愛媛の名桜 O
                    法蓮寺の枝垂桜
                 〈シュ名・シダレザクラ〉
              華麗な花を付ける枝垂桜
 国道33号の久万高原町落合から国道380号に入り、内子町方面へ約2.5km進むと法蓮寺の看板がある。そこを右折して坂を登るとすぐ法蓮寺である。
 境内を覆っている桜樹は、幹周2.25m、樹高11.5m、樹齢130年のシダレザクラである。枝張りは東西16.5mに対し、南北は12mである。これは平成17年12月の雪で北側の大枝3本が折損した為である。
 花は花径22〜23mmと小形で、一重の淡紅色の花弁が平開する。蕾は濃い紅で、開き咲き始めは僅かに紫を帯びる淡紅紫色になり、開花すると淡紅色になる。これら三色が混在する7〜9分咲きの頃が色彩的に最も見事で、枝全体に華やかさが漂う。
 この桜は明治十六年(一八八三年)当時の住職の巨学来道和尚が成木を移植したと伝えられている。
 県内の枝垂れ桜は大別して、色の濃い桜は花弁が半開で、平開する桜は色が淡い傾向にある。このように花弁が平開し、かつ紅の濃いシダレザクラの形質は県内では珍しく、「紅枝垂」に近い桜花である。
                                  (樹木医 森本政敏)
   
【メモ】
 1.場所 上浮穴郡久万高原町露峰1431 法蓮寺
 2.平成ヘイセイ18年の満開時期  4ツキ7日〜10日
 3. 写真の撮影日 平成18年4月7日
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