年始のごあいさつ
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2014年のご挨拶
 新年明けて1ヶ月以上が過ぎてしまいましたが、このご挨拶が2014年初めての更新となります。遅ればせながら明けましておめでとうございます。

 まず、昨年オープンしました孫野菜農園のインターネット直売所「農家直営露地野菜市」を多くの方にご利用頂きました。改めまして深くお礼申し上げます。これまでも、飲食店をオープンしたり、福屋さんで野菜を販売したりと、毎年のように新しいことを手掛けてきましたが、この直売所は目指すべき未来の足掛かりとなる、大きな可能性を感じています。

 目指すべき未来とは「地産地消を進め、多くの方が安心で新鮮な野菜を食し、地方の農家が元気な状態を実現すること」です。広島県で消費されている生鮮野菜の90%以上(市場経由)は県外産、消費している野菜のほとんどが九州や北海道などから長い経路で運ばれている現状が理に適っているとは到底思えません。広島に生産力がないのなら話しは別ですが、地方にはまだまだ活かされていない農場が沢山あります。それを取りまとめて、近郊都市に直接販売する仕組みの一つとしてモデル化したのが、この農家直営露地野菜市です。

 農家直営露地野菜市は一般顧客向けの販売サイトであり、これに法人向けの販売サイト・野菜の出荷販売管理システムを加えて「農家直売システム」を構築しています。農業と販売を両立し、農家の収益性と高い鮮度の野菜供給を実現し、地産地消を進めるシステムとして発表したところ、ひろしまベンチャー育成基金の金賞を受賞し、日経新聞など各メディアでも取り上げて頂きました。

 このシステムは孫野菜農園だけが使用するのではなく、全国の小規模農家にも容易に使ってもらえるよう、現在パッケージ化を進めております。一軒一軒の生産規模は小さくても、それがまとまることにより一定以上の生産量と品揃えを実現し、そのまとまりが沢山できることで、生鮮野菜の大きな提供ルートとなり、地産地消を強力に進めていきたい。これが今の私の強い思いです。

 まだまだ雲を掴むような話ではありますが、まずは孫野菜農園でキチンと事業として成立させ、広島県内にこのシステムを活用して直売する農業グループを複数発足させることを今年の目標にして頑張っていきたいと思います。

 本年も何卒宜しくお願いいたします。

2013年のご挨拶
 今年はこのしょうりきの事業に専念することを決め、2年間代表を務めたBe株式会社(Dining&Bar be)の社長を退任しました。新規で自ら立ち上げたお店であり、色々な出会いを作ってくれた場所でもあり、決断するまで非常に悩みました。

 一方、農業に4年間従事し、当初考えていた以上に事業化が難しいことを痛感し続けてきました。いや、たぶん農業が特別なのではなくて、どの業界であれ新たに事業を立ち上げるのは非常に難しいことなんだろうと思います。ましてや同時にいくつもの事業をゼロから立ち上げるなんて今の私には到底無理な話。結局全てが中途半端になって駄目になるぐらいであればどれかに絞って専念するしかないと考えました。幸い、Beは一緒に店を経営していた石井くんが引き継いでくれることになりました。彼の存在が無ければこのような意思決定はできなかったと思います。仲間の存在にこれほど感謝したことはありません。

 では、しょうりきの事業に専念できたからそれで安心かというともちろんそうではない。2年間一応続けることはできていましたが、取引先と協力農家さんが若干増えただけで、本質的な部分で進化はできていなかったと自省しています。期待値を越え続けていかないと事業は大きくなれない。現状維持では徐々にお客様を失っていくだけ、そこを正面から見据えなければ自分たちの成長は無い。

 しょうりきには大きな2本の柱があります。それは「農作業体験を通じた子どもの成長支援」と「野菜を作り届けること」であり、そのベースになっているのはこのしょうりきという場を使った農業です。これを疎かにしてその先の成長は無いと思います。もともと農業体験を多くの子ども達に提供したいと思って始めたことではありましたが、色んな農家さんと出会い、様々なお客様のお声を聞く中で、中山間地域と呼ばれている日本に偏在する川沿いに広がった平地部の狭い山里を農業で活性化できたら、そのモデルの一つにしょうりきがなれたら、これほどやりがいのあることは無いんじゃないかと思うに至りました。確かにこの2年間は時間を浪費した面もあったように思いますが、この思いに至ることができたという点では大きな意味があったと感じています。

