愛媛の名桜 G
          実報寺の「一木桜」
                 〈種名・エドヒガン〉
              小林一茶が称えた名桜
 キュウトウ方面ホウメンから周桑シュウソウ今治イマバリ広域コウイキ農道ノウドウ北進ホクシンし、シュウコシトンネルのサカにさしかかる手前テマエ左折サセツしたたりが実報寺ジッポウジである。境内ケイダイハイると、石段イシダン右側ミギガワヒダリオクにそれぞれ独特ドクトク樹形ジュケイをしたロウサクラ雄姿ユウシホコっている。
 ハナはエドヒガンとしては大形オオガタで、シロチカ淡紅色タンコウショクをしている。大形オオガタハナ枝先エダサキマリのようなカタマリとなってき、全体ゼンタイオオ姿スガタ豪華ゴウカである。
 小林一茶が寛政7年(1795年)この地を訪れ、「寛政紀行」の中に「遠山と見しは是也花一木」の句を残している。これが名前の由来となり「一木桜」(ひときざくら)と呼ばれている。
 一茶がこの句を詠んだのが約210年前で、その当時すでに小山のような樹形をしていたとなると、樹齢は300年以上と推定される。昭和37年発行の八木繁一氏の著書には目通り6m、枝張り25mとある。現在は根元より芽吹いた三本の幹が横臥した形で残っており、全体として趣のある樹形を保っている。もう一本の桜は根元周3.16mの主幹が、傾斜した状態で生存しており、満開時期は2日ほど早い。
                                  (樹木医 森本政敏)
【メモ】
 1.場所 西条市実報寺甲758 実報寺
 2.平成ヘイセイ18年の満開時期 左の桜 4月1日〜3日
              右の桜 4月3日〜5日
 3.写真の撮影日 平成19年3月28日
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