オレンジ


 とある精神病院にひとりの青年が駆け込んできた。
「先生、僕の友達がオレンジになってしまった。元に戻して欲しいと泣いています。助けてください」
 と言った。
 そんな馬鹿なと思いながら、医者は言った。
「それでその友達は?」
「ここです」
 青年はポケットからオレンジを取り出した。
 医者は、おかしいのは誰かが理解できたので、
「それで、君は昨日はなにをしていたんだい?」
 と、青年に尋ねた。
 青年は、医者が自分の話を信用していないことを理解したので、医者の助手を呼ぶと、怪しげな呪文を唱えてオレンジに変えてしまった。
 医者は、驚いて言った。
「オレンジだ」
「信じていただけましたか?」
 医者は何度もうなづいた。
 二人は高名な、科学者の元を訪ね、
「先生、僕の助手がオレンジになってしまった。元に戻して欲しいと泣いています。助けてください」
 科学者は、落ち着いて話を聞き、おかしいのは誰かが理解できたので……