 そんな経緯があり、今年のしょうりきの目標は至ってシンプルです。「美味しい野菜を自らたくさん作る」「多くの方に直接届ける」です。いくら良いことを言っても、結局野菜が美味しくなければ長続きしないし、直接売らなければ伝わらないし利益もでないのです。そして、その過程で生まれる農作業を実際に体験して頂くことで本当の仕事の意味や楽しさが見えてくる、と信じて突き進みたいと思います。

 直接売る方法第一弾はインターネットでの販売を考えています。農家直営ならではの圧倒的な鮮度と露地栽培・小量多品種型農業の特性をフルに生かしたネット八百屋を夏までにスタートさせ、多くの皆様にご利用頂けるよう頑張る所存です。オープンしましたらご案内いたしますので、その際は一度覗いて頂ければ幸いです。

 皆様、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

20131月吉日 園長・有政 雄一

2012年のご挨拶
 この事業を始めて丸3年、妻・子どもたちが広島に来て6年が過ぎました。息子の俊助が小学4年、娘の佳穂が小学1年生の時にこのしょうりきに初めて住み、そして今年、それぞれは高校生・中学生となります。埼玉県蕨市という日本一人口密度の高い都市から、人口3000人の過疎の町へ、当初は知り合いもおらず、塾も行かず遊ぶところも無い田舎で過ごした6年間は彼・彼女にとって意味があったのか、年始にふと考えました。

 そして、確かに意味はあったのだと思いました。

 勉強の出来・不出来も大事なのでしょうが、それよりも「主体性」「考える力」「協調性」「人を敬う心」「好奇心」「やり遂げようとする姿勢」などの2人に共通する性格は、たぶん今後2人が生きていく上で大きな力となるはずです。そして、ここしょうりきの環境(自然・農業・子どもも貴重な戦力・家族構成・近隣との関係の深さなど)が少なからず影響しているように思います。

 昨年JステーションというTV番組でしょうりき山里公園の特集が組まれ、その取材の中でディレクターがいきなり佳穂に「自然の中で遊ぶと何が楽しいの?」と質問しました。間髪いれず佳穂はこう答えました。「ゲームとかは遊べるように作ってあるけど、自然は遊びやすいようにはできていないので、それを工夫して遊ぶのが楽しい」

 そしておもむろに近くにあった木に登り始めました。自分の背丈でも登ることが出来る、一番下の枝が低い位置にあり、枝の間隔が離れておらず、ある程度の太さがある高い所まで登れる木を彼女は見つけ、登るルートを少し考えた後、するすると、あっという間に登って、枝の上から楽しそうに、ちょっと自慢げに我々に手を振りました。そして下りてきた後「結構ツルツルしていた。柿の木は滑りやすいんだね」と私に耳打ちしました。

 登れる条件を自分で“考え”、“探し”、事前の登るルートを“計画”し、実際に“行動”し(登って)、そこから新たなことを“学び取る”。実際に確かに彼女はこの環境から大切なことを得ていたのです。

 言葉でいくら良いことを言っても、結果が伴わなければ意味がありません。2人の成長は、すなわちしょうりき山里公園の結果です。こうして2人のことを考えるとき、我々がやっていることの確からしさを、この2人が証明し続けてくれているように思います。

 これから激変するであろう日本・世界を、この2人が、しょうりき山里公園に来てくれている子どもたちが、たくましく、しなやかに、真っ当に生き続けてくれることを願ってやみません。

 今年から、妻が家計を支えるためにしていた補助教員の仕事を辞め、しょうりき山里公園の仕事に専念してくれることになりました。孫野菜農園に参画している農家さんも張り切って野菜作りをして頂いています。福屋さんで我々の野菜を楽しみにして頂いているお客様も増えてきました。月1回野菜をお届けする宅配会員の皆様、beに来て頂くお客様、0から始めたしょうりき山里公園が今こうして広がり、つながり、大きな期待となりつつあることを実感します。

 道半ばになっている事業としてのしょうりき山里公園の離陸を今年こそ実現せねばなりません。継続していくためには今年1年が本当の勝負となります。背中に感じる恐怖感を、前進する力に変えて、今年1年これまで以上に頑張っていきたいと思います。

