群集:ワーッ!!













 アレクセイ・エビナコフ:フッ・・・。
 






 (喫茶ポエム。)











 虚仮太:なんか盛り上がってんなー。
 朋子:有名な環境保護団体らしいですよ。
 マスター:世の中にゃ暇な奴等ってのがいっぱいいるもんだな。
 虚仮太:俺らもヒマッスよ。
 マスター:馬鹿。一緒にすんなよ。これは労働、勤労の隙間っつうか谷間っつうか・・・・あれだ。
 虚仮太:あー・・・。


 記者:グレービーンズの創始者で代表のエビナコフさん。今回の来日の目的は?
 エビナコフ:多様な種を育み、赤海亀の貴重な産卵地でもある虫所浜が埋め立てられようとしているのです。






 エビナコフ:我々はそれを阻止するためにやってきました。
 ナオミ・ハマー:・・・・・。






 エビナコフ:日本の皆さん、ぜひ力を貸してください。一緒に豊かな自然を守るために立ち上がりましょう!
 アンディ・コバヤシ:・・・・・。






 虚仮太:環境保護ねえ〜。なんか怪しくないっすかー。







 マスター:ヨイショ。
 虚仮太:わあ!!何やってんすかー。






 マスター:かけがえのない自然を未来の子供達に残すために、俺も一緒に戦うんだ!
 虚仮太:嘘つけ!何だその鉢巻は、なめてんのか。朋子も言ってやれよ。






 朋子:待っててね、アンディ君。
 虚仮太:お前もか・・・。
 マスター:朋ちゃん!!
 朋子:マスター!!




 マスター:お友達になるぞー!
 朋子:オー!
 マスター・朋子:エイエイオー!!エイエイオー!!
 虚仮太:あー・・・なんて不純な人達なんだ。
 



 (たくさんの人達とステージ、その他テント。)









 (人ごみにまぎれて虚仮太、朋子、マスター。)







 虚仮太:人多いなー・・・。







 朋子:でも結局ついて来てるじゃないですか。







 朋子:本当は寂しかったくせに。
 虚仮太:ちげーよ!炊き出しがあるから来てんだよ。
 朋子:えー?
 虚仮太:違うつってんだろうが。
 マスター:まあまあ、分かってるって。



 虚仮太:ムキー!!違うもーん!!
 朋子:ちょっと人が見てるじゃないですか。静かにしろ、馬鹿!
 マスター:おい受付だぞ。





 虚仮太:あっ。
 登田:・・・・・。
 虚仮太:あ、どうぞどうぞ。
 登田:・・・・・。
 虚仮太:ああ、じゃあ。



 虚仮太:あーー!!
 登田:!!
 





 東海林:手前ロン毛野郎何してやがる!!
 虚仮太:うるせー、手前等の面拝むにゃまだ日が高けえぞ、コラ!!
 朋子:町の汚らわしい不良共が。悪さしようってんなら容赦しないわよ!!
 天毛:うんまー!?小生意気な小娘ね。人助けに来たのよ。これでも私達は良識派よ!!
 虚仮太:・・・うん?



 虚仮太:あれ?あれれ?とかなんとか言って、何その格好。ムフフ・・・人助けが聞いて呆れますなー。
 東海林:う、うるせー。たまたま朝着た服がこれだったんだよ。
 天毛:いわゆるファッションよ。
 東海林:て・・・手前等こそ。




 東海林:団扇にペンライトなんか持って来やがって。ライブ会場じゃねえぞ。
 朋子・マスター:ハッ!






 虚仮・朋・マス:殺んのか!!
 東海・天:あー、コラ!!
 アンディ:止めなさい!!
 虚・朋・マ・東・天:あん!?




 朋子・天毛:アンディ君!!
 マスター・東海林:ナオミさん!!
 アンディ:貴方達は、一体何をしに来たのですか。
 




 アンディ:いがみ合い罵りあうためですか。違うでしょう。我々の目的は多種多様な生物を育む、
       豊かで美しい、この虫所浜を無謀な開発から守ることです。






 アンディ:戦う相手はここにいる人達ではない!
 会場の人:そうだ、その通りだ。
        いいこと言うぜアンディ。





 アンディ:さあ皆さん、仲違いはもう止めて、グレービーンズと共に正義のために戦いましょう。
 朋子・天毛:アンディ君、私達頑張る!
 マスター・東海林:俺達もついてるぜ、ナオミさん!
 アンディ:・・・・。




 虚仮太:・・・・。







 アンディ:代表のスピーチがあります。皆さんステージに集まって下さい。
 マ・朋・東・天:ハーーイ。
 東海林:命拾いしたな。
 朋子:手前がな。
 











 エビナ:皆さん、こんにちは。アレクセイ・エビナコフです。







 エビナ:グレービーンズの代表として、お集まりになった皆さん一人一人に感謝申し上げます。
      ありがとう。






 エビナ:今、この場にいる貴方方は私達の同志です。







 エビナ:いや、家族です。







 エビナ:共に笑い、共に悲しみ、共に戦う。我々を結びつけた、







 エビナ:この虫所浜を守り、







 エビナ:生命を守り、







 エビナ:そして我々の人間性、善意の連帯がいかなる攻撃にも耐え、打ち破ることを証明しよう!!
 みんな:ウオーーー!!






