品種

ミカン（カンキツ）属には温州ミカン、スイートオレンジ、ブンタン、ユズ、レモンなどの果樹が含まれます。シトラスとは属名 Citrus の英語読みで、我が家のE-mailアドレスにもこのシトラスを採用しています（citrus-ryu@hi.enjoy.ne.jp） 。Citrusはギリシャ語のkitron（箱）に由来するレモンの樹の古名。

温州ミカン	江戸時代初期に肥後（現在の鹿児島）長島で偶発したと推定されている。明治時代以降全国的に温州ミカンと呼ばれるようになった。　早生温州は1895年頃に大分県で発見されたもので、成熟期が温州ミカンより１ヶ月以上早く、わい性で葉が小さい。
英名（Satsuma　　　　　　　mandarin）	果実の熟期をもとに、一般的に極（ごく）早生温州、早生温州、普通温州の早熟系すなわち中生温州、普通温州（中・晩熟系）の４～５種類に分類している。
学名（Citrus　　　　　　unshiu　MARC）	普通温州では、12月上旬～１月上・下旬に出荷される中熟系と、12月中～下旬に収穫し貯蔵して高品質になる晩熟系に区別している。

我が家で**栽培している主な早生温州の特徴**
品種	来歴	品種の特性	その他
興津早生	農林省果樹試験場興津支場において、昭和１５年に宮川早生にカラタチの花粉を交配して得られた種子からの珠心胚実生である。	果形は宮川早生よりも扁平。着色は宮川早生よりも５～７日早い。味が淡泊になりにくい。	樹勢は、宮川早生よりも旺盛で樹の発育が良い。興津２号として、全国で試験し、昭和３８年に農林１号として品種登録された
三保早生	農林省果樹試験場興津支場において、興津早生と同様に育成された、宮川早生の珠心胚実生である。	果形は興津早生よりやや腰が高い。酸が早く抜けることで、早く食べられる。	樹勢は、興津早生よりも旺盛。昭和３８年、農林２号として品種登録され、三保早生と命名された。
宮川早生	福岡県柳川市　宮川謙吉氏が在来温州の枝変わりとして大正初期に発見。	果形は扁球形。果梗部が突出しやすい。糖・クエン酸とも高く、風味が濃厚。完全着色期は１０月下旬～１１月上旬。	早生温州の代表的な系統。田中長三郎博士が、大正１４年に宮川早生と命名し、発表された

