ルイ「10、9、8、7、6、5、・・・」

船内スピーカー「4、3、2、1。」

カ「イグニッション。」

オリオン号は轟音を上げて、宇宙へ向けて飛び立った。

 

ア「みんな元気でねー。」

手を振るアダム。

シオ「行っちゃったね。」

フィ「うう・・・ルナさぁあん。」

涙を流すフィオ。

父「色々とお世話になったな。」

ア「僕泣かなかったよ。エライでしょ。」

父「ああ。」

笑顔を見せるアダム。

目尻から、我慢していた涙が一粒こぼれる。

「う、う、う、 うわああ〜〜ん。」

母親の胸に抱きつくアダム。

母「強くなったわね。」

父「本当にいい経験をさせてもらったな。」

空の上の8人に感謝するフェアリーレイクのみんな。

星「元気でのう。」

ハンカチを振る星おばあさん。

 

空の上で大地の上にキラキラと光る大きな人影が手を振っているのが、一瞬だけカオルの目に入った。

カ「・・・お前も元気でな。」

さよならの言葉を送るカオル。

 

大気圏を突破したオリオン号は、惑星の周回軌道にのった。

ルイ「これでもう安心だ。」

カ「ああ。」

ルイ「後は僕ひとりでも大丈夫だよ。」

カ「みんなの様子を確認してくる。」

カオルはベルトを外し、席を立った。

 

ウィーン

異様な臭いと尋常でない光景にあぜんとするカオル。

カ「どうしたんだ?一体。」

ルナ「あ、カオル。」

シ「ハワードがもどしちゃって・・・」

肉や野菜の溶けたものが、室内に散乱して、ただよっている。

シャ「掃除しなきゃ。」

チ「全く記念すべき門出になんちゅうことをしてくれるんや。」

 

全員で苦労して回収し、あらかたきれいになり・・・

シャ「あ、見てみて。」

シ「うわあ。」

宇宙船のガラス越しに見えたのは、自分達が今までいた星だった。

ル「青い・・・」

シャ「きれいねえ。私達今まであんな大きな所にいたのね。」

ベ「まだ行ったこともない所や、見たこともない所、

そして、会ったこともない人もたくさんいるんだろうね。」

メ「そうだな。」

シ「宇宙には果てしなくきれいなものとちょっときたないものが存在するんだね。」

ハ「それは僕へのあてつけか、シンゴ。」

ルナ「なんだか・・・」

チ「なんや?ルナ。」

ルナ「私達、あの星で懸命に生きてた気がするけど・・・」

青い美しい星に語りかける。

ル「あの大きな星のとても大きな力と一緒に生きていたんだってことを、今わかったような気がするの。」

カ「ああ。」

チ「そうやなあ。」

ルナ「・・・ありがとう。」

星を見つめるみんな。

 

ルナ「よーし。」

全身をふるわせるルナ。

ルナ「後はコロニーへ向かって前に進むだけよ。」

メ「長いようで短かったな。」

シャ「色んなことがあったわねえ。」

ハ「苦労もいっぱいしたよなあ。」

カ「色んな出会いがあった。」

シ「色んな人に助けてもらったね。」

ベ「とても充実した毎日だった。」

チ「そやな。」

船内スピーカーからルイの声がする

「惑星の重力圏を脱出する為にスピードを上げるよ。」

チ「ルナ。」

ルナ「ええ。」

コロニーへ向けて堂々と指を指し示す。

ルナ「オリオン号。発進。」

オリオン号は更なる冒険に向かって宇宙に尾をひいた。

少しだけ成長した 少年達を乗せて・・・

 











おわり








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