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治療例 −外傷−


外傷では,まず止血を考えます。ひどい出血でなければ,感染予防を考えます。そのためには,日常の傷では傷をよく洗ってください。そして,正しい治療により,傷を速やかに治すことができます。

下肢の外傷

(1)右下腿外側の動物による咬創。近医にて処置を受けた後,紹介受診。数日経過を見て,感染の発生が無いことを確認後,創傷被覆材の治療を開始した。 (2)以後,消毒はせず,洗浄(入浴)と創傷被覆材のはりかえのみ。非固着性の創傷被覆材の利用は,疼痛がほとんどないため患者様に喜ばれる。写真は,治療開始後6日目。

(3)順調に治癒していたが,最初の怪我から約1ヵ月後に,再度同じ動物(飼犬)に右下腿後面(ふくらはぎ)を咬まれた。患者様は,受傷の翌日に直接当科を受診した。ご本人の希望にて,基本的に同じ保存的治療を行うことにした。 (4)2回目の傷は出血が続いていたため,まず止血効果が期待でき汚染した傷にも使用可能な創傷被覆材を使用。数日後,出血が落ち着き感染の無いことを確認して,最初の傷で使用していた非固着性創傷被覆材の貼付に戻した





(5)2回目の傷も,徐々に改善。
周囲の皮膚のケアにも注意を。周囲がきれいだと,傷も治りやすいと思いませんか。
(6)治癒。










治療のポイント
(1)洗浄(細菌や異物を洗い流す)

(2)適切な外用剤の使用や創傷被覆材の利用による湿潤環境下での創傷ケア