 エビナ:それでは皆さんお待ちかね、アンディが歌います。







 朋子・天毛:キャーーー!!







 エビナ:歌は「ドリームジャンボ」です。張り切って、どうぞー。
 アンディ:ドリ〜ムジャンボ宝くじ〜、ドリ〜ムジャンボ宝くじ〜、当たった試しはないけど〜、






 アンディ:買わないと当たらないから〜。
 虚仮太:ライブかよ。






 虚仮太:うん?







 登田:・・・・・。







 (警察署。)











 公洋:うん?アイドルか?
 岡崎:いや〜、老舗の環境保護団体らしいですよ。
 公洋:老舗だぁ。じゃあ暖簾分けもあんのか。
 岡崎:さあ、あるんじゃないんですか。
 公洋:ねえよ、馬鹿野郎!いい加減なこと言ってんじゃねえ。で、なんか分かったか。
 岡崎:はぁ・・・。


 岡崎:えー、NPO法人ですね。
 公洋:NPO?怪しいじゃねえか。
 岡崎:偏見ですよ。そんなこと言うの止めてください。
 公洋:具体的に何やってんだ。




 岡崎:環境問題とか、ボランティアだとか、そういったことみたいです。
 公洋:怪しいじゃねえか。
 岡崎:怪しくないですって。怒られますよ。
 公洋:じゃあ行くか。
 岡崎:え?



 岡崎:今からですか。
 公洋:おう。そのワールドピースクラブってのが怪しくねえかどうか。






 公洋:俺が判断してやるぜ。









 虚仮太:プーピープップップップー。







 虚仮太:はっ!







 虚仮太:ドゥエイ!









 虚仮太:ウヘへへ・・・。あれ?王冠かぁ。いらねー。
 朋子:ちょっと。






 朋子:せっかく拾ったのに捨てちゃ駄目じゃないですか。ちゃんとして下さいよ。
 虚仮太:うぃーす。
 (虚仮太立ち上がる。防潮堤で作業している人達の元へ向かう。)





 虚仮太:皆さん何をなさってるんですか。落とし穴ですか?徳川埋蔵金ですか?
 中腰の人:いえ。海亀の卵を回収してるんです。
 虚仮太:美味しいんですか。
 中腰:いえ。ふ化場へ持っていくんです。
 虚仮太:孵化場?グレービーンズの方です?
 中腰:地元の団体です。卵、触ってみますか。


 虚仮太:わー、軟らかいんですねー。







 人々:わー!!建設会社の測量船だー!!
 (帰れコールを叫びながら、船に向かって物を投げる人もいる。)






 虚仮太:・・・・・。







 (船から虚仮太を呼ぶ声。)
 磯部:おーーい、虚仮太どーん。






 磯部:オイと勝負じゃ。オマンの大リーグボールば・・・。







 磯部:投げてつかあさい!!







 虚仮太:僕は巨チ・・・ン、巨人の星になるんだ。その勝負受けて立つ!!







 磯部:来い!







 虚仮太:大リーグ・・・。







 虚仮太:玉!!

















 朋子:消えた・・・。







 磯部:しまった!炎で前が見えん!







 磯部:オブルアー!!

















 虚仮太:えー・・・。







 虚仮太:違うよね、俺のせいじゃないよね。 
 朋子:・・・・・。
 虚仮太:・・・朋ちゃん?
 朋子:虚仮太さん、あれ・・・。
 虚仮太:はい?







 怪人:オオルルゥ〜。
 (再び水中へ。)






 朋子:虚仮太さん、こっち!
 虚仮太:キャーッ。






 朋子:おかしいな。この辺だと思うんだけど。
 虚仮太:本当に見たのかよ。
 朋子:ちゃんと探さないと、虚仮太さんが犯人にされちゃいますよ。
 虚仮太:それは困る。おーい、海亀ー。
 怪人:オオルルゥ〜・・・。
 朋子:しっ!
 (岩に向かって静かに駆け寄る。)

 朋子:あっ・・・。









 怪人:オオオオルルルゥ〜。







 朋子:何あれ・・・。
 虚仮太:えっ何。俺にも見せて。
 朋子:キャッ!どこ触ってんの。
 虚仮太:触ってねえよ。
 朋子:イヤー!変態!!(パンチ。)
 虚仮太:ぶべっ!?
 (二人ともバランスを崩す。)

 虚仮太・朋子:キャー!!







 朋子:イテテ・・・。
 アンディ:・・・大丈夫ですか?






 アンディ:お怪我はないですか?
 朋子:はい。・・・あの、岩の向こうに怪物が。
 アンディ:怪物?





 アンディ:何もいませんね。
 朋子:さっきまでいたのに。






 アンディ:ど・・・どうしました。
 朋子:ううん。何でもないの。






 (商店街。画面は左へ。)











 岡崎:前公さん、どうしてここが怪しいんですか。
 公洋:あの浮島って学生は、汚頭のメンバーじゃあねえ。俺はあの転落死、自殺じゃなくて殺されたんだと思ってる。
     だが汚頭に恨みのある奴の犯行だとして、何で関係のねえ奴まで殺す?何で一人だけ転落死なんだ?なんで
     あそこにいた?わかんねえことが多すぎる。そいつが持っていた紙切れだ、なんかあるに違いねえ。
 岡崎:う〜ん、普段滅茶苦茶なだけに説得力があります。
 公洋:うるせー馬鹿野郎。さっさと行くぞ!




