☆猫被りマリュさんとお気楽バカ兄貴話
ファーストコンタクト編
始めての出会いはマリュさん16歳のとき。
工科大をスキップして卒業してたりして、この頃から既に天才メカニック少女として有名だったマ
リュさん。父親が軍に協力する企業の技術屋さんで、そのお手伝いとかも時々してたり。
その関係で、ある日、とある軍事施設へ趣く事になった時、迎えの小型機にたまたま一緒に乗り合
わせることになったのが、これからパイロット養成コースへ進むことになった18歳のフラ兄。
まるっきり面識のなかった2人は、席も離れて座ってたし、特に話したりすることもなかったんだ
けど、道中で操縦桿を握ってたパイロットが心臓発作を起こすというとんでもないアクシデントに巻
き込まれてしまうのだ。
墜落の危機にパニくるマリュさんに「落ち着けよ」とフラ兄。
「取りあえず今は自動操縦だから良いとして、問題は着陸だよなぁ」
あんた操縦の経験は?と聞かれてブンブンと首を横に振るマリュさん。
「あなたは? パイロット候補生なんでしょ?」
だったら…と期待をこめた問いかけに、相手からあっさりと帰ってきた応えは「ない」(苦笑)
これから習いにいくとこなんだってば、と呑気な兄貴に、ますます青ざめるマリュさん。
ま、こーしていても埒があかないからと、兄貴が操縦席に、マリュさんが副操縦席について、目的
地の基地と連絡を取り合って、着陸を試みる事に。
ちなみに操縦の経験はないけど、構造や計器には詳しいマリュさんが、管制塔の指示を受ける兄貴
をフォローして、ヨタヨタと基地まで到着。
さぁ、これから問題のタッチダウンだ、というところで、またまたアクシデント発生。
なんと車輪がでないっ!
胴体着陸、しかもパイロットはど素人!!
これには一所懸命平静を保っていたマリュさんもパニック再発。
「きゃぁーーーーっ! 嘘ぉっ!! もうダメっ。絶対に死んじゃうっ!!」
「こら、ちょっと落ち着けって」
「どうしてこれが落ち着いていられるのよぉっ」
「るさい。そんな騒ぐなよ。手元が狂っちまうだろ」
「嫌ぁっ、ダメダメっ、落ちるっ、死んじゃうっ!」
「だぁっ、もうっ!」
あまりにギャーギャーうるさいので業を煮やした兄貴、器用に片手で操縦桿を固定(ほんとにこん
なことが可能なのかは不明。ま、車で言うパワステみたいなもんが付いてると思ってー 笑)するや、
マリュさんを引き寄せ、いきなりキス!
呆然としたマリュさんが静かになったところで、
「さぁ、行くぞ。しっかりつかまってろよ」
と胴体着陸を敢行。なんとか着陸を成功させるのでありました。
九死に一生を得たマリュさん。物凄くホッとしたのもつかの間、すぐに兄貴にキスされたことを思
い出し、
「もぉっ、何てことしてくれたのよぉっ! ファーストキスだったのにぃっ!!」
背の高い兄貴の胸をボカスカ殴るけど、対する兄貴の方は全然まったく堪えてなくて
「へぇ、初めてだったの? こりゃ得したな」
ってなもんだ。
「まぁ、そんなに怒るなよ。もしかしたら、あんたのキスのおかげで助かったのかも知れないし」
へ?となるマリュさんに兄貴は悪戯っぽく笑って、
「ほら、初めてってさ、何か特別な力があるって言うじゃん」
ビギナーズラック(フラ兄… それって、全然違いますってば 苦笑)とかって。
「そのおかげで幸運を呼び寄せたのかも知れないだろ?」
ははは…と笑うや、悪びれもせず「ご馳走さん」と言い残して去っていく兄貴・18歳に、
「最〜低っ! もぉっ、信じらんないっ!」
握り拳を震わせるマリュさん・16歳。
でも、ちょっと格好良かったよね。飛行機の操縦なんて初めてだったのに、ちゃんと着陸させられ
たし、ハンサムだったし、背高いし、ボカスカ殴った胸板も厚くてがっしりしてて頼り甲斐ありそう
だったし…
なんだかんだ言いつつ、しっかりチェック入れてます。さすがはマリュさん(苦笑)
「でも、だけど、だけど、だけどっっ!」
大事なファーストキスを奪われたことだけは許さないわっ!
ちょっとステキと思いつつも、怒りは禁じえない。揺れる乙女心(笑)
こうして、お互い名乗る事もせず別れたふたりは3年後に再会して、更に7年後にヘリオポリスで
三たび再会するんだよねー。そしてSEED本編へと突入するわけだ。
っつーわけで、3年後の再会の話も考えてあるけど、それはまたの機会にということで、取りあえ
ずおしまい。
調子よく更に続きへと読みすすむ ⇒ ■(次はアラスカ編前編だ)
ちょっとひと休みってことでINDEXへ戻る ⇒ ■
今日はもうお終いってことで種TOPへ戻る ⇒ ■