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治療例 −創傷被覆材−


褥瘡は治療しても意味がないという方がいますが,大きな間違いです。誰でも,自分自身の体に傷があって楽しいはずがありません。傷があれば,当然皮膚の機能障害を起こします。褥瘡は治らないというのは勘違いです。常に圧迫とズレに注意し,適切に「傷のケア」をしていけば,治る可能性は十分あります。

創傷被覆材について

(1)創傷被覆材の破損(右大転子部褥瘡)。
(2)矢印方向へのズレによる破損であった。患部にズレが起こっている証拠であり,注意!
貼りっぱなしは,よくありません。観察を。
この例でも創傷被覆材にズレが認められる(仙骨部褥瘡)。また,創傷被覆材のゲル(茶色に見えるもの)が漏れ始めているところがある。
創傷被覆材だから貼りっ放しで良いと考えている医療関係者がいるが,患者様の状態や創の状態によっては,毎日あるいは数日以内に一度は患部を観察すべきである。たとえ,貼りかえの予定がなくても。観察と確認!
また,ゲルが漏れる前に交換を。

(1)これも創傷被覆材を貼りっ放しの例(大腿前面の傷)。滲出液が周辺に溢れ出している。
約4ヵ月大腿部の傷が治らないとのことで,紹介された。
(2)創傷被覆材を取ってみると,創面はふやけて易出血性。
貼りっ放しではなく,観察を!!
(3)入浴を許可し創を洗ってもらった。数日間外用剤を使用し,その後創傷被覆材を使用。
治療開始後,7日目。

   
(4)2週間で上皮化。非固着性の創傷被覆材を利用。 貼りっ放しではなく,観察を!!(下腿褥瘡例)
周りの皮膚がふやけ過ぎて,傷になっています。どんなに良い創傷被覆材でも,逆効果になります。このような状態になる前に,交換!
貼りっ放しではなく,観察を!!
(踵褥瘡例)
これも,創傷被覆材のゲルが漏れ過ぎです。必要に応じて,交換を!










治療のポイント
(1)創傷被覆材の貼りっぱなしは良くありません

(2)創傷被覆材やガーゼの移動や破損で,圧迫やズレを確認できることがあります(このようなことがないように注意!!)

(3)観察と確認