愛媛の名桜 K
                       陽 春
                               〈種名・ヨウシュン〉
                          染井吉野に替わる次代の桜
 松山方面から国道11ゴウを東へ進むと、桜三里の坂を下りきった所に湯谷口のバス停がある。そこを左折して県道48号に入ったあたりが来見地区で、陽春は左前方山裾の土手にある。
 幹周2.52m、樹高16.5m」、東西の枝張り11mの巨樹であるが、残念ながら上半分が枯死し、花を付けるのは下半分の枝だけである。東温市の高岡正明さんにより発見されたソメイヨシノの変種で、平成2年「ヨウシュン」と命名された。花は染井吉野より少し大きく花径35mm、色も少し濃い淡紅色である。花序が染井吉野は3〜4に対し4〜5と多く、豪華にみえる。
 大正3年(1914年)当所の水路改修記念として染井吉野が植えられた。その内の1本なので樹齢90年以上となる。染井吉野の寿命が60年と言われているので、30年以上長生きしていることになる。桜の専門家が注目しているのは、花の豪華さと、この長寿である。さらに、染井吉野の名所が被害を受けているテングス病にも抵抗性があることから、染井吉野に替わる次代の桜として注目されつつある。
                                  (樹木医 森本政敏)
   
【メモ】
 1.場所 西条市丹原町来見 (農業用水路の土手)
 2.平成ヘイセイ18年の満開時期 4月3日〜5日
 3.写真の撮影日 平成18年4月1日
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