 北風:アーアア・・・。







 岡崎:いらっしゃいませんか〜。







 岡崎:わあ!!
 北風土葬:なんの御用でしょう・・・。
 岡崎:なんでもないです。さようなら。
 (岡崎、公洋に退かされる。)




 公洋:ワールドピースクラブの方ですね。
 北風:・・・はい。
 公洋:警察の者ですが、ニ三伺いたいことがありまして。
 北風:・・・どうぞ。




 北風:お掛けになってください・・・。アーアア・・・。







 公洋:環境保護団体だそうですね。
 北風:・・・ええ、環境以外にも人権や難民支援にも取り組んでいます。
 公洋:・・・立派なもんですなー。ところで、え〜と・・・。
 北風:北風です・・・。




 北風:・・・北風土葬です。ア〜アア・・・。







 公洋:・・・現在活動されてる方は何名ほど。
 北風:・・・ここの事務所だと私も含めて13名です。
 公洋:他にも事務所が?
 北風:・・・いくつかの支部があります。
 公洋:差し支えなければそちらの方も知りたいですな。
 北風:・・・パンフレットです。
 公洋:どうも。

 公洋:ふ〜ん・・・。
 岡崎:こういった活動をなさってるのは、ボランティアの人なんですか?
 北風:・・・ボランティアも大勢いらっしゃいます。
 岡崎:え?
 北風:・・・私は有給職員です。
 岡崎:え!給料が出るんですか。すごいなー。僕もやってみたいなー。


 北風:・・・ええ、ぜひ。ワールドピースクラブはどなたも自由に参加できます。・・・お茶でも出しましょう。







 北風:ア〜アア・・・。
 公洋:ところで浮島和樹という少年に心当たりはないですか。
 北風:さあ・・・。
 公洋:その少年なんですがね、こちらの住所と名前を記した紙切れを持ってましてね。
     何かご存知かと思ったんですが。
 北風:・・・最近は温暖化や環境問題に興味がある若い方が来られることも多いですよ。
 公洋:そうですか・・・。

 公洋:この筆跡、本人のものじゃあないんですよ。つまり、何者かが書いて渡したってわけですな。







 北風:・・・わかりました。心当たりのあるメンバーがいないか聞いてみましょう。どうぞ・・・。
 公洋:どうも。






 公洋:ん〜、変わった香りのお茶ですな。
 北風:ゾンビパウダー入りのゾンビ茶です。
 公洋:ほー。





 岡崎:やあー!!







 岡崎:前公さん、やってやりましたよ。うん?















 岡崎:ギャー!?
 公洋:ブッ!!






 北風:ア〜アアア・・・。
 岡崎:ご協力有難うございました!失礼します。
 公洋:何だ手前、ひっぱんじゃねえ。





 岡崎:ハァハァ・・・。
 公洋:お茶飲み損ねちまったじゃねえか。
 岡崎:・・・前公さん。ここやっぱ・・・。







 岡崎:怪しいですよ。









 公洋:やっとお前も刑事っぽくなってきたな。









 公洋:周辺の聞き込み行くぞ。
 岡崎:止めましょ。早く帰りましょ。
 (公洋に電話。)
 公洋:おう。・・・・・わかった。行くぞ。
 岡崎:マジッすか。勘弁して下さいよ〜。



 公洋:慌てんな。胡散くせえのはここだけじゃねえ。
 岡崎:へっ?








 朋子:虚仮太さーん!ちょっといいですかー。
 虚仮太:・・・なんだよ。
 朋子:ちょっと降りてきてください。
 




 朋子:・・・あの、アンディ君に聞いてもらいたいことがあるんですけどー。
 虚仮太:・・・。
 朋子:アンディ君に、好きな女性のタイプを聞いてきてくれませんかー。
 虚仮太:嫌に決まってんだろ。
 朋子:ジュースおごりますから。
 虚仮太:・・・。




 虚仮太:ふ〜ん・・・。











 (エビナコフ。)







 エビナ:・・・。
 (ドアをノックする音。)
 エビナ:・・・入りなさい。
 (書類をしまう。)




 岡崎:失礼します。
 エビナ:・・・あなた方は?
 岡崎:警察の者です。
 公洋:そこの沖合いで建設会社の測量船が爆破沈没したでしょう。まあ、近辺にいた人達の代表にお話を
     うかがいたくてですね。
 エビナ:何か誤解なされてるようですね。我々グレービーンズは。
 (話を打ち切り気味で。)公洋:いやいや、別に疑ってるわけじゃありません。整備不良による事故かもしれませんから。
                    少し話しをうかがうだけです。
                 エビナ:・・・どうぞ。
 (エビナ、ソファに向かって移動。)
 公洋:世界的な団体みたいですな。これだけ規模が大きいと維持する資金も大変でしょう。
 エビナ:ええまあ、しかし、我々の活動に賛同してくれているメンバーや市民、ボランティアの皆さんのおかげで、
      こうして自然や未来を守る仕事が出来るんです。
 公洋:なるほど。・・・例えば、あのアイドルとかですか。



