詩のある花々・・夏
朝顔


  夕べの夢に
  見覚えのある面影が浮かびました

  目覚めると夢は消え
  その人の名も薄れていきました

  夢の続きのように
  夢の人を懐かしむように

  あざやかな光が生まれ出た
  今朝の朝顔です
プチうんちく:青色の西洋朝顔は〈ヘブンリー・ブルー〉と呼ばれ曾野綾子の小説『天上の青』にも描かれる。古代中国では牛と交換されるほど高価な薬草。牽牛子(けんごし)の漢名がつく。花言葉は、はかない恋。
ひまわり



  
陽に向かって咲く花よりも
  うつむいた花がいいな

  
いつも明るさを追うことに
  疲れることだってあるさ

  時にはうなだれて
  光に背を向けてみるのもいいよ

  自分の影ぼうしを見つめていると
  静かな時間が流れていくね
 
プチうんちく:ロシアの国花。往年の大女優ソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」では、戦争の悲劇を象徴するようなひまわりの大平原が眼にしみる。花言葉は、あこがれ。
高砂百合



  花は器です
  はかない命をしまう
  この世で一番美しい器です

  
  人は器です
  さびしさが満ちていく
  この世で一番壊れやすい器です

  家族は器です
  傷ついた心をよみがえらせる
  この世で一番大切な器です
プチうんちく:別名、細葉鉄砲百合。蕾の形が短筒(ピストル)に似ているので。陽当たりの良い荒れ地に自生する。高砂とは、台湾の意。花言葉は、純潔。