大山寺阿弥陀堂の阿弥陀如来坐像


老杉が聳える参道は靄に包まれた静寂の世界である。暫く進むと石段が現れる、上がるとそこには、大山寺の中で現存する最古の建築物とされている阿弥陀堂(西伯郡大山町大山)(国重要文化財)がある。

この阿弥陀堂は藤原時代に常行堂として建立されたものであるが、室町後期の洪水で流失、その後、天文21年(1552)に古材を使って再建されたものとされてます。堂内には阿弥陀三尊像が安置されています。





阿弥陀三尊像

尊の阿弥陀如来坐像は、藤原時代の作で像高266pの寄木造、漆伯の坐像である。
偏袒右肩
衲衣を着け、上品上生に印を結び、八角裳掛座の台座に結跏趺坐している。

 像の大きさに比べ阿弥陀堂の低い天井は、光背の頂上が当たらないように一部かさ上げされているが、狭い内陣で両脇侍の光背と中尊の光背が重なり合うように挟まれ窮屈そうにされています。
 小粒な
螺髪
(らほつ)に丸顔で優しい表情、なだらかな肩の線、そして肌に薄くまとわりつくような衲衣は、まさしくこの時代に流行した定朝様式である。また、向って右の脇侍(左脇侍)である聖観音立像、ならびに向って左の脇侍(右脇侍)の勢至菩薩はいずれも丸顔で、目と口の表情は中尊の阿弥陀如来坐像と同じで、条帛、裙の浅く刻まれた衣文は藤原彫刻の様相を表している。尚、この三尊像は円派系の京仏師と思われる仏師良円によって天承元年(1131)に造像されたとのことである。

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