 エビナ:・・・。
 公洋:えー、アンディ・コバヤシ、ナオミ・ハマーさん。テレビで拝見しましたが、すごい人気ですな。
 エビナ:・・・きっかけの一つとして、興味を持ってくれることは大切だと思っています。
 公洋:まったく。環境だとか種の保存だとか言って、手荒なことをやっている団体もいるみたいですな。
 エビナ:ええ。しかし彼らの行為が目立つだけで、大多数の団体は同意や協調によって物事を進めています。
      もちろん私達もです。
 公洋:ふんふん。測量船爆破現場で海亀に似た生物を目撃した人達がいますが、どう思います。

 エビナ:ハハハ・・・。海亀が犯人だとおっしゃるんですか。ここ虫所浜は日本でも有数の海亀の繁殖地です。
      事故で驚いた海亀が浮き上がりでもしたんでしょう。彼らは加害者ではありません。むしろ人間の被害者です。
 公洋:・・・ところで日本語お上手ですな。
 エビナ:学生時代、日本に留学していましてね。大学では環境汚染による動植物の影響を研究していました。
      そこで出会った仲間に触発されて、現在の自分がいるんです。



 公洋:差し支えなければ、お名前を教えてもらえませんか。







 エビナ:・・・平等一郎博士です。







 岡崎:前公さん、それって・・・。
 公洋:南米で亡くなられた、平等一郎博士ですか。
 エビナ:ええ。惜しい男を亡くしました。
 公洋:石関健一、荒羅虚仮太という人物はご存じないですか。
 エビナ:さあ・・・。
 公洋:平博士が亡くなる前に何か変わったことや、仰っていたことはないですか。
 エビナ:・・・ああ。

 エビナ:そういえば亡くなる少し前、環境や人権、幅広い問題に対処するための組織を作りたいといって、
      相談を受けたことがあります。






 公洋:その組織の名称を知りませんか。 
 エビナ:さあ・・・実際に作ったのかどうかも知りません。






 公洋:なるほど・・・。どうもありがとうございました。(立ち上がる。)
 岡崎:ご協力有難うございました。
 エビナ:いえいえ。いつでもいらしてください。どんな協力も惜しみません。





 エビナ:・・・。(電話をかける。)・・・もしもし。







 エビナ:用意しろ。







 虚仮太:オーイ!







 虚仮太:いやー、幹部なのに感心だねー。
 アンディ:そんな、幹部なんかじゃありませんよ。
 虚仮太:まあ別にいいんだけどさ。ちょっと聞きたいことがあってね。
 アンディ:なんです?
 虚仮太:好きな女性のタイプが聞きたいんだよ。
 アンディ:えっ?
 虚仮太:女優やアイドルとかでも良いんだけどね。

 アンディ:えっーと・・・。
 (アンディの口から古今東西の女優やアイドル、モデル、タレントの名が節操なく流れ出る。が、書くのも
  調べるのもおくうなので省略。好きな名前を想像して楽しんでください。)





 アンディ:・・・。
 虚仮太:・・・。






 虚仮太:ふ〜・・・。
 朋子:なんて言ってました。
 虚仮太:女性はみんな好きだって。
 朋子:何それ。マジ使えねえ。
 公洋:うん?
 朋子:お兄ちゃん!
 公洋:朋子、こんなとこで何してやがる。まだこんなカスとつるんでやがんのか。

 朋子:お兄ちゃんには関係ないでしょ。
 公洋:関係ねえだと、コラ!
 岡崎:まあまあ、兄弟喧嘩は止めましょう。
 虚仮太:そうですよお兄さん。
 公洋:手前ぶっ殺してやる。ん?そういや荒羅、手前測量船ぶっ壊したんだってな。二度と出れねえようにしてやるぜ。



 公洋:くひひ、残念だったな。
 虚仮太:悪い冗談は止めてくださいよ。






 虚仮太:僕はただ、落ちてたボールを拾ってぶつけただけですよ。







 虚仮太:木田のサインボールを。







 公洋:嘘つくんじゃねえ。浜辺に木田のサインボールが落ちてるはずねえだろうが。
 岡崎:いえ、現場から






 岡崎:木田のサインボールが見つかりました。
 公洋:木田のサインボールか!






 岡崎:はい。本人に直接確かめました。







 岡崎:木田のサインボールに間違いありません。
 公洋:畜生、木田の野郎・・・。






 朋子:オホホホ。これで虚仮太さんの無実が証明されたわね。こんなところで油売ってないで、早く犯人を
     捕まえに行きなさい。
 公洋:う〜〜・・・。





 公洋:うるせーーっ!!









