アリの独り言(2018) 
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4/22(日) 12.今日一日
 光溢れる田園風景を窓越しに見ながら、少し前まで佳穂が使っていた勉強机で独り言を書き始めた。どの田んぼにも水が入り、あらがきをするトラクターの音が遠くから聞こえてくる。あっという間に山は新緑の黄緑が覆い、ツバメが飛び回っている。こんな日は外で草刈りでもして思いっきり汗をかきたいところだけど、部屋に籠ってたまった机仕事をやっつけている自分が恨めしい。

 昨日は、急にクロスエイジの藤野社長がお越しになった。福岡に本社を置くこの会社、農業ベンチャーとしてその筋ではとても有名で、会うたびにとても刺激を受けてきた。九州大学の学生ベンチャーとして起業、専業農家の流通支援を主業とし、14年で10億円を超える事業に成長させたキレ者の経営者。比較してはいけないと思いつつも、どうしても今の自分と比べてしまいちょっと落ち込む。まあ、それでも興味を持ってくれるぐらいまでにはなったかと思い直し、昼から広島市内に営業に出かけた。

 こちらも急に親戚の不幸で北九州の実家に帰ることになった妻も同行。新幹線の時間まで一緒に営業することにした。妻が横にいることに少し違和感を覚えながら新規の店舗で事業の説明をしていると、なかなかタイミングよく妻が説明を補足してくる。自分不在の1年間が彼女の事業理解を深めたことを実感した。

 無事営業を終え、某病院にお米の納品に行った、タイミング良くとてもお世話になった院長先生と顔を合わせることができしばし四方山話。その後、ワインショップを併設する取引先に母のワインを買いに行き、その足で卸先の小売店の売場も視察。もうちょっと時間があったので、これまた取引先のカフェでコーヒーを頂いた。

 広島駅に妻を送った後、折角この時間に市内にいるのだから何件か取引先を回ってみようと思い返し、ノンアルコールビールで何軒か梯子。これまた偶然に知り合いに会い、あれこれ話すうちにあっという間に22時。久しぶりに夜の37号線を運転しながら、beをしていた頃を思い出した。強烈な睡魔と闘いながら窓を全開にしてこの道を何往復しただろう。車を道路脇に止めて仮眠を取り、いつも見るのは居眠り運転の夢。脂汗をかきながらハッと目を覚まし、またふらふらと車を運転し始める。7年前の自分、あの頃から少しは成長できたのだろうか。

 家に帰ると満点の星空に蛙の大合唱、少し気持ちが軽くなった。メールの返信を何件かして風呂に入り、もう一度今日を思い出す。

 よし、今日はこれでおしまい、午前中するはずだった仕事は明日に回そう。今週は視察3件に恒例の田植えイベントがある。元気に皆さんを迎えたい。

4/14(土) 11.応援
 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれた反響がすごく、お取引先様・知人・友人からの沢山の応援メッセージを頂きました。こんな小さな事業なのに目指すところは結構大きな話しをしたりして、そのギャップに思い悩み、結構落ち込んだりもします。一人で巨象に立ち向かっている感覚、そんな時にこのような応援を頂くと元気を頂くし、またやろうとしていることは間違っていないのだと思えたりします。ご連絡頂いた皆様、本当にありがとうございました。一方で、怪しげな営業や勧誘連絡までチラホラ。まごやさいをリストアップされた皆様、まだ儲かってもいないし、不動産経営にも興味はないし、貧乏暇なしの体現者につき、どうかリストから外して下さい。

 さて今週、某自治体の市議会議員さんと同市地域おこし協力隊の方の訪問を受けた。MAGO-NETの開発を担当する(株)ちゃネット益田社長からの紹介で弊社を知ったらしい。行く先でまごやさいの紹介をしてくれており本当に有難い。

 話しをお聞きするとやはりここでも同様の課題あるようだ。大規模化が難しい農地と高齢化、未流通野菜の存在。それに地域おこし協力隊卒業後に営む事業の話しも加わりなかなか興味深い。

 地域おこし協力隊については全く詳しくないのだが、僕なりの解釈はこう。第一目的はその地域への新規定住。契約期間は3年で、その間は自治体から賃金を支給して地域の課題解決のサポートをしながらその地域の理解を深め、人と関わりを持ち、スムーズな定住に繋げていく。その間に事業を興し継続経営できるようにしてくれれば更にGood。誤解があったらゴメンナサイ。

 MAGO-NETを導入して、まごやさいと同様の状況を実現できれば素晴らしいですね、という話しになったのだが、どうも地域おこし協力隊契約期間終了後に継続できる事業として強い興味をお持ちのようだ。もしそうなるのであればこちらも本望。出来る限りの支援をしたいと思う。

