アダムを止めようとして、つんのめるハワード。

アダムは支えようと手を差し出すが、支えられるはずもなく・・・

どッしーん

ハ「アイッテテテ、大丈夫か?アダム。」

ア「うん、ハワードは。」

ハ「僕は・・・うん?いたぞアダム、これが天然もののブリキ虫だ。」

ア「あっちにもいるよ。」

ハ「よーし。全部捕まえるんだ。」

ア「わーい。」

一匹捕まえると、また一匹、と休みなく見つかる。

ハ「?うん?それにしてもなんでいきなりこんなたくさん・・・」

ふと見上げるとはしゃぐアダムの周りをわんわんとブリキ虫が飛んでいる。

ハ「うわっ。」

ハ「こ、こ、これはまさか・・・・」

ハワードの袋を見ると穴が開いていて、そこから次々とブリキ虫が。

「まずい。」

カタカタと震えながら、大慌てで穴を押さえると今度は袋の口が開いて、中のブリキ虫がいっせいに・・・・

 

メ「なんだか騒がしいな?」

フロントのほうが騒いでいるのにメノリが気付いた。

ル「アダムとハワードが騒いでいるんじゃないかしら。」

シャ「仲良くやってるのね。

チ「精神年齢が一緒やからな。」

「・・・あはははは。」

 

騒ぎに気付いた、ベルとカオルとシンゴはハワード達の様子を見に来てその有様に驚いた。

カ「「これは・・・」

シ「ハワードのブリキ虫が逃げ出したんだ。」

当のハワードは一生懸命にブリキ虫の捕獲の真っ最中だが、焼け石に水のようだ。

アダムはさすがに怖がっておびえている。

ベ「ハワード。」

ハ「!ベ、ベル・・・助けてくれえ、サヴァイヴの・・・ぶ、ブリキ虫が・・・。」

ベ「うん。しっかりするんだハワード、俺たちでなんとかするんだ。

 シンゴは星ばあさんとルナ達にも知らせてくれ、

 俺たちは、お客を避難させるんだ。 

ハ「え、おい、でも・・・この虫達は・・・」

ベ「このままじゃ収拾がつかない。まずは避難が先だ。アダム!大丈夫か?」

アダムの元に駆け寄り肩を抱く。

ア「僕・・・僕・・・」

ベ「ココから離れて安全なところに行ってるんだ。」

ア「うん。」

ベ「よし、後はお客を・・・」

壁の隅に本当に小さくなっている一組の宇宙人に声をかける。

ベ「大丈夫ですか?」

客「こりゃあなんだい?なにかの余興かい?」

ベ「すみません。トラブルで・・・とにかく今は安全な場所へ。」

客「わしゃあ、平気だが、妻が脅えてちっちゃくなっちまってなあ。」

見ると、元々小柄な宇宙人が手足を折りたたんで丸く小さくなっている。

客「こうなると、わしでは動かせん。」

ベ「失礼します。」

お客を両腕で抱え上げる。

・・・見た目とは裏腹に・・・重い。

ベ「大丈夫です、危険はありませんから・・・今・・・安全な場所へ・・・。」

客「おまえさん、力持ちじゃのう。」




   


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