったではないか。」(ノーダメージ)
三成:「@@@@@」(壊れてる)
直江:「いったい誰が投げたんだ・・・・って・・・・。」
部屋にいるのは服部殿。
さっき見た穏和な表情は霞の彼方。
冷たい目をした彼が居ました。
でも変装は解いてません。
幸村:「なぜそんな風に顔を隠しているのだ・・・。素顔の方がずっとずっと綺麗なのに。」
半蔵らしき人:「・・・・・。」(指をパチンとならす。)
三成:「うむ・・・・・俺としたことが・・・・。」
直江:「おお大丈夫か、三成。」(服部殿が起こしたっぽいな・・・・・忍術か?)
三成:「ああ、驚いたがな。」
半蔵らしき人:「まったく・・・。貴様はしつけのなってない犬か。ぁあっ?!」
幸村:「好いた者が側におるのにはっちゃけて何が悪い。」
半蔵らしき人:「逆ギレか・・・・・。」
幸村:「違う!・・・・・・・きーてください三成殿、兼続殿ぉっ!!」
直光:「「む?」」(なんとなく嫌な感じがする)
幸村:「聞き及んでるかも知れませんが前回私たちはラブラブだったんですよぉっ!半蔵って私も呼んでたし何処に行っても会ってたんですからぁっ!」
直光:(それをストーカーと呼ぶ)
幸村:「なのに・・・・なのに今回はこの仕打ちーっ!!私が何をしたというんだー!!!!」(バルコニーに向かって走っていく)
半蔵らしき人:「まずい!」
幸村:「はんぞー!!すきふがもがぶがへぼぶはっ!ひでぶっ!!」
直江:「おおすばらしいファイトとアッパーカットだ。ほれぼれするなぁ三成。あの蹴りをあそこへたたき込むのは反則だと思うがな。」(爽やか笑顔)
三成:「伝授して欲しい位のキレだな。」
幸村:「ううう・・・・。」
半蔵らしき人:「貴様には学習能力がないのか。」
三成:「む、声は明らかに服部半蔵だ。」
直江:「・・・・何故変装を?」
半蔵らしき人:「決まっているだろう、小奴に知られたくなかっただけよっ!!」(語尾だけかなり荒い)
半蔵が手で印を組むと少し煙が起こり、晴れると直江と三成も見知っている半蔵が立っていました。
小柄で、顔には二筋の刀痕。
初めて見る髪色は思いの外茶色く、肌は露出させないために白っぽいものです。
直江:(素顔を初めて見るが・・・・・・ひいき目に見ても女顔と言うわけではない。しかし・・・・)
三成:(切れ長の目で造形は丁寧なのだな・・・。確かに、三十路近くには見えん、綺麗だろう。綺麗というか・・・・・)
直光:((なんだこのエロいのか気持ち悪いのか解らない独特の雰囲気は))
半蔵:「・・・・・・・三成殿、」
三成:「!・・・なんでしょう?」
半蔵:「主は、いつ頃戻りましょうや。」
三成:(顔に帰りたいって書いてあるな)「もうしばらく掛かりそうだ・・・。」
半蔵:「・・・・承知。」(滅)
幸村:「もう帰るのかっ?むしろ泊まっていけ!今この城に一室を借りているのだ!」(いつの間にか半蔵の前に立っていて熱っぽく見てる)
直江:「何時の間に起きたのだっ?!」
幸村:「半蔵の頬はすべすべだなぁ・・・・。」(手の甲で撫でてる)
半蔵無言のままに幸村の手を叩きおとしたぁっ!
しかし幸村別段何も気にしていません。
次の手にでましたぁっ!
なんと、半蔵の手をそっと握っているという!これはポイント高いっ!
半蔵:(小奴らの前でこの小倅をないがしろにできるわけなかろうっ!)
幸村:「・・・・こうしているときが、一番幸せだなぁ・・・・。」(ほわん、と笑う)
半蔵:「!」
三成:「あ、」
直江:「ほう・・・。」
半蔵の顔が微妙にかわったぁっ!
幸村:「最近は・・・・本当に会えないからな・・・・。」(ちょっと大人になったらしい)
半蔵:「(諦めたらしい)・・・・・・過去のことは夢うつつではない。・・・・・もういい、近いうちに会おう。・・虎之助、」
青山:「ここに。」(半蔵が化けていた人物そっくり)
半蔵:「もういい、まかす。どーせ何も起きぬだろう。」
青山:「お任せください、頭領。」
半蔵は義3兄弟を一瞥するとそのままバルコニーから飛び降りてしまいました。
もちろん、慌てて同じ事をしようとした幸村を止めるのが大変で大変で。
三成:「・・・・服部半蔵がどういう人物っちゅーかキャラなのか解らないな。」
直江:「確かに顔は美人だったぞ?お前とはジャンルの違う和風で。」
三成:「俺は洋風なのか?」
直江:「・・・・・・そうだな、洋風だ。」
三成:「ふん。」
さて、服部半蔵について聞いて回らなければ。
そして前回の彼はどんな反応をしていたのか知る必要がある。
義の兄者達は決意を新たにしたのでありました。
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