我が家で栽培している主な早生温州の特徴

品種

来歴　

品種の特性　

その他

興津早生

農林省果樹試験場興津支場において、昭和１５年に宮川早生にカラタチの花粉を交配して得られた種子からの珠心胚実生である。

果形は宮川早生よりも扁平。着色は宮川早生よりも５～７日早い。味が淡泊になりにくい。

樹勢は、宮川早生よりも旺盛で樹の発育が良い。興津２号として、全国で試験し、昭和３８年に農林１号として品種登録された

三保早生

農林省果樹試験場興津支場において、興津早生と同様に育成された、宮川早生の珠心胚実生である。

果形は興津早生よりやや腰が高い。酸が早く抜けることで、早く食べられる。

樹勢は、興津早生よりも旺盛。昭和３８年、農林２号として品種登録され、三保早生と命名された。

宮川早生

福岡県柳川市　宮川謙吉氏が在来温州の枝変わりとして大正初期に発見。

果形は扁球形。果梗部が突出しやすい。糖・クエン酸とも高く、風味が濃厚。完全着色期は１０月下旬～１１月上旬。

早生温州の代表的な系統。田中長三郎博士が、大正１４年に宮川早生と命名し、発表された

我が家で**栽培している主な普通温州の特徴**
品種	来歴	品種の特性	その他
石地温州	広島県安芸郡倉橋町で杉山温州の苗木の中から発見された変異樹であり，平成12年11月7日に品種登録された。	果形が扁球，果実の重さが中，果皮色が濃橙の育成地では１１月中下旬に成熟する。糖度が気象に左右されず安定していること、糖の組成で果糖の割合が高いために糖度計の数値以上に食味が良い。	.樹姿はやや直立，樹勢は強い。果面の粗滑はやや滑，発芽期及び開花期は早，隔年結果性はやや高，浮き皮の発生が極めて少ない。貯蔵性は中である。「杉山温州」と比較して，葉が小さいこと，果心が小さい。
杉山温州	静岡県静岡市南　杉山甚作氏の園で、尾張温州の１樹変異として野呂癸巳次郎氏によって発見。	果形は扁球形。１２０ｇ内外の大玉で玉ぞろいが良い。果面は平滑で色沢も濃く、形状は整っている。普通温州としては早く、１１月下旬から収穫できる。	昭和７年に県母樹１号（２号）と命名、昭和１５年杉山温州と改められた。
石川温州	静岡県庵原郡由比町　石川廣一氏が育成。尾張温州の枝変わり。	果実は１４０ｇ内外の大果で、腰高、果皮はやや厚い。じょうのう膜が薄く、肉質は柔軟・多汁である糖・クエン酸ともに高く、風味濃厚で、３月頃の食味は非常に優れている。成熟期は１２月上旬～中旬	樹勢は旺盛。結果期に達するのが遅く、特に肥沃地では生長作用にとられ、結実不良や、果実の形状などが問題になった。
林温州	尾張温州の樹体変異。	果形はやや扁平で果実は中果。成熟期は１２月上旬。風味が良好で、長期の貯蔵用として適している。	石川温州とともに、いち早く静岡県の奨励品種に指定された。
青島温州	静岡県福田ヶ谷　青島平十氏が尾張系温州の枝変わりとして発見し、昭和１６年に高接ぎした。	果実は１３０ｇ以上とかなり大果で、果形は扁平である。成熟期は１２月中下旬。糖度は在来系の普通温州などと比べると１度以上高く、食味は極めて良好である。	晩熟系、高糖系品種の代表

我が家で栽培している主な普通温州の特徴

品種

来歴

品種の特性

その他

石地温州

広島県安芸郡倉橋町で杉山温州の苗木の中から発見された変異樹であり，平成12年11月7日に品種登録された。　

果形が扁球，果実の重さが中，果皮色が濃橙の育成地では１１月中下旬に成熟する。糖度が気象に左右されず安定していること、糖の組成で果糖の割合が高いために糖度計の数値以上に食味が良い。

.樹姿はやや直立，樹勢は強い。果面の粗滑はやや滑，発芽期及び開花期は早，隔年結果性はやや高，浮き皮の発生が極めて少ない。貯蔵性は中である。「杉山温州」と比較して，葉が小さいこと，果心が小さい。

杉山温州

静岡県静岡市南　杉山甚作氏の園で、尾張温州の１樹変異として野呂癸巳次郎氏によって発見。

果形は扁球形。１２０ｇ内外の大玉で玉ぞろいが良い。果面は平滑で色沢も濃く、形状は整っている。普通温州としては早く、１１月下旬から収穫できる。

昭和７年に県母樹１号（２号）と命名、昭和１５年杉山温州と改められた。

石川温州

静岡県庵原郡由比町　石川廣一氏が育成。尾張温州の枝変わり。

果実は１４０ｇ内外の大果で、腰高、果皮はやや厚い。じょうのう膜が薄く、肉質は柔軟・多汁である糖・クエン酸ともに高く、風味濃厚で、３月頃の食味は非常に優れている。成熟期は１２月上旬～中旬

樹勢は旺盛。結果期に達するのが遅く、特に肥沃地では生長作用にとられ、結実不良や、果実の形状などが問題になった。

林温州

尾張温州の樹体変異。

果形はやや扁平で果実は中果。成熟期は１２月上旬。風味が良好で、長期の貯蔵用として適している。

石川温州とともに、いち早く静岡県の奨励品種に指定された。

青島温州

静岡県福田ヶ谷　青島平十氏が尾張系温州の枝変わりとして発見し、昭和１６年に高接ぎした。

果実は１３０ｇ以上とかなり大果で、果形は扁平である。成熟期は１２月中下旬。糖度は在来系の普通温州などと比べると１度以上高く、食味は極めて良好である。

晩熟系、高糖系品種の代表

参考図書			「話題の柑橘」　１００品種　（「果樹園芸」誌50周年記念出版）　愛媛青果農業協同組合連合会　　1997.8.19発行
			週刊朝日百科　植物の世界　第３１号　通巻987号　1994.11.13発行
			「柑橘」増刊　第４４巻　第２号　静岡県柑橘農業協同組合連合会　平成４年１．１発行
			果樹全書　カンキツ　農山漁村文化協会編　昭和61年6.30第３刷発行
			続・果物の商品学　北川博敏　日本果物商業協同組合連合会　平成11年10.27発行
			農林水産省　品種登録ホームページ　http://www.hinsyu.maff.go.jp/