 が、はたと考えてしまった。MAGO-NETを導入したら事業が上手くいくと思われていないだろうか。もしくはそのように思わせていないだろうか。事実、まがいなりにもまごやさいではこのシステムを使って事業が継続できる状態を作ることができた。どういう構造で事業が成立しているかも詳細までお話しすることはできる。

 一方で、MAGO-NETを導入したからと言って自動的にお客様が増えるわけではない。農家さんも集荷拠点があるだけで出荷してくれるわけではない。そこには事業を営む人がいて、その人がこの事業の認知を広げ、内容を説明し、購入する店舗や出荷する農家を増やしていかなければならない。人と人とのコミュニケーション×行動量が全て。それはその人の事業に対する思いや熱量が大きく影響する。とすれば、僕がすべき最も大事なことは、この事業自体の持つ意味や意義、影響や効果についてしっかり情報提供することか。

 本当に、そうなのか。マーケットを拡大させていくサポートがもっと我々で出来るのではないか。いや、しないといけないのではないか。それが出来なければ絵に描いた餅なのか、いや、そう思うことは相手に対して不遜なことなのではないか。。。

 小規模農家連携型狭域野菜流通モデルと名付けたこの仕組みは、もう5年以上前から言っていることで、その方向性や内容は全く変わっていない。ただ、当時は頭の中で成立していただけで、実際は自分の目の前の事業を何とか形にすることに一生懸命だった。しかし、ここにきて、実際に広がり始めると課題や懸念点がリアルに見えて、それは解決すべき課題と転化する。どうすれば、いや、その懸念自体が違うのでは、こんなところでループし始める。

 そんな時に、応援メッセージを拝見しています。もう何度見たかな。見る回数が多い時はあんまり健全な状態ではない気がします。(苦笑)そんな感じで同じところ後ぐるぐる回りながら、少しづつ前に進んでおります。もっとさっさと進めればよいのでしょうけど、どうもこれが現時点での自分の力のようです。

4/7(土) 10.援軍きたる
 まず、ご報告から。株式会社まごやさいが「はばたく中小企業・小規模事業者300社」(中小企業庁)に選ばれました。 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2017/170323monozukuri.htm
 中国経産局から推薦頂きエントリーしたものの、まさか選ばれるとは思ってもいませんでした。まだ実績的に「はばたいている」とは到底言えず、ちょっと気恥ずかしい感じです。できれば、はばたくの後に「予定の」を入れて欲しいところ。とはいえ、期待だけは頂いているということで、これも糧にして前進していきたいと思います。

 さて今週。火曜から木曜日まで農業体験の受け入れをした。東京在住の社会人同期のご家族で今回2回目。初回は家族全員での参加だったが、今回は母(同期)と子二人。4年前、当時小学生だった子ども達は高校生(ソウくん)と中学生(サヤちゃん)になっていた。たまたま二人の予定が空き、どこか行こうかと話していたところ、サヤちゃん(4年前は農業志望女子だった)が「また園長のところに行きたい」と言ってくれたようで、急遽来ることになった。

 当時の面影は残っているものの、すっかり大きくなった2人。来るのはよいが宿泊費分は働いてもらうと伝えてあり、本人たちも気合十分。来るなりいきなり農作業。新たに借りた田んぼの石拾いから始めた。昼食をはさんでソウくんはトラクターで石を拾った田んぼを耕してもらった。サヤちゃんは有政ばあちゃんと一緒に畑の畝を均しマルチ張りを行った。所用で外出して帰ってくると、二人のキラキラした顔に一日の充実感が現れていた。

 2日目は、出荷作業。彼らがやってきた4年前はまだ家で作業をしており、センターでの出荷作業は初めて。急に野菜が出始めたこともあり、朝から農家さんの出荷ラッシュ。年の中でも上位に来るぐらいの出荷があった。2人の呑み込みの早さと手際の良さに他のスタッフも驚いた程で、パック詰め・検品・箱詰めと到底終わりそうもなかった作業が2人のお蔭で時間通り終えることができた。

 夕方、サヤちゃんが翌日の始業式に出るため1人で帰京。残ったソウくんに3つの仕事の選択肢を提示した。
1)深夜2時〜5時までの最終出荷作業をする 2)5時〜12時の店舗納品に同行して補助作業をする 3)10時〜昼まで有政ばあちゃんと畑で定植作業を行う。本人が選んだのは1と3、最後まで本気だった。

