日時:2010.1.17.(日)
講師:
一般財団法人日本手話通訳士協会監事 平井正子氏(横浜ラポール勤務)
場所:岡山きらめきプラザ

神奈川県における司法通訳の依頼の流れ
平成20年4月に 神奈川県警察通訳センターが設立された。(24h体制)

警察から県通訳センターに依頼が入る。
       ↓
通訳センターから横浜ラポールはじめ情報提供施設に派遣依頼
       ↓
情提施設は コーディネートし通訳者を決定する。
報酬は県警察センターから直接通訳者に支払われる。

派遣依頼の仕方等については 県通訳センターと情提施設等で協議する。

平成20年10月から 被疑者の段階から国選弁護人が付くようになった。
この場合は、法テラスから通訳依頼が入る。

聞き取り通訳

司法場面においては 通訳者の判断で安易に意訳してはいけない
その一方で講義の中で 「対象の聴覚障害者の状況(コミ能力)を把握し、それにあわせた互換が必要である」と言われた。 
コミュニティ通訳においてはまさにその通りで、意味をつかんで意訳ということになる。
しかし「安易に意訳してはいけない」司法通訳では、意訳するものと意訳しない方がいいものの判断はどうすればいいのだろうか。
模擬通訳等で研修していかなければならないと思った。
例えば日本人が外国で捕まり取調べで
「つい魔が差しました。」
と言ったとする。
日本語の文化(言い回し、慣用句、ことわざ)を知らない現地通訳者が
「魔物が刺した」「悪魔が刺した」
と訳したらどうなるか?

日本人としてはどのように訳されたかわからないので、通訳者を信じるしかないが、「魔がさす つまり日本語では‘ふと、邪念が起こる。出来心を起こす‘・・・という意味です。」くらいは言って欲しい気がする。
でも「ふと」とか「邪念」とか「出来心」とかちゃんと訳してくれるのかしら・・・外国の裁判官や検察官や陪審員に理解してもらえるのかしら
っていうか外国語(英語でもドイツ語でも)に そんな日本語と全く同意義の言葉あるのかな・・・
だんだん被通訳者の気持ちになり不安になるわたくし
  
これはっ絶対に、
集団研修が必要です。

事例から考える
@検察官:車からお金を盗みましたね
通訳者:車/ お金/ 盗む/  終わる/ 同じ
被疑者(ろう者):違う

課題 
 現行犯逮捕にも関わらず、「違う」と言ったのはなぜか?

「違う」というのは盗んでいない、という意味か 手話の表現が違うのかを吟味する必要がある。
 通訳者としてどう動くか。
 検察官に対し「『盗む』をこのような表現で表したが「違う」と言う答えが返ってきた。
 被疑者の盗んだ方法と 手話通訳が表した表現が違うのかもしれない。他の動きだと通じるかもしれない。
と検察官に返し、次の質問を待つ。


A被告人(ろう者):「刺す/ 思う/本当/」
通訳者:a刺そうと思ったことは本当です。b刺したのは本当です。

aとbでは意味が違う。通訳者の訳で判決が大きく変わってしまう。

意味がわかりにくいとき、
「刺そうと思ったか、刺したのか、がわからない」とはっきり検察官に伝えること。
また、単語読みをするという場合もありえる。


B検察官:このようなことをして 今どう思っているか。
通訳者:(通訳)
被告人:早く家に帰りたい。
犯罪を犯したことをどう思っているのかを聞きたいところ、今現在の気持ちを話している。「このような」の意味が伝わっていないと思われる。
通訳者としては
「抽象的な言い方、指示語を使っての言い方は通じにくい」
「時系列に沿って話をした方が通じやすい」
など検察、裁判官に伝えることが必要である。「言語である手話」を知らない健聴者への支援も必要である。


 法定通訳人が守らなければならないこと。
@正確に通訳すること
A誠実に通訳すること
B公正・中立性を保持すること
C守秘義務

絶対に、集団研修が必要

「弁解録取」 って何・・・この研修で初めて知りました。
専門用語がたくさんある。通訳者として勉強しておかなくては・・・
って!!いつから言ってるんですかっわたしっ 
言うだけではなくちゃんと実行せんかいっ て反省しました。

専門用語がわかったらそれをどのように通訳するか。
「正確に伝わって」しかも「公正」で、しかも「安易に通訳者の判断で訳してはいけなくて」・・・
これはもう
研修するしかないじゃないですか

司法通訳における「正確な通訳とは?」「公正な通訳とは何?

言葉だけでわかった気になってはいけない。具体的に議論、研修していかなければならないとつくづく思いました。

 
ひとりではできっこありません。
県士会の研修に司法研修を位置づけ、現場でよりよい通訳ができるように学習を積み重ねていきましょう。

                                   唐澤 美加






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2010年1月16・17日、岡山きらめきプラザにて「手話通訳士協会研修会」が開かれました。

 司法場面における手話通訳
        (日本手話通訳士協会研修会)
広島県手話通訳士協会