コンプレックス
 
 毎日、仕事をしている中でふと自問自答をすることがある。
 それは、自分の障害をどこまで周囲に開示するべきかということである。今のところ、自分から周囲に必要以上に説明をしたり、積極的な開示をするにはいたっていない。特に、外部の人には、ほとんど知らせていない。それは、やはり、開示することの影響は、どのような形となって現れるかがわからないからである。メリットとデメリットを考えたとき、あまりにも不確実な要素が多い。
 それが、原因かどうかはわからないが、私は、昔から人の顔を見て話すことが苦手である。仕事のときも例外ではない。気がつくと少し下を向いて、あえて人と視線をあわせないようにしている。歩くときも、うつむき加減のときのほうが多いような気がする。
 以前、
 「何も悪いことをしているわけではないのだからまっすぐ前を向いて話せ」そう意見をしてくれた人がいる。努力をしてはみたものの、気がつけば何時ものようにうつむき加減の自分がいる。それが、かえって相手に不快感を与えていることがあることも解ってはいるのだが、長年の間に癖づいたものは、そう簡単には直せないようである。
 「回転性眼振」私の眼の一つの特徴的な症状である。要するに、一点を見つめることができず、絶えず、眼が動いている状態、焦点が定まっていないとでもいうのだろうか?だから、人から変にみられるのではないかと常に心のどこかでそういう思いがある。
 こういうのをコンプレックスというのだろうか?
 果たして、このコンプレックスを乗り切ることが私にできるのだろうか?