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治療例 −褥瘡−


褥瘡は治療しても意味がないという方がいますが,大きな間違いです。誰でも,自分自身の体に傷があって楽しいはずがありません。傷があれば,当然皮膚の機能障害を起こします。褥瘡は治らないというのは勘違いです。常に圧迫とズレに注意し,適切に「傷のケア」をしていけば,治る可能性は十分あります。

背部の褥瘡

(1)背部(この方は背骨のところ)と右殿部の褥瘡。背部の褥瘡は,骨付近に達し周囲に皮下ポケット(皮膚の下に広がった傷)がある。
写真左が頭側,右が殿部側。
(2)写真は背部褥瘡の経過を示す。皮下ポケットを切開。その後,壊死組織除去,洗浄(水道水),創傷被覆材の利用で治癒。
高機能型エアマットレスを使用。栄養士による栄養管理も行った方。



背中がまるく曲がった方では,背骨の一番突出したところに褥瘡ができやすい。また,できた褥瘡は治りにくいことが多い。写真は,左が殿部側,右が頭側。
この部位の皮膚は,よくズレる。ズレた位置で皮膚が圧迫を受け傷ができると,ズレが戻ったときに写真のように骨突出部と傷の位置が違う状態になる。
とにかく,圧迫とズレに注意。
この方も背中が強く曲がった方で,一番背骨が突出したところに褥瘡ができていた。創傷被覆材が利用されているが,一方に大きく縒れており傷が露出気味!
このように,骨突出部は外力を受けやすい。
そして,創傷被覆材の貼りっぱなしは良くありません。観察を。写真のような状態になっていれば,はりかえを!また,このような状態にならない看護や介護を!











治療のポイント
(1)壊死組織除去

(2)洗浄

(3)外用剤や創傷被覆材の利用

(4)体圧分散用具(高機能型エアマットレスなど)

(5)体形を考え,圧迫とズレを排除

(6)ご家族の理解