 最終日、僕は講演予定の岡山の私立高校の先生と打ち合わせがありセンターに出勤し、そのまま残って仕事をしていると、予定通り仕事を終えたソウくんとその母がセンターに来た。帰りの電車まで少し時間があったので有政的とっておき絶景スポット「神之倉公園」に車で上がった。昼までの曇りがウソのよう晴れ渡り、満開の桜と相まって予想以上の風景を見せてくれた。名残惜しさを隠しつつ、向原駅まで送って本件終了。

 今回が2人にとって意味があるものになってくれることを祈る。また成長した2人に会いたい。

3/31(土) 9.あれこれ
 少しずつ片付けられていく佳穂の部屋に一抹の寂しさを覚えていたが、昨日荷出しが終わりすっかり空っぽになった部屋にを見て逆に清々しい気持ちになった。特に親らしいことはしてこなかったけど、まだ扶養家族ではあるが、送り出せば一応これでお役御免。自分で行き先を決め、それを実現するために自己努力を重ね、結果を出した。後は自分の信念に従って思いっきり生きてくれい。悪いが生活費は自分で捻出してね。次に会うのは半年後か1年後?はたまた2年後か。名古屋で仕事がある時は飯を一緒に食べよう。新生活を迎える君が少し羨ましくもある。

 2月の業績は何とか回復、まだマイナス分を取り戻すまでは至っていないが、これで流れが変わって欲しい。野菜不足が少し改善されたのか、昨日はかなり沢山の野菜を出荷頂いた。農吉も地元の農家さんが増え、朝から出荷ラッシュ。「あんた、こりゃ何の野菜ね?」「あんたぁ〜上手に作っとるね」と出荷した農家さんがお互いの野菜を見て会話するまごやさいと同じ光景が庄原でも現れ始めた。

 その農吉、昨日は取締役会があった。常勤の取締役は2名、非常勤が2名+経理担当の5名で行われた。昨年の同時期にも参加したが、その時はまだ入社前で顔見せ的な感じで要領も分からずただ話を聞くだけだった。今回は1年間の業績報告と来期の方針を発表した。損益水準は昨年並み、ただ体質改善を図るために不良在庫を処分したり、業務の効率化を目的に作業場所を移転したりと臨時の大きな出費があってのこと。一応利益率は良くなり、戦える体制を整えることはできた。おそらくこの方向で業績を伸ばせばきちんと黒字化していくはず。ちょっと希望の光が見えてきたかな。メンバー総員、hands on!

 とか、色々考えながら、桜が咲き始めた庄原〜向原間の夕方の山道を走った。その同じ道を一昨日の朝も走っていた。その時は借りた9人乗りのワンボックスで、目的地は足立美術館。佳穂がどうしても行きたいと前々から言っており、どうせ行くならと元ジュニアスタッフの地元の小中学生3名も誘って総勢8名、賑やかな道中だった。残念ながら僕には芸術的な視点も興味もなく、ただの運転手。徹夜明けの強行軍でいささか疲れたが、まあ最後のご奉公。

 そんなこんなで、結局やるべき仕事が溜まりまくってしまい、これから会社に行って残務整理してきます!

3/24(土) 8.申請
 福岡から義母が佳穂の身辺整理助手として来広しており、少し賑やかな週末。遅くまで親子3代の女子話しは尽きない。

 今週のメインイベントは助成金の最終確定検査。助成金申請の権利を得る「新連携事業認定」を取るまでに約2年、助成金申請をして約1年半、実際に助成対象事業を始めて8ヶ月、いよいよ大詰めを迎えた。対象事業は大きく5つ。
1.広島大学との共同研究
2.新システム(MAGO-NET)の新規開発
3.TJ広島でのプロモーション
4.飲食店向けの事業紹介ツールの整備
 >テーブルPOP
 >カタログ
5.MAGO-NET貸出先向け事業紹介ツールの整備
 >ホームページ
 >カタログ

 この助成事業が始まる前、経産局の担当者から「事業報告が結構大変ですよ」「専任の担当者を付ける所もあるぐらいですけど、社長さんが担当で大丈夫ですか」とか言われたのだが、まあ、何とかなるだろうと高を括っていた。

 実際始まると、担当者の言葉がオーバーじゃないことが分かった。とにかく細かい。あ、これ僕の感覚なので普通はこうなのかもしれないが、、、発注仕様書・見積り・発注書・納品・検収書・請求書・支払証拠書類・受払簿・この事業の効果・・・。日程が順を追っているのは当たり前のこと、その文言も揃っていないといけず、大雑把な僕が作る資料は突っ込みどころ満載。あれがダメ、これがおかしい、何度も差し戻され、関係者に何度も修正を依頼して迷惑をかけてしまった。