 公洋:お前あれだろうが、環境保護だか開発反対だとかは建前で、本当はアンディとか言うアイドルもどきの優男の
     ことが好きでここにいんだろうが!あー!
 朋子:アンディ君のこと悪く言うのは止めてよ!
 公洋:ケッ。図星じゃねえか。




 公洋:ここにいる奴等も全員そうだろうが。立派な看板ぶら下げてりゃ。







 公洋:色ボケ欲カスも、昼間からブラブラしてても言い訳たつもんなー!文句あんなら言ってみろや!
 一同:・・・・・。






 公洋:やんのかコラ、国家権力だぞ馬鹿野郎。







 東海林:アノ野郎言いたいこと言いやがって、ぶっ殺してやる。
 (東海林、肩を捉まれる。)
 東海林:登田さん・・・。





 公洋:何だデカブツ。やんのか!
 (公洋に本を押し付ける。)






 登田:・・・。







 公洋:・・・。







 登田:・・・。







 公洋:・・・。







 公洋:・・・行くぞ。
 岡崎:前公さん・・・。






 東海林:スゲー!刑事を黙らせて、さらに場も納めちまった!
 天毛:イヤーン、カッコいい。






 公洋:散れ!見せモンじゃねえぞ!







 (矢印の人物アンディ、片手を上げている人物紙袋、手前虚仮太。)







 紙袋:・・・。 
 アンディ:・・・。






 (紙袋、アンディは矢印へ。虚仮太も時間をずらして矢印へ。)







 岡崎:前公さん、大丈夫ですか。
 公洋:あー?怪我もしてねえし、血も出てねえ。いたって健康だ馬鹿野郎。
 岡崎:はぁ、そうすっか。
 公洋:畜生あのデカブツ。こんな薄汚え本を渡しやがって。
 岡崎:あ!足下。





 公洋:今回は絶対踏まねえぞ。
 岡崎:もう・・・。






 岡崎:踏んでます。







 公洋:もう!







 アンディ:どうぞこちらでお待ちになっていてください。
 (紙袋、入室。)






 紙袋:・・・もしもし今からです。もしもし?あれ?







 紙袋:聞こえてますか。もしもし?
 (紙袋、退室。アングル上へ。)






 虚仮太:クックックッ・・・。









 虚仮太:うひひ・・・!
 (ドアの開く音。札束を手にしたままロッカーの中に隠れる。)






 紙袋:ふぅ〜。
 (紙袋の様子を確かめる。)
 エビナ:・・・こんにちは。
 (紙袋、立ち上がり名刺を差し出す。)
 紙袋:どうも初めまして、私こういうものです。



 エビナ:なんの御用でしょう。
 紙袋:ああいや、弊社はですね、自然と人間の共生というコンセプトを理念としておりましてですね。
     以前より貴団体に対して非常にシンパシーを感じておりました。
 エビナ:そうですか。ありがとうございます。
 紙袋:で、唐突ではございますが、受け取って頂きたい物がございまして・・・。
 (紙袋から札束を取り出して机の上に置く。)


 エビナ:買収ですか・・・。
 紙袋:いやいや、そんな。






 紙袋:単刀直入に申しますとですね。今回の虫所浜の開発、ぜひ我が社も入札したいんですよ。
     ヒロアキ興産を自然に優しい土木会社として推奨してもらえませんか。(札束をもう一つ増やす。)
     もちろん開発の際には、御団体の意見や要望も最大限取り入れたいと考えています。





 紙袋:虫所浜にも生き物にも、ここにいる私達にも最善のご提案です。







 エビナ:・・・断ります。







 紙袋:そんなこと仰らずに。(札束。)テレビの前ででも一言、一言弊社を持ち上げていただくだけでも良いんですから。
 エビナ:お引き取りください。
 紙袋:(札束を出しつつ。)子供のお使いじゃないんですよ。受け取っていただくまで帰れません。
     (次を手探りしつつ。)・・・あれ?
 エビナ:受け取れません。
 紙袋:今日はこれだけですが、上手くいけばこの何倍もの、あれ?


 エビナ:額が如何こうじゃないんです。
 紙袋:これは本当に挨拶程度でして、黙って受け取ってくれて良いんですから。あれれ?






 エビナ:とにかく帰ってください。
 紙袋:いやいや。あれえ!?いや、あれえ!?
 エビナ:わからない人だな。
 紙袋:ちょっと待って下さい。あれえ!?
 虚仮太:・・・・・。



 虚仮太:コラー!!
 紙袋:わっ!?






 虚仮太:オウオウオウ。さっきから聞いてりゃ何だ手前は。人間、金で動くと思ったら大間違いだぞ!







 虚仮太:大切なのはここなんだよ!
 紙袋:うぅ・・・。






 虚仮太:心がウンッて言えねえもんは、どんなに叩こうがなびかせようが、絶対曲がったりしねえんだ!!







 虚仮太:分かったかこの野郎。
 (紙袋うなづく。)






 紙袋:あわわ・・・。
 虚仮太:分かったら帰れ、馬鹿!二度とツラみせんじゃねえ。忘れもんだ馬鹿野郎!!
 (エビナ、立ち上がる。)
 エビナ:君、助かったよ。




 虚仮太:いえ、当たり前のことをしたまでです。
 エビナ:名前は?
 虚仮太:荒羅虚仮太です。
 エビナ:虚仮太君、有難う。君のような仲間がいてくれて、本当に頼もしいよ。
 アンディ:虚仮太さん、感動しました。



 アンディ:大切なのはココなんですね。これからも宜しくお願いします。
 (二人で握手。)






 虚仮太:こちらこそ。









 マスター:ある晩、彼女にキスを迫ったんだ〜。だけど、なんだか妙な感じ〜。
       何だ〜この〜微妙な〜距離感は〜もしかして、これって・・・。






 マスター:歯槽膿漏かな!!







