「戦場の真ん中で愛を叫ぶ!」


   
第4話 前と中と後の話。



  −前−


  直江:「戦だな。」

  三成:「惚けたか兼続。」←それはおギンちゃんのせりふ回し。

  直江:「・・・・・・模擬で上田か。」(ちょっと傷ついた)

  三成:「異色なマップだから楽しいだろう。」

  直江:「模擬とはいえ、対徳川戦か。」(たのしいのか?)

  三成:「暇だからよかろう。俺は忙しいがな。」

  直江:「・・・・・・・・。」

  三成:「・・・お・・・・・・・徳川殿からメールだ・・・・・・ふむ。」

  直江:「どうした?」

  三成:「半蔵と幸村のことだ。この際だから、くっつけてみてはどうか、と。」

  直江:「それはおもしろい。」

  三成:「模擬だからな。」

  直江:「では参ろう。」

  三成:「・・・・・・まて兼続。」

  直江:「?」

  三成:「・・・・・・・おまえは援軍組であろう?出陣はまだだ、控えに戻れ。」

  直江:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

  三成:(拡声器を構えて)「援軍組以外は各班配置につけ。0100(マルイチマルマル)時より今回の模擬開戦とする。援軍組は期を見極めて入れ。
 
     なお課題対象である故、期を見極められなければ追試対象となる、心してかかるように。撤退しても課題対象となる。

     ドローの場合は0300時をもって終了の合図をする。けがをした場合は白旗を振ってその場からあまり動くな、救護班が行く。

     以上だ、質問はあるか。」

  兵士1:「はーい!徳川へはどこまで攻めたらいいですかー?!」

  三成:「本陣開門で今回は終了だ。家康殿に一番乗りの判子をもらい、それを首級の代わりとする。他には?」

  直江:「はい!」

  三成:「・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ。」(すっごい嫌そう)

  直江:「俺も追試対象か?」

  三成:「当然だ。多少時間がある、準備に抜かるな。解散!!」

  一同:『おー!!!』

  三成:「・・・あと30分少々か・・・。」(オ○ガのスピードマスター(革ベルト仕様)をのぞく)←秀吉にもらった誕生日プレゼント

  直江:「おや?光成、我ら3人そろいで買ったGシ○ックはどうしたのだ?」←直江:緑、三成:赤、幸村:青という文字盤が色違い☆

  三成:「あれか、あれは・・・・・・」(ギン千代の放電に当てられて修理に出そうと思ってたら左近に壊されたとは言えない、レアモデルだし)

  直江:「?」

  三成:「忘れただけだ。もう行け、終わったら本陣で会おう。」

  直江:「・・・・・・・・・あんなに眉をひっつめなくてもよかろうに。慶次が待ってるから私も行こー。」




   そのころ本陣上田城では・・・・・。


  幸村:「今日は対徳川戦かぁ・・・♪」

  昌幸:「これ幸村、」

  幸村:「なんですかぁ父上。」

  昌幸:「そのだらしない顔をなんとかせよ。0100時より始まるのだぞ?」(腕につけたス○スミリタリーのクロノグラフをみる)

  幸村:「だって父上、今日は徳川戦ですぞ!と・く・が・わ・戦!!」

  昌幸:「可愛いらしく言うてもキモイわ馬鹿者。」(スパーンとわらじで殴る)

  幸村:「いたたた・・・。しかしながら父上、今回は徳川の忍も参戦するとのよし!この機会に広がりし溝を埋めなければ・・・・・」

  昌幸:「埋めなければなんじゃ馬鹿息子。」

  幸村:「腹をくくるつもりです!あんなにも、あんなにもすきあっていたのにっ!もう私には耐えられません!!もう、死んだ方が!!!」

  昌幸:「くの、」

  くのいち:「はいなっ☆」(かかと落としを食らわせた)

  昌幸:「・・・・ったく・・・。どこぞの納戸にでも放り込んでおけい。まもなく始まるからそなたは武田の御館様んとこにでも行ってのんびりしておれ。」

  くのいち:「残念ですけどそうしますぅ。あ、いっそ徳川の本陣で稲ちんとお茶してよっかにゃ〜☆」(ぼふん、と幸村ごと消えた)

  昌幸:「やれさて・・・・馬鹿息子のことは忘れて、行くかのう。信之がおったらもうちっとマシだろうて・・・はぁ〜あ・・・。」




  徳川本陣にて。


  半蔵:「!!!!」(ぞくぅっと悪寒が走った)

  忠勝:「どうした半蔵。」

  半蔵:「いや・・・・・なんか噂されてるような・・・・。」

  忠勝:「・・・・最近若いのがウロウロしているが・・なんかあったのか?」←義の兄者達の事

  半蔵:「知らん。」

  忠勝:「そうか。なんでもいいが、此度も我らが勝ちを得るぞ半蔵。」

  半蔵:「当然なり。」

  家康:(さすが半蔵、肌で此度の作戦を感じておるようじゃな・・・。三成殿にメールじゃ!)