 助成金の不正受給が社会問題になる中で運用の厳格化はいたしかたないことだろう。僕も初めての助成受給で慣れていないこともあるだろう。この助成が無ければMAGO-NETの開発はできず、その後の展開もなかった。ただ、増えていく資料を見ながらちょっと考えてしまった。

 何とか3月中にこれをきちんと終えて次に向かいたい。

3/17(土) 7.福岡
 土曜午前、快晴、15度、微風。福岡で暮らしていた頃は速攻で海に行って釣り糸をたらしたものだが、それも今は昔。もう3年釣りに行っていない。

 今週月・火曜日は計10年間過ごした思い出の地、福岡に出張した。博多駅に降り立つと風景が一新されていた。大きな商業施設が門のように駅の両脇を固め、明るいコンコースには人があふれかえっている。唯一、甘ったるいミニクロワッサンの匂いだけが過去の記憶と結びついた。

 慣れないジャケットを着て向かった先は某超大手企業、巡回バスに乗って10分ほどで到着した。昔勤務していた会社事務所と近い場所にあり、こちらは懐かしくその風景を思い出した。当時は営業しようにも相手にもされなかった会社に、今は招かれて訪問している。不思議な感覚を味わいながら打ち合わせ会場に向かった。

 この独り言でも何度か触れた福岡でのMAGO-NET展開。正確に表現すると、この会社がやろうとしている野菜流通新規事業のインフラ部分にMAGO-NETを使うということになる。今回は2ヶ月間の実証実験の結果検証と課題整理をサポートするために招かれたという次第だ。

 僕の状況を配慮してもらってスタートは13時。さすが大手企業、結果検証の資料が素晴らしい。手順をきちんと踏んだ検証プロセス、レーダーチャートを使ったサービス評価、実際の画像、もちろん試験業務も実際の農家・飲食店に協力を仰いだ超リアルなもの。まごやさいで構築してきた事業が福岡でガラス張りになっていく感じがした。

 結果は総じて良。この実証事件を経て、ここにいる新規事業メンバーの思いが以前より強くなっているのが分かった。浮かび上がった課題は即ちサービス改良のヒント。議論が全て前向き、具体策がどんどん話し合われた。

 僕からは出来上がったばかりの広島大学との共同研究結果の報告をした。中山間の野菜流通構造、まごやさいの事業が農家および飲食店からどのような評価を受けているか、支持される理由は、課題、地域に与える影響など、こちらはより学術的な観点から事業がガラス張りになった。(本研究報告書は7月に公開する予定です)

 当初、ミーティングは3時間程度でその後は拠点候補地の視察に行く予定にしていたが、議論は尽きず2時間延長し、終わった後も居酒屋に場所を変えて喧々諤々。懐かしい焼き明太子にゴマサバ、モツ鍋、シメはちゃんぽん麺と福岡の食も満喫できた。終わったのは23時。

 翌朝は拠点候補地の視察。福岡市内郊外、県西エリア、県南東エリアと福岡を東西南(北は出発点)と車で次々移動し、農家さんと話し、あちこちに広がる畑を見て、事業を担ってくれそうな人と打ち合わせをした。僕の眼には広島より未流通野菜も顧客層も数倍の規模があるように見えた。

 小倉駅で新幹線に乗ったのは17時。車中で、その昔味わった高揚感が再び湧きあがってきた。そうだった、この事業の可能性に気付いた時、当時は僕一人の中で消化しきれない溢れだす感情のやり場に困ったものだが、今は違う。福岡で、庄原で、南伊豆でも共有し話し合える同志がいる。世の中に必要な存在になれるよう、共に進んでいきたい。

3/11(日) 6.借入
 急遽、土曜日に名古屋に行くことになり一日遅れでの独り言です。お陰様で娘の佳穂は名古屋大学農学部応用生命科学科に進学が決まりました。応援頂いた皆様、気にかけて頂いた皆様、本当にありがとうございました。結果が出るまでは自分の受験の時よりドキドキしてしまい、結果が出たら出たで一抹の寂しさがあります。そんな私を横眼に、妻はこれで仕事に専念できるなどとおかしなことを言っていたりします。当初9人で生活が始まった我が家も(当時は妹親子や叔母も住んでいました)4月からは両親と我々夫婦の4人生活、一人一部屋でも余ってしまう状況になってしまいました。