 マスター:歯茎から血が出る〜!歯茎から血が出る〜!







 合唱:歯茎から血が出る〜!







 合唱:歯茎から血が出る〜!!
 (画、引く。)






 マスター:ある朝、トイレで息んだんだ〜お尻拭いたら妙な感じ〜。







 マスター:何だ〜この〜赤い〜縦線は〜もしかしてこれって〜・・・。
 虚仮太:よお。目、悪くするぜ。
 アンディ:ああ、虚仮太さん。明日のスケジュールを確認してたんです。
 虚仮太:大変だな、色々。
 アンディ:いえ、大切なことですから。
 虚仮太:そうだな・・・。


 虚仮太:で、どうよ調子は。
 アンディ:悪くないです・・・。
 虚仮太:イヤ〜、無理してんじゃねえかと思ってな。
 アンディ:え?
 虚仮太:あんま、らしくねえことやってんだろ。
 アンディ:・・・・・歌とかですか。
 虚仮太:・・・。

 アンディ:グレービーンズの知名度が上がるに連れて、次第に環境活動以外の面が注目されるようになったんです。
       本当は環境や生態の保全、そういったことだけに専念したいんですけど・・・。でも、みんな喜んでくれてますし。
       今は歌でもアイドルみたいなことでも、一生懸命続けようと思ってます。
 虚仮太:ふ〜ん、でも無理すんなよな。




 虚仮太:歌だったら俺が代わりに歌ってやってもいいしよ。「アライグマのアライちゃん」
       アライグマの〜アライちゃんは〜色んな物を〜洗ってくれる〜
       玉ネギ!ニンジン!イカの塩辛〜!!色んな物を洗ってくれ〜。





 虚仮太:イエー!!
 アンディ:アハハ。そうですね、宜しくお願いします。
 虚仮太:イエー!!
 アンディ:アハハ。










 病田:はい。ワールドピースクリニックです。
 北風:ア〜アアア・・・。
 病田:・・・北風さんですか。
 北風:はい。佐伯支部の北風です。夜分遅くすみません。
 病田:お久しぶりです。お元気でしたか。



 北風:・・・ええ、相変わらず腐ってます。
 病田:それは何よりです。
 北風:ご報告したいことがありまして。





 北風:・・・今日、刑事が二人やって来ました。
 病田:何か聞かれましたか。
 北風:・・・活動内容と、それから・・・浮嶋和樹という少年を知らないかと。
 病田:浮島・・・。




 病田:さあ・・・知らないな〜。
 北風:ご存じないですか。
 病田:知りませんねえ。他には?
 北風:・・・二人の内、一人の刑事なんですが。




 北風:・・・前田公洋という名なんです。







 病田:・・・森内太平さんのお孫さんですね。
 北風:ええ・・・これ以上詮索するようなら、消してしまおうと考えているんですが、その前に御一報差し上げようと思いまして。
 病田:止めときましょう。
 北風:・・・止める?
 病田:我々はただの暗殺者集団ではありません。厳に無益な殺生は慎むべきです。それに・・・。



 北風:それに?
 病田:ああ、いえいえ、何でもありません。このことは私から平博士に伝えておきましょう。
 北風:分かりました。宜しくお願いします。では失礼します。お休みなさい、ア〜アア・・・。
 病田:はい、お休みなさい。




 (パラパラと北風の上に土が落ちてくる。)











 病田:前田・・・公洋か・・・。ウフ・・・。







 病田:ウフフ・・・。ウフフフフ・・・。











 虚仮太:グーグー。ブッ!?







 マスター:グゴー!グゴー!
 虚仮太:ったく・・・。






 虚仮太:ふぁ〜あ。









 エビナ:オ〜イ、虚仮太君。こっちこっち。







 虚仮太:なんすかー。
 エビナ:君の人柄を見込んで頼みがあるんだ。
 虚仮太:今ちょっと忙しいんすよねー。
 エビナ:これで何か美味いものでも食べたらいい。
 虚仮太:何やるんすか。
 エビナ:うん、ある重要な人物を送り届けて欲しいんだ。この紙に人物のいる場所と送り先が書いてある。宜しく頼むよ。
 虚仮太:はい!



 岡崎:・・・前公さん、エビナコフが荒羅に何か手渡しました。
 公洋:・・・おう。
 岡崎:荒羅の奴、車に乗って出かけるみたいです。
 公洋:・・・よし、行くぞ。




 (一連の運転カットが続くが割愛。)













 虚仮太:お待たせしましたー。
 亀尾:ああ・・・。






 岡崎:乗り込みましたね。
 公洋:ありゃ堅気じゃねえなあ。
 (車、発進。)





 亀尾:・・・・・。







 虚仮太:お客さん、ずいぶん大きくて重そうな鞄ですね。何が入ってるんです。
 亀尾:・・・。
 虚仮太:あれ?後ろの車・・・。





 虚仮太:さっきからずっと着いて来てますね。
 亀尾:なにぃ!