 皆様、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

20122月吉日 園長・有政 雄一

2011年のご挨拶
 しょうりき山里公園を始めて早くも3年目を迎えました。こうして今期もしょうりき山里公園ができるのも、多くの方のご支援とご協力によるものだと本当に感謝しております。

 この事業を始める際、私なりに3年計画を作りました。1年目は「走りだしてみる」。2年目は色々「試しながら加速する」。そして3年目は「事業として離陸させる」。すなわち、今期の目標はこの取り組みを永続できるよう、事業として利益を生み出し、この事業を支えて頂いている関係者の皆様にキチンと利益還元できる状態を作ることです。

 その実現の鍵となるのが、昨年オープンした「be」という飲食店としょうりき事業との連動です。

 一つは、農家と飲食店をダイレクトに結ぶことで、お客様から見れば手ごろな価格でこだわりの新鮮な野菜をたくさん食べて頂け、生産者から見れば丹精込めて作った野菜を正当な価格で売ることできるようになります。既に市場を経由して卸されるスーパーはもちろん、産直市でさえも厳しい価格競争にさらされており、場所代や搬入・引き取り労力まで考えると採算が非常に厳しいものとなっています。これからの農作物輸入自由化の流れも含め、ここに農家の未来があると私には思えません。

 野菜そのものの販売だけで農業経営を成立させようとすると、大規模化するしかその道はありません。しかし、大規模化した場合何が起こるか想像できますでしょうか。大規模化の最大のメリットは生産効率の向上です。単一作物を広い面積で、機械化を進めて省力化し労働生産性を相当上げないと価格面で海外と太刀打ちできません。

 基本的に農作物は同じものを作りつ続けるとその害虫や病気が増え、その対策が必要になります。人手が潤沢であれば人力でその防除もできるかもしれませんが、省力化を進めた農地はどうしても農薬に頼らざるを得なくなります。もしくはハウス内で完全に外界から隔離した栽培方法(水耕栽培など)を採用するしかありません。時期を問わず完全に制御された状態でドンドン生産される野菜は工業製品として考えた方が良いと思います。

 そう考えると、大規模化出来ない中山間地域の農地で栽培される小量多品種の“旬の野菜”を相応の価格で買い取れるのは、高い調理技術を有する飲食店が最も適していると思われます。新鮮な美味しい野菜を存分に活かした料理にすることでお客様に高い満足感をご提供でき、またそのような野菜を使っていることが店の信頼感や期待感の醸成に寄与します。

 また、beにお越し頂いたお客様が野菜作りや農業体験にご興味をお持ちになれば、しょうりき山里公園にも足を運んで頂けたり、野菜宅配をご注文頂く機会も増えるでしょう。こうして、街と田舎を「野菜」と「人」と「貨幣」が循環する状況をキチンと作り、その輪を太く大きくしていくことで、事業として成立する土壌ができ、人と地域の活性化につながると確信しています。

 このしょうりき山里公園は「子どもの体験教育」と「旬の野菜をご家庭に届ける」ことを目的として始めました。2年経ち、こうして協力農家も増え、広島市内に飲食店も持ち、いよいよ事業として離陸いたします。当初の志を忘れず、変化を恐れず、細部に手を抜かず、真っ当にやっていきたいと思います。

 今年も何卒よろくお願いいたします。
20112月吉日  有政 雄一
 2010年のご挨拶
 2010年のごあいさつにあたり、まずは2009年のお礼申しあげます。

 思えば、2008年の年末に長く離れていた故郷に帰り、相当な思い(込み?)と理屈のない使命感と根拠のない自信でしょうりき山里公園を始めました。長く音信不通だった私を多くの同窓生が応援してくれ、社会人時代にお世話になった方々に支援いただき、そして地元農家さんの温かいご協力があり、頼りになる仲間を得て、2010年・しょうりき第2期を始めることが出来ます。

 昨年、親友にこう指摘されました。
「アリさん、やろうとしていることはスゴイいいことだと思うけど、こりゃあ儲かりそうにないね」

 私もずいぶん悩みました。自分がやっていることは“私”ではなく“公”の領分なのではないか、もしくは成功した人が社会貢献でやるべきことなのではないか、一個人が徒手空拳でやることではないのじゃないか、と。本を読んだり、人に聞いてもみましたが、解など発見できるはずもありません。