 とか、感傷に浸っている間もあまりなく、今週はバタバタ・ドキドキの連続だった。何と言っても助成金にまつわるあれこれ。中でも一番冷えたのは資金繰り。今回の新MAGO-NET開発やホームページ・パンフレット類のリニューアルは「新連携」事業認定事業者限定の助成金を活用しており、今後の事業成長に向けた投資額の2/3が助成される。特に新MAGO-NETの開発は今後の展開のためには必須であったが、再開発となるとかなりの資金が必要になり、この助成金を活用しなければ到底難しかった。

 助成金は実際に支払った金額が対象となる。要は先に投資した金額を全額自分で支払って、その事実を確認した後に助成金が下りてくる。その先に支払うお金が現預貯金で到底足りず、銀行に事情を説明して金額相当額の融資枠を予め確保していた。対象経費の請求がある度に銀行から引き出して支払っていたのだが、そのうち日々日々の事業経費の支払いにも充てられた格好となった。恥ずかしいことに昨年秋以降の野菜不足で収益が悪化し、運転資金が目減りしていたのを見逃していた。そしてこの3月の大きな支払いが融資枠を上限まで使っても足りないことに最近気付いた。

 払えなければ助成対象とならず、その金額を全て有利子負債にすると事業運営が困難になることは容易に想像できた。気付いたのは土曜の夜。追加の借り入れができるだろうか、胃が締め付けられる感覚を引きずりながら月曜の朝を待った。そして朝イチ、銀行の担当者に連絡を入れた。幸い事情を理解頂き早期に別枠で融資して頂けることになった。ずっと事業状況を定期的に報告しており、またこれまで事業がほぼ計画通りにきていることが評価されたようだった。

 とはいえ、全額ではないにせよ借入れは増える。法人化した時の借入れもまだ返済途中。足元の事業でしっかり利益を生み出せなければ早晩運営は行き詰る。3月から4期の下期。前半のマイナスを取り返して、且つ利益を上乗せできるよう頑張るしかない。ほんと、気合が入ります。

3/3(土) 5.気合い
 そうか、今日は桃の節句か。娘に節句らしいことを今までしてこなかったなと、ちょっとした罪悪感が頭をよぎる。その娘は今日も朝から学校に行って自学、妻は一週間の買出しに行き、両親は畑で作業をしている模様。妙に静かな居間で、いつものノラ・ジョーンズとジャック・ジョンソンが連装された25年物のミニコンポ(まだ我が家では現役です)をかけ、パソコンを立上げた。何だか体が重い、先週末からのバタバタが響いているのだろうか。体力だけが自慢だったのに俺もそろそろ、と思いかけて慌てて否定する。

 先週末は、土曜日早朝まで野菜の仕分けをして、1時間程仮眠した後に名古屋に移動。道中は結局間に合わなかった日曜の講演に使う資料作り。到着後、妻と娘と3人で昼食を取った後、ホテルに荷物を預けて明日受験する大学の下見に行く。その後娘はホテルに帰り、妻と一緒に近隣の住居事情を見て回った。

 思った以上に時間がかかり(さすが名古屋、広いです)、19時過ぎにホテルに到着。そこから僕だけバタバタと静岡に移動。20時に静岡駅で息子と待ち合わせをしていたのだが、1時間到着が遅れることをメールで伝え新幹線に走った。汗だくで乗り込んだ新幹線の中で色んな事が頭をよぎった。偶然か必然か、母・娘は名古屋で、父・息子は静岡で同じ夜を過ごす。

 息子は静岡大学物理科の3回生、同級生のほとんどが大学院に進む中で彼は就職することを決めた。この日は東京でインターンシップに参加し、彼も東京から今日の夜帰ってきた。ちょうど名古屋に行くので久しぶりに会うかと言いつつ、本当は就活の気合いを入れるために場を設けた。一応、僕もその昔は学生の就活講座の講師などをしていたこともあり、それなりのアドバイスはできる。静岡駅の改札を出ると、息子が既に待っていた。

 結果的に親子で初のサシ飲み。ホテルでお勧めの焼鳥屋の情報を仕入れて街に出る。ほどなく見つけ、20席ほどのうす暗く少し煙った焼鳥屋の狭いテーブルで差し向かいになった。まずはビール、お父さんアルコールは大丈夫なの(弱いのをよく知っている、苦笑)と気遣いされてしまった。それから約2時間半、こちらが言わずとも、彼から今の状況を話してきた。今受けているのは金融機関。事業者を支援し、成功をサポートするような仕事がしたいという。自分の言葉でそれを語る姿を見ながら、僕が何か言う必要はないと思った。そして、そこに考えが至る過程で、僕がやってきたことが少なからず影響していることが分かった。良いも悪いもない、既に自分で立とうとしている息子に入れ知恵は不要。思う道で、今の自分で思いっきり勝負してみろ、アルコールが徐々に回ってくる自分を感じながら、何とも幸せな気分になった。いつか彼のような人材を自信を持って迎えることができる会社になりたいと強く思った。

