愛媛の名桜 E
                   無量寺の枝垂桜
                               〈種名・シダレザクラ〉
                       伏見の醍醐寺から移植された桜
 今治市朝倉上の県道154号から少し入った所に無量寺がある。桜は寺の境内にあるが、交通事情が良いので手軽に鑑賞出来る。
 幹は地上すぐ二本に分かれ、いずれも幹周1.72m、樹高10.5m、南北の枝張り15mで美しい樹冠をしている。花は一重の淡紅色で、平開せず半開だが、枝先に塊となって付き豪華である。特に南側の下枝は長く枝垂れて見上げると壮観である。
 百年ほど前に京都伏見の醍醐寺から移植された樹であると言う。樹齢百年ながら、まだ成長過程にあり、これから益々枝垂桜の良さが出てくる楽しみな桜である。
 シダレザクラはエドヒガンの系統に属し、遺伝的変異種の「しだれ性」を持った桜である。伸長成長が著しく、肥大成長が追いつかず自重で枝垂れる。その上、枝を上方へ引っ張る「あて材」が形成されない為枝垂れたままになる。しだれ性の恩恵により、私たちはこのような優美な枝垂桜の姿を堪能することが出来る。
                                    (ジュ木医 森本政敏)
   
【メモ】
 1.場所 今治市朝倉上甲776―3 無量寺
 2.平成ヘイセイ18ネンの満開時期 3月31日〜4月2日  
 3.写真シャシン撮影サツエイ  平成ヘイセイ18ネン4ガツ1
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