 亀尾:撒け!
 虚仮太:へい!






 虚仮太:!!







 (車、回転。)







 公洋:野郎!!









 亀尾:ヒッー!?







 公洋・岡崎:ワァー!?







 (虚仮太の車が浮く。)







 (公洋達の車がどんどん小さくなる。)







 (車が丘を越えて行く。)









 亀尾:う〜〜ん・・・。
 虚仮太:大丈夫です?
 





 (墓の地面が盛り上がる。)











 北風:ア〜アアア・・・。







 虚仮太:アレ?お客さんその鞄、何か紙切れがのぞいてますよ。
 (亀尾、慌てて鞄を開けだす。)






 (ミラー越しに亀尾の様子を窺う。前方に人影。)
 虚仮太:・・・・・・あ。






 野田:・・・?





















 野田:!?







 虚仮太:あ〜あ、・・・あ、これ。







 虚仮太:うっ。







 亀尾:いいか。手前は何も見てねえし、誰も引いてねえ。
 虚仮太:(頷く。)
 亀尾:車出す前に、その懐にしまったモンも出せ。
 虚仮太:(差し出す。)
 亀尾:行け。引き金引かねえように安全運転でな。















 北風:あ〜ああ・・・。











 野田:!?







 公洋:・・・あ、ナウシカ録画するの忘れた。
 岡崎:・・・あ、僕も。
 公洋:・・・帰ろっか。
 岡崎:・・・帰りましょうか。






 野田:大丈夫?







 野田:大丈夫?
 北風:あ〜ああ・・・。






 北風:アーアア!
 野田:ねえ大丈夫。






 野田:ギャ〜〜!!











 (波をかき分けて、船が近づく。)







 (船、停止。船体のドアが開く。)







 エビナ:・・・・。







 亀尾:・・・・。







 虚仮太:・・・・。
 (船が遠ざかる。)








 エビナ:・・・うん、確かに受け取ったよ。ご苦労だったね。
 亀尾:・・・ふん、それにしてもボロイ商売だよな。
 エビナ:なにがだい?





 亀尾:開発反対のふりしてるだけで、金が入ってくるんだからな。えー。







 エビナ:おいおい。何か思い違いをしてるんじゃないか。







 エビナ:グレービーンズが乗り込むことで、他の保護団体を締め出してやってるんだ。それに撤退するときには、
      君達の開発が如何に環境への負荷が少ないかを世間に宣伝までしてやるんだぞ。感謝されても、
      そんな嫌味は言えないと思うがね。





 亀尾:ふん、それにしてもずいぶん早いんじゃないか。
 エビナ:ああ・・・。測量船の爆発事故があったからね。・・・どんなリスクも負えんよ。本当はもう少し儲けさせて
      もらいたかったがね。くはははは・・・。
 (ドアが開く。)
 エビナ:誰だ!



 エビナ:アンディ!
 アンディ:エビナコフさん、聞かせてもらいましたよ。






 アンディ:平博士の仰ったとおりでした。
 エビナ:・・・平?・・・アンディ、落ち着いて聞いてくれ。いつかは君にも話そうと思ってたんだ。
 (後ろの窓に平泳ぎで近づく虚仮太の姿。)





 エビナ:我々の活動には金がかかる。君も知ってるだろ。別にこの金で私服を肥やそうって訳じゃない。
      もっと必要な場所、もっと必要としている人達に使うんだ。
 アンディ:・・・虫所浜を見捨てるんですね。
 エビナ:見捨てるも何も、最初から開発は止められはしなかったんだよ。なら手助けをしてやって、金を貰ったっていいだろ。
 亀尾:ビジネスってやつだ。(銃を構える。)
 エビナ:オイ、そんな物騒な物は仕舞い給えよ。(エビナ、金を積み始める。)


 アンディ:・・・・・。
 エビナ:アンディ、これは全て君のものだ。受け取ってくれ。






 エビナ:これからは真のパートナー、友人として、私とグレービーンズを支えて欲しい。







 アンディ:断ります!僕はこの虫所浜、そこに住む生き物、その二つを守るために集まった人達、なにより
       僕自身の心を裏切ったりしない!!






 エビナ:・・・そうか残念だ。







 エビナ:また新しい客寄せパンダを探さないといけない。







 亀尾:フン。
 アンディ:・・・もう昔の貴方ではないんですね。
 エビナ:いや、変わらないさ。私はいつだって自分の理想に忠実なんだ。そういえば、死んだ人間がどうとか
      言っていたな。あの世で伝えておいてくれ・・・。




 エビナ:平等一郎、君を売ったのはこの私だってね。くは、くはははは!!









 アンディ:オオオオルルゥ・・・。







 アンディ:オオッ!!







 アンディ:!!







 亀尾:ゲッ!?







 亀尾:死ね!化け物!







 虚仮太:!?









 亀尾:ゲフッ。







 エビナ:ま、待てアンディ。君に銃を向けたのは謝る。スマン。さっき言ったことはあの男に脅されて言ったんだ。
      本心じゃないんだよ。






 エビナ:長い付き合いだもんな。分かるよな。だから頼む、助けて。







 アンディ:オッオッオッオッ・・・。オォッ!!