 翌朝、静岡から名古屋に移動する新幹線の中で、娘から珍しく「行って来ます」とメールが来た。その直前にその日の朝広島に帰った妻から珍しく(というか初めて)別れ際に涙をこぼしたとメールが来ており、慌てて自信を持てだの平常心でなどとメールを返信したら、直後に「精一杯頑張ってきます」との再返信がきた。僕にはふっきれた娘の姿が見えた。

 人の心配をしている場合じゃないな。心配なのはこれから豊田市で行う自分の講演の方じゃないのか。結果的に子ども達から気合いを入れ直してもらったようだ。今回本当にはこの講演の話しを書こうと思ったのだが、、、それはまたいつか。

2/22(木) 4.転換
 明日から日曜にかけてどうにも時間が取れそうにないので今回は前倒しで書いています。いつもの土曜日のオフモードと違い、臨戦状態の継続中の平日夜。今日も色々ありました。しばしお付き合いを。

 農吉の話。野菜販売部門の責任者になってもうすぐ1年。現場に張り付いて出荷頂く農家を知り、販売お客様を理解し、そこで働く社員と接してきた。これまで事業がなかなか収益化せず、その状況を打破するためにお声をかけてもらった訳で、僕の得意領域(まごやさいの事業モデル)に早く持ち込んで一気呵成に変えた方がやりやすかったのかもしれない。

 しかし、そうはしなかった。外から来た人間が現状の事業を否定することは、その社員を否定することに繋がりかねない。5人の小さな組織、人心が離れれば一気に事業自体が瓦解してしまう。まずは事業がどう回っているのか理解し、課題を見つけて一つ一つ改善することで出口を目指せないか模索した。そしていくつかのことに手を付けた。そのほとんどは業務の効率化のためのものだった。

 効果は若干出た。一つは損益額の改善。もう一つは残業時間の削減。しかし、その成果は到底満足できるものではなかった。それを一生懸命やって大きくしたら明るい未来が描けるか、みんなに還元できるだけの利益を上げることができるか。僕には今の延長上に未来はないように思えた。そして、事業を大きく方向転換することを決めた。

 方向の一つは直接販売比率を高めること、もう一つはトラックで各地を回る集荷体制を止めて地元農家中心の出荷にすること。言ってみれば今の事業の真逆に近い。幸い、一緒にやってきたメンバーは、ここに至る過程で何故この方向転換が必要なのかは理解してくれたように思う。

 しかし、これまでのお取引先や農家さんにとっては青天の霹靂。集荷を止めるにあたって当面野菜の取扱量が減り、現状の卸先に販売中止を伝えないといけない。もっとキツイのは農家さん。これまで家まで取りに来てくれて、その上ほぼ言い値で全て買い取っていた会社が急にそれを止めるというのは猛反発を招きかねない。

 しかも、農吉は農家支援を掲げて事業を推進した経緯があり、それが高じてボランティアに近い状態で事業を行ってきた。それが常態になっていたところに、僕が収益を掲げて事業を変えようとするのは、農家さん側からは守銭奴にも見えよう。事業を継続させることができなければ農家さんのお役にさえ立てないこと、全ての農家さんに同様のことを提供するのは難しいこと等、主要な農家さん一軒一軒に足を運んで説明した。

 大口の取引先には2月初めから交渉に入り、いよいよ大詰め。来週には本社商品部で最後の説明、何とか理解をしてもらい、綺麗に決着させたい。

 残念ながらこの間に社員の退職者も出た。もしこの社員が明るい未来を感じていればまだ居てくれたかもしれない。3月からはさらにスリムな体制になって、大きな変化の中で今以上の業務をすることになる。実際楽ではないけど、僕は行く先が楽しみだ。色々やってみたいこともある。まごやさいの事業にとってもプラスになるはずだ。

 今日は、そんな過程の中での一日。前に進むための撤退戦。殿(しんがり)こそ力量が問われる。力が無いと軍は全滅の危機にさらされるとか。はて、僕にそんな力があるのかなあ。。。

 週末は愛知県豊田市での講演、切り替えて、今度は進出戦?の先鋒で頑張ってきます!