  −中−


  戦闘開始→本陣からは大きな陣太鼓が叩かれ、フィールドからはホラ貝が吹き鳴らされる。



  三成:「・・・・落ちたか、今回は多いな・・・。」

  (テロップをみながら脱落武将をメモっている)

  三成:「ここで出てくるものがあれば褒美でも取らすのだが・・・・。」

  伝令:「直江兼続殿、援軍として参戦!!」

  三成:「・・・・・兼続ならできて当然だ。(褒美のことは忘れてる)GPSを持ってこい。」

  伝令:「どうぞ。」

  三成:「うむ。」

  (モバイルの液晶を叩きながら各武将の位置を探る)

  三成:「!!!!!馬を引けぇっ!」

  伝令:「ここにっ!」

  三成:「俺もでる!あとは左近に任せよ、しくじれば追試対象だと伝えおけいっ!!」

  伝令:「ははあっ!って・・・・行っちゃったよ・・・(懐から伝令用のモバイルをみる)・・あ〜城門前へ行かれたのかぁ。」

  

 
   上田城城門前。



  幸村:「我望君戻哉」

  半蔵:「武器取振望」

  幸村:「我望只一也」

  半蔵:「・・・・・。」

  幸村「君抱望只静」

  半蔵:「・・・・。」(鎖をブンブン頭上で振り回し、鎌に回転力をかける。」

  幸村:「半蔵、」(槍を構える)

  半蔵:「行くぞ・・・。」

  幸村:「でやぁああああ!!!」

  (離れたところから様子をうかがう三成登場)

  三成:「あの調子では、間違いなくやられるな。・・・しかし、幸村は本当にまっすぐだ、なんとかならないんだろうか・・・(素で応援したいらしい)」

  直江:「三成、」

  三成:「来たか、兼続。」

  直江:「ああ、GPSに二人が城門の前にいるとでていたからな・・・。しかし、これではなにもできまい。」

  忠勝:「小倅が落とされるのも時間の問題!」

  直三:「「!!!!!」」(毛が逆立つくらい驚いた)

  三成:「ほ、本多殿!!!」

  忠勝:「貴殿らこのようなところでこっそりと何をしておる。」

  直江:「知れたこと!義によって幸村とその思い人をくっつけるために来たのだ。愛だ、愛!」

  三成:(馬鹿者が・・・)

  忠勝:「戯言無用!!あの二人にそのような切っ掛けは不要、落ち着くべき所に落ち着く。」

  三成:「本多殿、それはどういう・・・」

  忠勝:「まぁみておれ。」



  半蔵:「183戦180勝目2引き分け1敗、此度も拙者の勝ちだな。」(にやりと笑う)

  幸村:「ぐぐぐぐ!!!」(鎖で雁字搦めにされている)

  半蔵:「このまま昌幸殿の所まで行って判をいただいてくるとしようか。・・・貴様これが本番であれば首は飛んでおるし父親の命はないぞ?」

  幸村:「くそぉ〜!!半蔵!!!」

  半蔵:「・・・・・・・・。」



  忠勝:「お!じっとしてしゃべるな!」

  直三:(二人して口を押さえている)

  忠勝:「・・・・・危ない!半蔵があたりの気配を探ったのだ。ここは岩陰故なんとか感づかれずにすんだだろうが・・・。」

  直江:「確かにあたりは誰もいない。」(警戒用にとばしていた式神から聞いた)

  三成:「では・・・・・・。」



  半蔵:「・・・・幸村、」(その場に片膝つく)

  幸村:「鎖を解け半蔵!」(地面に転がされている情けない姿)
  
  半蔵:「さぁて・・・どうしたものかな。」(手袋を外して口布を下げた)

