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治療例 −躯幹部の創傷−


なかなか傷が治らないということで,ご相談を受けます。ほとんどの場合は,壊死組織が付着したままになっていたり,創の状態に合った外用剤や創傷被覆材が使用されていないためです。壊死組織はできるだけ取り除き,創をよく観察して外用剤や創傷被覆材を選択しましょう。創の状態によっては,入浴もできます。

躯幹部術後の傷

(1)左乳腺腫瘍切除後の傷が,1ヵ月以上治っていない。消毒を受けており,入浴はしていない。壊死組織や痂皮が付着したままであった。
壊死組織を除去し,感染はしていないので消毒を中止した。また,創を洗うために入浴を許可した。入浴が可能となったため,非常に喜ばれた。
(2)洗浄(入浴)と創傷被覆材のはりかえ。
創傷被覆材は,非固着性のものを利用すると,疼痛がなく,交換も容易。
創傷被覆材に付着しているのは,膿ではありません!!(勘違いされる方が多い!)

(3)23日目。 (4)治癒。

(1)皮下脂肪層におよぶ傷ができて約一週間。
傷にくっ付くものを使用すると,それを交換するときに,非常に痛く出血します。
(2)洗浄(入浴)と創傷被覆材の処置を開始してから,7日目。
非固着性の創傷被覆材を利用。
(3)創は順調に治癒した。写真は,治癒後の経過を確認するために,初診後8ヵ月半で再診していただいたときの状態。瘢痕に特に問題は起こっていない。










治療のポイント
(1)洗浄(細菌や異物を洗い流す)

(2)適切な外用剤の使用や創傷被覆材の利用による湿潤環境下での創傷ケア