2/17(土) 3.災難
 テレビが気にかかってなかなか手が進まない。この独り言は大概家で書くのだけど、机の後ろにテレビがありオリンピックの競技映像が流れ続けている。切ればよいだけなんだけど、、、真剣勝負はやっぱりいい。しかも4年に一度、人生かけて勝負に臨む姿は競技を越えて惹き込まれる。そのうち俄か評論をしたりして、それが的を得たりするとそれはそれで楽しい。

 さて、今週を一言で表すと災難かな。スタートは農吉から。マイナス10度を超える低温化で軽トラがスリップして側溝にはまり、それを救済に行った僕は、力づくで上げようとして何年かぶりのぎっくり腰になった。ぎこちない動作で家に帰ると父の様子がおかしい。どうも気になり、嫌がる父を病院に強制連行して診てもらうと案の定インフルエンザだった。数日たって今度は妻の様子がおかしい。絶対インフルエンザだと思って病院に行くも検査結果は陰性。ということは過労か?元気自慢の妻が痛みを言うのがどうも気になり、たぶん初めての出勤停止命令を発した。

 妻は2日で復活し(再検査でもインフルエンザではなかった)、いつもの夜作業していると今度は母の様子がおかしい。大丈夫大丈夫という母を強制送還し翌日病院に連れていくと、こちらはインフルエンザ確定のB型。母と父が別々の部屋で隔離生活となった。

 ぎっくり腰がそこまでひどくなく、何とか元気を保っていた僕も、目の奥が痛くなった。いつものパソコン見過ぎなのか、それとも。。。やること山盛りで今休むと色々支障をきたす。耳が痛くなるほどマスクを付け続け、うがい・手洗いをいつもの倍以上繰り返しながら体調が悪化しないことを願う。幸いにして目の痛みも治まり今日現在の体調は絶好調レベル、何とかインフルエンザはかわしたようだ。

 それよりも、一番心配なのは娘の佳穂。2/25、26は大学入試の2次試験で、このタイミングで体調を崩すのはまずい。ここ何年も風邪はひいたことがなく対策もきちんとしていたようだが、昨日から咳をしているのが気になる。どうせなら、いっそ早くかかって、キッチリ治してその日を迎えられればとも思ったりする。さて、どうなることやら。。。

 実は、佳穂の受験日に僕も愛知県豊田市で講演会が予定されている。佳穂の受験地も愛知県。偶然ながら同日・同地域にて親子でお互い真剣勝負に臨む。体調壊している場合じゃないよね。体調管理も実力のうち、実力を目一杯発揮してやりましょうぜ!羽生結弦くんバリにね。

2/10(土) 2.赤点
 予測通り、忙しさだけは一丁前になってきた。やることが重なっても、一つずつ、一つずつと心で念じながらやるべきことをやる。心の平静を以前より保てるようになったかな、なんて思っていたら強烈なカウンターパンチを喰らって心はグラグラになった。

 パンチの正体は試算表。法人化してこのかた税理士事務所に無理をお願して月次の試算表を月初なるべく早めに出してもらっており、それを元に会社の状態を把握するようにしてきた。赤字・黒字はもちろん、分野別の売上や色々な経費、前年との比較など。毎月見ていれば気付くこともあり、どんな手を打つか考える材料にもなる。

 ただ、今期(昨年9月から)は助成金の絡みがあり、お金の出入りが結構複雑になったことや、僕がほとんど会社にいないことが集計作業に影響したり、あれやこれやで試算表の作成が遅れに遅れてしまった。10月以降、全国的な野菜の不作はここ向原でも然りで、出荷農家さんは増えれど出荷量は増えず、取引先も売場に野菜が無ければ減ってしまう。ちょっとヤバいかなという感じはしていたが、ようやくまとまった数ヶ月分の試算表を見て愕然とした。

 詳細は割愛するが、テスト結果的に言うと完全に赤点。前期はほぼ全月合格点できており、一応昨年対比の売上的も下回ってはいなかったので、若干数字は落ちても、そこそこで収まっていると完全に過信していた。利益率の低い売上割合が感覚値以上に増えていたり、経費が予想以上に膨らんでいたりで、ちょっとひどい状況。

 営業マン時代、目標未達の時は会社に帰るのが本当に嫌で、キューっと胃が痛くなる感覚を何度も味わったものだが、ちょっとそれとは次元が違う。存続に関わる問題であり、悩む暇なんて無く、挽回すべく手を早急に打たないといけない。資金はショートしないか、手当の目処はあるか、削れる経費は無いか。

