11月3日(月)三連休の最終日、大阪で開催された政見放送における手話通訳についての研修会に参加しました。広島県からは11名が参加。とても有意義な一日でした。
内容が盛りだくさんで全てをご報告できませんが、研修の中で特に印象深かった事を報告させていただきます。
@ 政見放送手話通訳の現状と課題 日本手話通訳士協会 山田京子さん
最近の動向 → 第21回参議院選報告
(1)11政党の収録全てに手話通訳が付いたとのこと。
(2)サブ通訳者への報酬も認められたとのこと。
A 参政権保障運動の歴史の中で
1986年『無言の政見放送』
参議院の東京選挙区に雑民党から立候補したろうあ者の渡辺完一さん(45歳)4分15秒の政見放送です。
私は、今回ラジオ放送を初めて聴きましたが、参加者の中には当時のラジオ放送を生で聞いたことのある方も何名かいらっしゃいました。
無言といっても無声ではなく、とぎれとぎれ聞こえてくる声の向こう側には、懸命に手話で語っている渡辺さんの姿がみえてくるようなそんな放送でした。
この放送がきっかけとなり、自治省(現総務省)に政見放送研究会が発足される事となったそうです。
B 新しい手話表現
政見放送では「政党間の公平」のために単語レベルでは手話を統一するとのこと。
今回52単語を学びましたが、今現在いくつ頭に残っている事かさだかではありません。懸命に記録したはずの文字や記号も、今となっては???でも、これらは「全国手話研修センター」のホームページの中で動画がありますので、ぼちぼち覚えていこうと思います。
C 手話通訳実践技術
(1)収録時間は17分・速さについていく。
(2)フレームに収まる手話表現をする。
(3)「単独」「対談」「複数」の形式の違いによる表現のポイント。
「単独」・・・党首らしさをだす。
「対談」・・・今どちらが話しているのか、わかるようにする。
「複数」・・・とにかく速さが求められる。
今回、実際にテープを聞きながら練習をしたのですが、「対談」方式で質問者は、党首に向かい聞くのでやや(ほんの気持ち)斜めに聞くが、答える党首は質問者にではなく、視聴者に答えるのだから正面に答える。これがなかなか実践できず、スピードにもついていけず、最後に指名され前に出て表現した11人の中にいた私は、自信なげにうつむいて表現してしまったのでした。大反省!!
[終わりに]
担当者より「政見放送」の研修にしては珍しく笑いあふれる研修だったとのお言葉がありました。皆で行けば怖くない?精神で参加した研修が和やかムードでラッキーでした。ただ、手話通訳の現状は厳しく、課題解決へ向けた更なる取り組みが必要だと実感しました。
広島でも、皆で取り組んでいきましょう。
重本 多恵子