☆猫被りマリュさんとお気楽バカ兄貴話

         アラスカ編・前編

 

 

       ようやくアラスカに辿り着いたAA。

       ナタルンとの確執は深まるばかりだし、学生組2人はMIAになっちゃうし、兄貴とは本心隠した

      まんま関係を続けてるし、マリュさんってばストレス溜まりまくりーでイライラ最高潮。身体に馴染

      んだ巨大ネコさんの皮が時折剥げそうになったりして、ドキドキヒヤヒヤする場面も。

       一方のフラ兄は、どんどんマリュさんに溺れていく自分を再認識しちゃって、もー、ため息の日々。

       らしくもなく格納庫で黄昏ちゃって、マードックさんあたりにからかわれてみたり。

       取りあえずアラスカについたら、今の関係をやり直そうなんて漠然と考えていたものの、いざ着い

      たら何と切り出せばいいのか迷っちゃって、どうにも言い出せないままのもどかしさ。

 

       そんな状況で、あの査問会があって、晴天の霹靂な転属命令なわけですな。

 

       査問会終了後、グッと唇を噛み締めて、言葉少なに艦長室へと帰っていくマリュさん。

       周りのクルーたちは査問会で叩かれた事とフラ兄たちの転属命令がかなり堪えたのだろうと同情を

      寄せるんだけど、しかしっ、実のところマリュさんは上層部のあまりな仕打ちに怒り心頭に達してい

      てキレる寸前だったのでした(苦笑)。

 

       足早に艦長室に帰り(当然のようにフラ兄も一緒である)、戸締りを確認するや本性を晒して悪態

      つきまくりなマリュさん。

       ちなみに余談だが、艦長室はマリュさんによってしっかり改造されていて、防音は完璧だし、各種

      ンサーも無効かつ盗聴防止も万全で、外部とは完全に隔離された状態になっております。っつーわけ

      で、心置きなく上層部批判なんかも出来ちゃうわけだな(笑)

      「なによっ、あの顎割れ因業ヒヒ親父(サザーランド大佐のことね 苦笑)ったら、こっちの苦労も

      知らないで好き勝手言ってくれちゃって!

       何が『誰もが納得するカタチ』よ。自分たちに都合が良い様に解釈したいだけじゃないっ!

       ええ、確かにあたしは至らない艦長だったわよ。自分でも器じゃ無いって事ぐらい判ってるわよ。

      それでも必死に頑張ってきたのに、それが何ですって?!

      そんな苦労しなくてもあっさり艦を沈めとけば良かったのに、ですって?

      あたしたちにしたって生き延びたのが悪いみたいな言い方しくさってからに。

      厄介事を持ち込んで悪かったわよねっ。あぁ、まったく、ムカつく〜!!」

       思いっきり毒を吐くマリュさんの様子を、時に拍手したり、相槌を入れたりしながら見守っていた

      フラ兄だけど、

 

      「…そりゃ確かにコーディネーターと戦争をしてるのには違いないけど、だからってキラくんのこと、

      あんな風に言わなくったっていいじゃない!

       あのこは凄く辛い思いをしながらも、あたしたちのために頑張ってくれて、挙句に生命をおとして

      しまったっていうのに、死んでくれて良かったみたいな、あんな言い方ってないわよぉ…」

 

       あたしが不甲斐ないからあんな若い子まで巻き込んで、生命を失わせることになっちゃったのに、

      等と、毒舌が次第に自己嫌悪モードに変わっていくに至って、これはマズイと慰めモードに突入。

 

      「いや、あんたは実際よくやったと俺は思うぜ。前線の厳しさを知らねぇ莫迦親父共が何言おうと気

      にすんなって」

 

       そうして何処からか取り出したる一升瓶の酒を勧めるのであった。

 

      「どーしたんです、これ?」

      「蛇の道はヘビってね。俺にだってアラスカにツテのひとつやふたつありますって」

 

       ま、詮索は置いといてパァーっとやろうぜ。

 

      「あんたと呑むのも今夜で最後だしな」

 

       転属命令を思い出して、つい言ってしまう兄貴。

       その言葉にハッとして黙り込んじゃうマリュさん。

       そんな様子に、あぁ、しまったと思って、兄貴も一瞬、黙り込む。

 

      「あー、まぁ、その、なんだー」

 

       現状を打破すべく口を開いた兄貴は、わざとらしく笑ってみせて、

 

      「いらん事は考えずに、とにかく呑もうっっ!」

      「そ、そうねっ」

 

      しんみりしたムードを吹き飛ばすかのように、豪快に一升瓶の蓋を開けるや、マリュさんのグラス

      に酒を並々と注ぐフラ兄。それをなかば自棄っぱちで豪快に飲み干すマリュさん。

      こうして、ふたりだけの宴会がはじまる。フラ兄が調達した日本酒に加えて、マリュさんが秘蔵の

      ブランデーを出してきたりして、これまでの思い出を肴に飲み明かすふたり。

      敢えて明日からの事など考えないように、なんて思いながら呑むものだから、ついついハイペース

      になっちゃうのも無理はない。

      そうして、お互いいつもよりは酔いがまわってるなぁなんて思い始めた頃、突然、兄貴がボソリと

      問いかけるのだ。

 