 エビナ:誰か助けてーー!!













 虚仮太:・・・・。
 エビナ:あの・・・。






 エビナ:誰だか知らないがいいとこで来た。私を助けてくれ。











 エビナ:!!







 エビナ:わー!!ちょっと待った!







 エビナ:分かった、4分の1出す。これでオッケーだろ?







 エビナ:わあ!?ごめん、ホントごめん。半分、半分出す。君しか頼る人いないんだよ。頼むから。ね、お願い。







 エビナ:このとおり!!
 虚仮太:・・・・・。






 エビナ:えっ?







 エビナ:ホントに?やってくれるの。
 虚仮太:・・・。(うなづく。)
 エビナ:有難う。じゃあ宜しく頼むね!





 エビナ:殺っちまえ!!



















 虚仮太:ウオオオォォォ・・・。







 虚仮太:ウオリャア!











 アンディ:フン!







 虚仮太:おわっ!?









 (虚仮太とアンディの攻防。)







 (急に船が動き出し、二人ともバランスを崩して落下。)









 虚仮太:プハァッ!







 虚仮太:手前・・・。
 エビナ:クハハ、まずは依頼人の身の安全を確保すべきだろ?






 虚仮太:金は!
 エビナ:もちろん払うさ。






 エビナ:後は宜しく。クハハハハハ・・・。









 虚仮太:チッ。









 虚仮太:ウヘへ、当たんないよーだ。
 アンディ:オオオルルゥ。
 虚仮太:キャ〜!





 虚仮太:ハァハァゼーゼー・・・。







 アンディ:オオオルルゥ・・・。
 虚仮太:・・・ちょっとタンマ。一つ提案なんだが。






 虚仮太:本当は俺、強盗するつもりだったんだよね。成り行きで助けることになったけど、全然そんな気ないんだよ。
      俺が金貰うまで襲うの待っててくんない?連絡くれたら二割やるよ。






 アンディ:オオルゥッ!!



























 アンディ:オオルゥ〜!

























 虚仮太:わあっ!?









 虚仮太:・・・くっ。
 (立ち上がろうとする。)








 虚仮太:ギャアッ!!









 虚仮太:あーっ・・・。





















 アンディ:オオルルゥ・・・。













 虚仮太:ライダー・・・。









 虚仮太:大車輪!!













 (数歩後ずさり倒れる。)









 アンディ:・・・・うっ。









 虚仮太:えっ。









 エビナ:いやー、お見事。素晴らしい戦いぶりだったね。







 エビナ:君のおかげで助かった。まったくアイツがあんな化け物だったとはね。世間に知れる前に始末できて良かったよ。
 虚仮太:・・・・・。
 エビナ:ほら、約束のものだ。君の言った額には足りないが十分だろ?





 エビナ:クハ、クハハハハハ・・・。









 エビナ:今回は短い滞在でしたが、行政や企業と対話の結果、よりよい虫所浜の未来を描くことに成功したと思っています。
      再び美しい虫所浜、そこに住まう生き物、そして日本の皆さんに会いたいと思っています。また会う日まで・・・。






 エビナ:さようなら〜。
 (マスター、テレビを消す。)
 マスター:なんだったんだろ。
 朋子:さあ。アンディ君も突然いなくなっちゃうし。




 朋子:虚仮太さん、どう思います?







 虚仮太:うん?・・・・・うん。
 マスター・朋子:・・・・・。






 マスター:朋ちゃんさあ、年上どう?
 朋子:う〜ん・・・。
 
 仮面ライダーWP第四話 完





   おまけ 
 絵コンテの中で歌われていた歌の歌詞を掲載。浩明の機嫌が良い時には、頼めば歌ってくれるかも知れませんよ。

   「ドリームジャンボ」

  ドリームジャンボ宝くじ ドリームジャンボ宝くじ
  当たったためしはないけど 買わないと当たらないから

  ドリームジャンボ宝くじ ドリームジャンボ宝くじ
  無限に広がるドリーム 今度はきっと僕の番

  給料前借り発売日 有り金はたいて購入
  惜しくはないのさ 夢を買うなら
  確信あるんだ本当さ どんな夢だって本当さ

  ドリームジャンボ宝くじ

   「歯茎から血が出る」

  ある晩彼女に キスを迫ったんだ 
  だけどなんだか妙な感じ 何だこの微妙な距離感は
  もしかして歯槽膿漏かな?

  歯茎から血が出る 歯茎から血が出る 歯茎から血が出る 歯茎から血が出る


  ある朝トイレで 息んだんだ
  お尻拭いたら妙な感じ 何だこの赤い縦線は
  もしかしてこれって痔なのかな?

  肛門から血が出る 肛門から血が出る 肛門から血が出る 肛門から血が出る


  毎日上司に なじられたんだ
  お前なんか辞めちまえ 立ちション便器が真っ赤に染まったんだ
  もしかして俺って死ぬのかな?

  チンポから血が出る チンから血が出る チンから血が出る ポコから血が出る
  鼻から血が出る 膝から血が出る ***から血が出る 歯茎から血が出る