ネクロノミコン 〜死霊秘宝〜
プロローグ 〜序章〜 清雲編
私は今、ある尊き御方の御前にいる。
これからおこるであろう事態を前に、緊張が走る。
もはや、引き返せぬところまできてしまったようだ。
覚悟を決めるしかない。
清雲 「・・・なりませぬ!!」
? 「では・・・どうあっても渡せぬと申すのだな?」
清雲 「如何なる理由があろうと、あれを世に出すわけにはまいりませぬ!」
? 「・・・だが、本来あれは我の所有物。
ただゆえあってその方に預けているにすぎん。
余は本来の持ち主に返還せよと言っておるのだぞ?」
清雲 「確かに道理ではあります。
しかし、あれは人の手には余るもの。
本来存在してはならぬ物・・・。
始祖様が我が家に封印なされた理由をお考えくだされ!」
? 「・・・フッ、ゆえに・・・だ。
今まで祖は一人として根本的な解決策を講じなかった・・・。
誰も禁に触れずに過ごしてきた・・・。
だが、それでは何も解決しないのだ。
ならば、余が均衡を破るまで」
清雲 「馬鹿な!そのような甘いお考えで・・・」
? 「だまれ!!渡さぬと申すならもはや貴様に用は無い!
そなたを見せしめとし、貴様の息子らに所在を問うまで!」
清雲 「なにをなさるのです!」
? 「いでよ!我が理想に集いしもの達!!」
ズオオオォォォォォ!!!
私の周囲を囲むように四つの影が出現した!
異形の影が立体的になるのにおよそ3秒。
清雲 「これは・・・妖(あやかし)!?」
? 「フフフ・・・」
清雲 「馬鹿な!!貴方は・・・なんという事を!!」
? 「死ぬがいい。臆病者め」
清雲 「妖などと手を結ぶとは・・・愚かな!!」
妖に誑かされたのか!!
四つの異形の影が襲いかかる!
私は意を決し右手に気を込める!
右手から輝きがあふれる!
コオオオォォォォォ!!
清雲 「奥義・金剛神掌!!!」
カッ!!!!!
輝きとともに放たれた掌底が異形の影を吹き飛ばす!
ドゴォー・・・・・。
? 「ほう。さすがにできるな。
だが、『神宿りの剣』なしで果たしてどこまでできるかな?」
清雲 『くっ・・・確かに。剣を持ち込んでさえいれば・・・』
? 「フフフ、最強の退魔師といえど、剣なしでは限界があろう」
清雲 「確かにな・・・。
だが、たとえ剣が無くとも、このような雑魚に遅れはとらん!」
? 「ほう。こやつらを雑魚とな・・・。
おもしろい。ならばこれはどうだ?」
ガクガク・・・・・ビキッ!
男の体が一瞬弾かれたようにビクンと波打つ!
すると背中から服を突き破り無数の触手が伸びた!
バキバキッ・・・・・グバァー!!
清雲 「なんと・・・貴様!そこまで落ちたか外道!!」
? 「フハハハハ、なんとでも言うがいい!
さあ、余を討てるか!?」
グオォォォォー!!!
無数の触手が一斉に襲いかかる!!
清雲 「うおおおお!!!金剛神掌!!!!!」
カッ!!
ドゴォォォ!!
光が炸裂し、数本の触手を粉砕する!!
しかし、砕けた触手を押し退けさらに多くの触手が迫る!!
清雲 「くっ・・・」
ドカドカッ・・・!!
無数の触手が身体を貫いた!
? 「フフフ・・・。
素直に渡しておれば、新たな世界を見れただろうに・・・。
馬鹿な男よ・・・」
清雲 「き・・・キサマ・・は・・・・必ず・・・我が・・・・・・、
・・・・により、・・・・・・滅ぶ・・・か・・・必ず・・・・・・・・」
? 「負け惜しみか。哀れな・・・」
清雲 『あ・・・あとを頼むぞ・・・。必ず・・・必ず・・・・・』
明(メイ)・・・・・。
メイ 「・・・・・む?」
伊吹(イブキ)・・・・・。
伊吹 「・・・ハッ!?」
・・・・・清(セイ)。
セイ 「〜♪」
こけっ・・・。
セイ 「あっ!?」
びったーん!ずざざざざ・・・・・。