      「あのさぁ。ちょっと聞いてみたいんだけどさ」

 

       今なら酔いに任せて言えるかもしれない。

 

      「艦長はさぁ、今度の俺の転属のこと、どう思ってるわけ?」

      「あー、困っちゃいますよねー。少佐がいなくなったら、AAにはパイロットがひとりもいなくなっ

      ちゃうんですものー」

 

       だれか補充要員とか来るかしらーとかなんとか言うのに、兄貴ってば

 

      「そうじゃなくてぇ」

 

       ちょいと肩を落としつつも気を取り直してもう一度。

 

      「艦長個人の気持ちとしてはどうなのかって訊いてんだよー」

 

       俺がいなくなったら少しは淋しいとか思ったりする?

 

       意外と真剣な声にマリュさんは一瞬ハッとするものの、すかさず

 

      「全っ然っ!」

 

      と即答。あぁ、意地っ張りで強情なマリュさんは、こんな時でさえ素直にはなれないのよ(苦笑)

 

      「むしろセクハラ少佐がいなくなって清々しちゃいますわー」

      「そりゃないだろー」

 

       マリュさんのあまりなお答えにがっくりうなだれるフラ兄。

       だけど、顔をあげてマリュさんの表情を見て唖然。ひと時言葉を失ってしまう。

       だってマリュさんときたら、口では「全然淋しくなんかありません」とか言いながら、表情は途方

      に暮れた迷子みたいに頼りなくて、おまけに大きな眼からは大粒の涙をポロポロと零して泣いてたり

      するんですもの!

 

      「か、艦長ぉ。そりゃズルイだろー」

 

       一瞬の茫然自失から我に返ったフラ兄は、強がりな言葉を口にしながらもボロボロと泣いてるマリ

      ュさんの肩をがっしりと掴むや、

 

      「そんなカオするなんて、卑怯じゃないかよー」

 

       不味い。ほっとけない。ほだされちまうに決まってるじゃないかー!

       内心で罵倒を並べつつも、マリュさんに堕ちてるって自覚のある兄貴は、もう止まる事なんて出来

      やしない。

       沸きあがる欲求のままにマリュさんの方を引き寄せ、その唇を奪う。

       突然の行動に驚いたマリュさんが両手で肩を叩いて離せとアピールするのを完全に無視して、時折

      角度を変えながら深く深く口付けていけば、いつしかマリュさんの抵抗も消えていく。

       そして、マリュさんの両手が縋りつくように兄貴の背中にそっと回されると、ようやくに兄貴は唇

      を離し、今度は耳元へ囁きを落とす。

 

      「今日は朝までずっと一緒にいような」

 

       それからふたりしてベッドへなだれ込み、朝までの残された時間を濃密に過ごしちゃうんである。

 

 

       ここから先は詳しく書くと18禁になっちゃう(笑)から割愛するけど、兄貴ってば酔った(珍し

      くも)所為もあって、まったく歯止めの利かない状態になってるから、マヂで朝までマリュさんのこ

      と離さなかったと思うなぁ。

       ああ、ところで、宴会場ってか、艦長室の何処でどんなふうに呑んでんだろ?

       最初になんとなく浮かんだのは、床にぺったりと座り込んで、酒と簡単なおつまみがそこいら辺に

      無造作に置いてあるって感じ。兄貴は胡坐かいてて、マリュさんは横座りね。

       でも、ブーツ履いたままじゃ座りにくそうだよなぁ、とすぐさま撤回。

      せっかくソファとかあるんだから、そこにふたり並んで座ってというのが良いかなぁ。最初にそこ

      で押し倒して、それから……(以下自主規制 笑)

       ただ、どっちにしろコトに及ぼうと思うと、あのブーツは脱がせなきゃならないのよねー。

      ぢつは本番よりも服を脱がせる過程なんかが大好きな松崎さんは、一度じっくりと、上着を脱がせ

      て、アンダーの下に手を滑り込ませて素肌に触れつつ、身体のラインを辿った手で足元も引き寄せ、

      靴やスパッツ(タイツ?)に少し手を焼きつつ脱がせていく…とかいうのを見てみたいんですが。

       こっちの方が楽絶対に楽しいと思うんですけど、誰かやりません?

       …ってか、自分で書かないの?という突っ込みはナシの方向で(苦笑)

 

      …等と、いらん妄想の所為ですっかり道が逸れちゃったのを戻して(笑)

      お気づきの方もいると思うけど、ふたりともこの期に及んで「好きだ」ってはっきり言葉にしてお

      りません。やることはしっかとやってるのに言葉がでないのだよ。

       ほんとに強情なんだからねぇ(笑)

 

       しかし、このことが38話のブリッジキスに繋がる伏線になってるので、決定的な告白はそこまで

      お預けなのだった(笑)。

 

 

 

       っつーことで、ペンダントの秘密にも迫る後編へ続く ⇒ ■(でもまだ書いてない 苦笑)

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