愛媛の名桜 P
                     久尾彼岸桜
                                〈種名・エドヒガン〉
                                釣鐘に似た花
  
  松山自動車道川内T・Cから国道11号を西条方面へ約1km行くと井内川橋交差点がある。そこを右折して県道210号を2.7km行くと西谷小学校に着く。小学校の向側の坂道を登ってゆくと、坂を登りきった所に桜がある。坂道は巡回道になっているので、どちらからでも行ける。
  主幹は東側に傾いているが、枝は四方に広がり、全面に淡紅色の花を付ける。開花すると、緑の杉林が背景となりひときわ映える。幹周は太い方が2.86m、樹高14m、南北の枝張り18m、推定樹齢200年の堂々たるエドヒガンである。花径は23〜25mmと小形で、半開の一重の花である。小花柄が長く、壷のように膨らんだ萼と半開の花が垂れる様子から「釣鐘桜」と呼ばれている。昔は、この花の咲き具合を見て、その年の豊凶を占ったと云う。
  幹には大きな腐朽ヵ所があるが、まだ活力がある証拠に多くの不定根を出している。その内の何本かは地中に届き、すでに活動している。このように、不定根が新たな根系に成長するケースは、エドヒガンの老桜によく見かける現象である。
                                                                  (樹木医 森本政敏)
   
【メモ】
 1.場所 東温市井内久尾
 2.平成ヘイセイ18年の満開時期 4月5日〜7日
 3.写真の撮影日 平成18年4月6日
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