  幸村:「・・・・・・・・・正成、」

  半蔵:「!!」

  幸村:「解いては・・くれぬのか?」(捨て置かれた犬のまなざし。SE→くぅ〜ん)
 
  半蔵:「・・・・・・。」(パチン、と指を鳴らす。幸村の鎖が解けた。)

   同時に幸村がそのまま半蔵の足を払い、地面へ押し倒して腕をとった。→忠直三:「「「おおっ!!」」」と言った瞬間。

  幸村:「183戦179勝3引き分け1敗の間違いではないのか?」(ゲーム内でもみられる精悍な顔)
 
  半蔵:「不覚!」

  幸村:「今回は、これでいいことにしよう。」


    幸村の顔が徐々に近づく。

    半蔵も最初は顔を背けていたが、幸村の顔が近づいてくると背けきれず、目を合わす。(乙女半蔵光臨)距離、鼻と鼻が触れ合うくらいで・・。


  半蔵:「幸村・・・・、」

  幸村:「・・・・半蔵が欲しいな・・・。」

  半蔵:「拙者を倒して見せよ。」

  幸村:「此度は?形道理なら倒したが・・・。」

  半蔵:「そうだな・・。」(ふっと表情が和らぐ。)

  
  その時、終了のホラ貝と本陣からの太鼓が聞こえてきた。


 伝令:「稲姫様上田城本陣一番乗りを果たされました!」

 一同:『何いっ?!』

 半蔵:「・・・帰る。」

 幸村:「あ!ま・・・・・。」

 シュッと半蔵は消えてぼーぜんとしたままの幸村だけがぽつねんと取り残された。

 三成:「・・・・・・・幸村・・・。」

 直江:「据え膳喰わねば男の恥だ。」

 三成:(直江の頭を扇ではたく)

 直江:「?????」

 忠勝:「・・・半蔵の機嫌が悪くなりそうだなぁ」(トボトボと馬にまたがる)

 三成:「俺も戻ろう。」

 直江:「?????」




 −後−



 西軍、上田城城門前集合場所。


 三成:「・・・・・・・・・・・以上5名が追試対象だ、内容については追って知らせる。以上、解散!」

 直江:「三成、」

 三成:「なんだ。」

 直江:「あのさー、幸村が・・・・」

 三成:「・・・・・。」

 二人が見やる先には『どよ〜ん』とした影を背負ってうずくまる幸村が。

 三成:「・・・・幸村、」(っと携帯が振るえる)

 三成:「・・・・家康殿の携帯をかりた本多殿からだ。」

 直江:「ほ〜。」

 三成:「・・・・・・・・・・あ〜、半蔵がいなくなったから幸村もいなくなるだろうって。」

 直江:「なんだと?」

 二人が幸村のいたところをみれば、誰もおらん。

 三成:「さて・・・・・・・我らも行くか。」

 直江:「どこへ?」

 三成:「・・・遠くないから歩くぞ、着いてこい。」

 直江:「おう。」


  三成、GPSを手にてくてくと歩く。

  しばらく歩いて、上田城の裏手(ひとけなし)で上を見上げた。


 直江:「・・・・・!!!」(声を出しそうになって三成に口を押さえつけられる)

 三成:「ばっ!!・・・ここで声を出したらくっつくもんもくっつかんわっ!!」(超小声)

 直江:「・・・・・・・・出刃亀か?我らは。」

 三成:「///////」



  屋根の上には幸村と背中合わせで言葉を交わす半蔵がいて。

  素顔をさらした彼はなんだかうれしそうな、そんな感じ(いや、傍目からみても綺麗怖い顔だったが)。

  少しずらして互いの顔を見ながら何を話しているのだろうか。

  と、会話が切れ、しばらく見合って半蔵が目を閉じる。

  幸村が「いいのかな・・・」と不安げな顔をしたのも一瞬。

  猫やら犬やらが下からじゃれるかのように“うちゅっv”とキスをすれば、後はいよいよみている方が恥ずかしくなるばかり。



 直江:「三成、戻るか。」

 三成:「そうだな。」

 これが本多殿のいっていたことか。

 二人はそんな思いを抱いて戻ったのですが・・・・。




  解散直前。

 半蔵:「だからいいかげんにせいっ!!!!」

 幸村:「ぐはぁっ!!!」

 直三:「・・・・・・・。」




  半蔵のアッパーはやはりぴかいちでその日の夜、三成が手見上げ片手に伝授してもらおうと半蔵の元を訪ねたのでした。







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