哲学日和

 

うららかな小春日和。

校庭端のコートでテニスをしている生徒達。

グラウンドの隅に数人が集まって見学しているいつもの日常。

 

なあ、生きてるってなんだろうな?

生きてるってのは存在してるってことだよ。

宇宙にある全ての物があって、そこに存在してるってことだよ。

まあ頭で知ってるってだけで実際認識できないけどな。想像は自由だし、無限だ。

俺は想像は有限だとおもうけどなあ。

頭で考えるにも限界があるじゃん。

でも思考っていうのは、現実に影響してるぜ。

考えてることが行動に現れるし、物事を直接動かす力になる。

限界あるじゃん。

ちょっとした行動が宇宙の時空の果てまで影響を及ぼしてるって考えないか?

俺たちの些細な行動、言葉、思考がいろんなものに影響を与えてるってこと。

ひとりの人間の存在はその宇宙の存在と同価値なんだぜ。

想像以上に重いってことわかってるか?

ふ〜ん。

宇宙ってのは真っ暗ななにもない空間にお星様がキラキラってもんじゃないんだぜ。

この世の果てまですべて、時間も過去と未来の限りない全てのものだ。

それがこのなにげない一瞬に全て集約されてるんだぜ。

それらがずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと積み重なって今の俺たちがある。

ふ〜ん。

ただの星一個の物理的大きさどころか自分の街すら、ほとんどのひとは把握できていないのが現実なのがもったいないけどな。

死ぬ一瞬だけ、その大きさをちょっと実感できるかもな。

この世界の広さと閉じられた世界の隔たりか。

例えばこうやって、よっと。

カンッ

今空き缶を投げたぜ、これがなにか影響を及ぼすっていうのかよ。

あのまま放置されれば、この先ずっと土に残るかもな、多くの微生物の妨げになり、繁栄を邪魔するかもしれない。

それで、資源が減って人間が困るって?

一人の人間の成長を妨げるかもな。

それがお前の子孫で、成長がうまくいかず、不幸な人生を歩み、子孫を残せずに・・・

考えすぎだって。

子供が見ていて真似するかもしれない。

ソノコはこの先何十年も空き缶を・・・それを見て真似する子供も不幸になる子供も鼠算式に・・・

わかった拾うよ。

現にお前の行動に影響を及ぼしたじゃないか。

それだけだろ。

これからの人生に今日の会話が大きく影響するかもしれない。

んなわけねえじゃん。

空き缶を捨てることの罪に気付いたたけしくんはこれから先の人生も気軽に捨てることはなくなりました。

やめろって。

ぼ、僕は・・・

なんだよ?

僕は感動したよ。

君達そんなこと考えるんだね。

ホラ。

なんともなんないって。

 

 

 

ねえ今日の朝ごはんなんだった?

ウチは納豆。

え〜あたし嫌い。

私は好きだよ。

卵いれるとおいしいよね。

海苔で食べるとおいしいよね。

ねえ、なんで畑でできたものに、鶏の産んだものや、海草があうのかな。

あうんだからあうんじゃない。

大勢のひとが試行錯誤してたどり着いたのよ。

お日様のおかげね。

運命の出会いよ。

しかも腐ってんのにさあ。

全く関係ないものが、複雑に絡み合ってんのが世の中よねえ。

アンタそれうまい事言ったつもり?


私達も全然別々のところで生まれ出会い、また新たな出会いがあり、別れてこの世界とも離れるのねえ。

ねえねえそれよりさあ、8組の豊田って結構かっこいいと思わない?優しいしさあ。

なんであんたはそういうことばっかり考えてんの。

変わってるよねえ。

(そうかなあ、私はなんでこの学校のコはみんなそういう話しないのか不思議でしょうがないけどなあ。)





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