 ただ、「どうしてもこれを形にしたい、事業として長く続けることがきるようにしたい」という思いは、悩めば悩むほど大きくなっていきました。行事に参加してくれた子どもたちの表情や変化、野菜の感想を送ってくださる会員さんの存在、一生懸命野菜を作ってくれる農家さん、スタッフの笑顔、それが思いの源です。

 幸い1年間やってみて、ヒントらしきものはたくさん見つけることができました。上手くいかどうかはわからないけど“やってみる価値”のありそうなこと、第2期はそれにチャレンジしていきたいと思います。具体的な内容はコチラでご確認下さい。

 私は慈善事業をやりたいのではありません。本当に良いことで価値のあるものであれば、その価値がお金に交換され、それが次の資金となり、さらに新たな価値を生む。これが継続する事業の本質だと思います。価値を感じて頂けるぐらいサービスに磨きをかけ、価値の循環を作るために、今期は“手づくり感のある野菜”に徹底的にこだわっていきます。我々なりにそれを表現し、多くの方から価値として感じていただくことができれば、この事業は大きく前進できると確信しています。

 幸い、強力な助っ人を新たに得ることが出来ました。弟の英治です。養鶏家として名が知られはじめた矢先に農業を再度勉強するため大学に入り直すという一風変わったヤツですが、情熱だけでなくしっかりとした理論に裏打ちされた野菜作りは、しょうりき山里公園の大きな戦力となってくれるはずです。

 初年度のメインであった農業体験などの子ども教育に関わることを『まなび事業』、野菜宅配などの農業に関わることを『あぐり事業』として、その両輪が事業の推進力となり、会員の皆様によりご満足いただけるよう、スタッフ一同全力を尽くしてまいります。

 今期もどうぞ宜しくお願いいたします。
 20102月吉日  有政 雄一
2009年のご挨拶
〜しょうりき山里公園開設にあたって〜
 12歳から実家を離れ、広島市内・福岡・大阪・東京と居を移しながら昨年40歳を迎えました。大学を卒業後、リクルート人材センター(人材紹介)と、そこから独立したベンチャー企業・スピリッツ(人事コンサル)に参画し、営業・キャリアカウンセラー・社員教育・事業経営に携わってきました。結果的に人材業界に17年従事し、これまで社会人2500名以上のキャリアカウンセリングをお受けしました。そこで常々感じていたことは、なかなか自立できない人の多さでした。

 私の在籍した会社は、いわゆる幹部やリーダー候補を対象にしていたため、ご相談に来られる方の多くは高学歴で立派な会社に在籍している方でした。幼少から厳しい競争を勝ち抜いてきた、いわゆるエリートです。しかし、何かの理由でその会社を離れようと思った時に、次にどうするかを自ら決められない、もしくは誰かに答えを求めてしまう、または失敗を極端に恐れ悩まれる方々を目の当たりにしました。十分な能力を持っているだけに、本当にもったいないと感じていました。

 難しい判断が不要な仕事であれば、記憶力と要領と人柄で何とかなるのでしょう。しかし、マネジメントの責任を背負ったり、新たな事業を任されたりした時には、それだけではなかなか通用しません。また、与えられた仕事をするだけでは本当の仕事の面白さを実感できないし、収入の安定感・安心感だけでは高いモチベーションを長く維持できません。自分で考え、方針を決め、情報を集め、実践して、工夫改良し、結果が出るから、たとえ失敗しても楽しいし本気になれるのだと思います。

 本気で、楽しんで仕事をしている人は結果的に周囲から頼りにされますし、より高次の仕事にチャレンジする機会を得ていきます。そして、彼らは無変化や現状維持が大きなリスクであることをよく知っているから、成長にも貪欲です。

 そんな、前向きに自分の将来を考え行動している人にインタビューを重ねるうちに、幼少の体験や育った環境が、社会人になっても強く影響している場合が多いことに気がつきました。その人の基本となる性格は幼少期に形成されるのです。それは社会人になっても大きな影響を及ぼします。このことを直観的に感じ取っている方も多いのではないでしょうか。

