東京学芸大学教育学部高良麻子氏の「ソーシャルワーク記録のし方」の講義を受ける機会があった。
記録は支援をする上で必要にも関わらず教育されてこなかった、
量、質ともに研究が遅れているとのこと。
記録により、支援の質が変わる!!
私たちは手話通訳後に「実施報告書」を書く。
私の住む地域の手話通訳者派遣事業の報告書は、「市長」宛である。
それがそれが、
「コーディネーターとの交換日記じゃないんだから(T_T)」ってな報告書やいったい何が言いたいのかわからない報告書、ほとんど何の記入もない報告書、
じゃ、何をどう書けばいいんですかっと聞かれたとき明確な返事ができない。
■報告書を書く目的は何か?
受けた講義では「記録を書く目的」として9つの項目が提示された。
通訳の報告書に置き換えて、応用できそうなものをいくつか紹介する。
○どのような通訳をしたか、なぜそのような手話に通訳したか、なぜそのような日本語に通訳したか、根拠を明確にして書く。
○専門職間のコミュニケーションを促進する。
ケースが複雑になればなるほど、ひとりの通訳者だけではなくチーム力が大切になる。
○同僚間の再検討などの促進
自分の通訳を他者の目で見てもらう。ひとりよがりになってはダメ。
■記録の文体
○叙述体
客観的事実のみ記述。専門的見解が含まれない。ソーシャルワーカー(手話通訳者)ではなくても文章を書ける人ならだれでも書けるもの。
つまり 手話通訳者としての専門的見解は必要ないのか・・・それなら書けるかも・・
しかーし 書いてみたら、それを誰にも通じる文章で、しかも客観的に書くことはできそうでできない。
自らの文章力のなさにあらためて気づき愕然・・・
○説明体
客観的事実とソーシャルワーカー(手話通訳者)の見解や解釈を記述する。
ここで 専門職の専門性を発揮する。
実施した通訳を専門的に分析して、専門的に解釈し、それを誰にでもわかる文章で記述する・・・そもそも発揮すべき専門性をどれほど持っているのか。それこそ客観的に自己覚知しなくてはならない。
ハードル高しっ・・・
しかし、他の福祉専門職のみんなはやっている、できている。 ハードル高し、などと言って自分を甘やかしてはいけないのだ。
■質の高い記録を書くために
これは12項目あった。明日から実行できそうなことをいくつか
○主語述語を明確に
こんなのできているよーと言っているそこのあなたっ
「書いている自分がわかっていることはつい省略してしまう」ことはままあります。読み返しましょう。
○情報源を記載する
どういう立場なのか、誰のことばなのか、誰の意見なのか
○必要な情報のみを記載する
個人情報であることを常に念頭に置くこと。何を書かなければならないか、何を書く必要はないのかを見極める。
○俗語や省略語を使用しない。
○ボールペンを使用し、修正液を使用しない。
報告書の書き方・・・もっと勉強したいです!!
「2009年度社会福祉士共通基盤研修」(2010年2月21日・広島健康福祉センター)の参加報告です。主催は広島県社会福祉士会。