 これも現実。今回はあえて書いている。届いて欲しい人がいる。

 もちろん、今回も乗り越えて、マイナス分を挽回して、より強い会社にしていくつもりである。目指す理想を詠いながら、もう一方でこうして事業を回しているのも事実。

 この会社を作る時、資金が無かった僕は政策金融公庫に事業計画を出し、3年間で黒字にしてきちんと返済していくことを約束して借入をした。一応、ほぼ計画通りに事業を行い、ようやく少しの信用を得ることができた。借金も貯金のうち言う人もいるが僕の考えは違う。返済の大きな責務が発生し、その責務は借入を起こした本人が全て負う。

 だからこそ、本気になれる、心血を注げる、明るい未来が描ける計画を作らないといけない。計画がお金を借りる方便になっては駄目だ。重い話しになったけど、その未来を描くのは特権であり楽しみでもある。

 そして、一人で進むのは限界がすぐに来ることを自覚した方がよい。第一協力者は案外身近にいたりする。本気の人間には、恐らくほぼ確実に、協力者が現れる。

2/3(土) 1.歩み
 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年も週イチ(基本は土曜日更新)であれこれあったこと、思うところを書いていきます。宜しければご覧下さい。

 まず、予告から。

 今ご覧頂いているまごやさいのホームページですが、3月末に引っ越しする予定です。ホームページだけでなく、野菜を売っている販売サイトも、私のメールアドレスも全部変わります。これは、まごやさい新システム(MAGO-NETと命名)のカットオーバーに伴うもので、時期が来ましたらこのホームページでもご案内します。合わせて販促物関係も新調&リニューアル中。並行してアレコレ進んでおり完全に私の許容範囲を越えています。本当に上手くいくのだろうか。。。

 さて、まごやさいの2018年は餅つきの準備から始まった。これ、自家用の話しではなく、取引先の飲食店の方々を招いての「餅つき交流会」のこと。妻が起案したもので、当初話しがあった時、僕は正直乗り気でなかった。普段お世話になっているお店の皆さんに感謝を伝え、まごやさいを使う(おそらく思考やこだわりが近い)お店同士の交流はきっと喜ばれるはず!できれば実際野菜ができる畑も見てもらいたい、というのが妻の考え。一方、僕は(一応、元飲食店経営者の感覚として)年末まで忙しく年始(開催は1/3)ぐらいはゆっくりしたいはず、わざわざ1時間もかけて極寒の向原にお越しになる方がいるだろうかという懸念がぬぐえなかった。

 しかし、折角現場が意志を持ってやりたいと言ってきたこと、良い機会だと思い実施を了承。僕は指示を受けて案内チラシを作成する等サポートに回った。取引先に配って応募を待ったところ何と10組を越えるお取引先から参加の意思表示があった。1組5名まで参加可能にしており人数にして30人以上のご参加、お持ち帰り用の餅(1臼約1.5升で1000円/丸餅が40個はできます)も全組申し込み、地元の子どもたちもスタッフとして参加してくれて何とも賑やかな交流会となった。次回の開催を望む声も多数いただき、早くも次回の企画を考えている様子だ。

 1月中旬にはアンケートを実施した。これは広島大学との共同研究の一環で、まごやさいの出荷農家とお取引先飲食店の実態調査のためのもの。結構ボリュームのあるアンケートでA3両面にびっしり質問項目が書いてある。内容を見た時にまず浮かんだのは「本当に書いてもらえるだろうか」という懸念。回収率50%を越えたら上出来だと思い回収目標をそれぞれ20部に設定。ご協力の案内文を添えて農家さん・お取引先に配布したところ、何とそれぞれ90%を越える回収率になった。農家さんは40軒配ったうち1軒の除き期間内に回収。少し遅れてその1軒もお持ちになられたので実質100%、内容もしっかり書いてあり、実際にご覧になった大学の先生はその質の高さに驚かれていたようだった。お取引先もしかり、率直なご意見も多数書いて頂いており、今後の事業運営の大きなヒントにもなりそうだ。本当に素晴らしい農家さんと飲食店さんに我々は支えられていると改めて思った。

 農吉は昨年と同じペースで行っており、2月から事業の転換を図っていく予定。1月下旬には南伊豆に導入頂いたシステムが実稼働し始め、九州の新規案件も実証実験が2月から開始された。何だか怒涛の2月の予感、ここを乗り切れば彼方を見渡す地平線が見えてくるかも。

 たぶん、越えてもまた更に高い山があるんだろうけどね、それはそれで楽しみ。越えないと見えない山がある。あれこれあるのを言い訳にして、全部中途半端に、やったことだけで満足したりしたら駄目だ。焦らず、こんな時こそ一歩一歩、着実に歩みを進めたい。

 皆様、今年も宜しくお願いいたします。

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