 自分自身を振り返ってもそうです。たった12年しか住んでいなかった、当時の広島県高田郡向原町大字戸島7区(通称:正力地区)で、悪ガキ仲間と一緒になって野山で遊んだ経験がその後の自分に大きな影響を及ぼしてきました。工夫すれば山でいろいろな遊びができたし、稲刈り後の田んぼは絶好のグランドでした。腹がへれば食べられる木の実を見つけておやつ代わりにし、誰かからアザミの根が食べられると聞き試してみたら腹をこわしたこともありました。そこに親や先生の介在はありませんでした。

 ただ、遊びや自然の知恵を教えてくれる地元のおじいちゃん達がいました。物知りのお年寄りは僕らのヒーローでした。今にして思えば、敬い→教わり→考え→探し(試し)→学び→次に活かすという循環を自然と繰りかえしていました。実社会でも立派に通用する行動サイクルだと思います。

 子どもは好奇心旺盛で、危ないことも大好きです。わからないから興味もわくし、スリルがあるからドキドキする、たまには怪我もする。触ってはいけない虫を触ると刺されたりかぶれるのです。だからこそ知識を総動員し、五感をフルに使って遊ぶのだと思います。野山は格好の遊び場であり学びの場です。安全が確保された、2次元の、アウトプットが全てプログラムされたゲームでは決して得ることができない「大切な何か」が自然の野山にはあると思います。

 また、家が兼業農家だったので農作業は間近で見ていました。平日は仕事で遅く帰ってくる両親が、日曜日の朝早くから起き、炎天下の田んぼで汗をびっしょりかきながら草取りをしている。子どもながら米を作るのは大変だなと感じていました。稲刈りが終わり、初めて新米を炊いた時の、父親が美味しそうに食べる姿は今でも瞼に焼き付いています。ごく普通に、私は食事前に必ず手を合わせるようになっていました。

 前々職では、社員教育の責任者であったため、集合研修の企画やトレーナーを何度もやりました。知識や対処方法のノウハウ取得には良いと思いますが、結局現場の体験には敵いません。研修でいくら教えても、実際に仕事を任せて強烈な成功や失敗を重ねる方がよほど深く心に刺さるし学びます。本当に教えたい・伝えたいことがあるのであれば、用意されたプログラムを学習するのではなく、最低限の知識を与えた上で、自ら考え行動し体験できる環境をいかに用意できるかが重要だと強く感じました。

 そんなことが背景にあり、20085月に埼玉に住んでいた頃に懇意にしていた4家族(子ども名)を招き、23日で田植え合宿をしました。大人でも結構大変な苗床のトレー洗いを懸命に頑張り、普段は遅くまで起きている子が21:00にはすっかり熟睡し
6:00にはバッチリ目を覚まして朝ごはんをモリモリ食べ、何も言わなくても年長者は小さな子どもの安全を気にしながら一緒に遊んでいる等々。そんな子どもたちを見て「まだまだ子どもだと思っていたのに」というお母さんの言葉を何度も聞きました。たった3日でしたが、主催した私自身にも予想以上の学びがありました。

 これが「しょうりき山里公園」を企画するきっかけとなりました。公園といっても全く整備されていませんし、現時点では遊具もありません。ここは用意されたプログラムをこなす場ではなく、ありのままの自然と農家の営みをベースに、考え、遊び、作り、美味しく食べて、思いっきり楽しむ山里を活用した公園です。

 ぜひ季節の変化や農作業の過程を、年を通して体験して頂きたい。目が届き、ふれあいの持てる関係で運営をしたい。できれば子どもたちだけでなく、親同士も交流が持てるようにしたいと思い、不特定多数に開放せず会員制の公園にしました。ここから先はぜひ会員の皆さんにもご参加頂き、一緒に考え、話し合い、もっともっと良い環境を作り上げていきたいと考えています。


 私には子どもたちに教えたい特定の価値観や習得してほしい技能があるわけではありません。人それぞれに個性があるし好みもある。ただ、この環境の中で、いろいろな子どもたちが交わり、遊び、体験し、自分たちで作った物を食べることで、それぞれが自分なりの「大切な何か」を持ち帰ってもらえるならば、それ以上望むものはありません。

 子どもたちは未来の希望であり日本の財産です。そして自然の山や田畑には、どんな子どもにも楽しみや大事な気付きを与えてくれる、そんな力があると信じています。
20091月吉日  有政 雄一

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