鎌倉建長寺・地蔵菩薩坐像
建長寺は正式寺名を巨福山建長興国禅寺と称し、鎌倉五山の第一位に列された寺で、臨済宗建長
寺派の大本山です。 建長5年(1253)に、鎌倉幕府5代執権北条時頼が建立し、南宋から渡来した
禅僧・蘭渓道隆が招かれ開山となった。
蘭渓道隆の禅師号は大覚禅師と称し、後宇多天皇から賜った我が国最初の禅師号とのことです。
尚、建長寺は日本で最初の禅寺で、料理の「けんちん汁」は建長寺発祥の料理だそうです。
豪壮な三門をくぐると、芝・増上寺の徳
川秀忠夫人(崇源院)の霊屋を移築した
仏殿があり、本尊の地蔵菩薩坐像が安
置されている。
地蔵菩薩坐像・(仏殿本尊) 像高239.5p、室町時代の寄木造。玉眼、右手に錫杖、左手に火炎の付いた宝珠を持ち、衣を通肩着けて蓮華座に結跏趺坐している。衣の裾は台座の両側に長く垂らされている特殊な特殊な作風である。
このような作風は鎌倉末期から室町時代にかけて、鎌倉地区の禅寺で流行したとされている。(参考:小学館・週刊「古寺をゆく」)
通常禅系の寺の本尊は釈迦如来が多いが、地蔵菩薩が本尊であることは珍しい。
建長寺の境内は、元は「地獄ヶ谷」と呼ばれた処刑場であり、罪深き者が地獄に堕ちて閻魔大王の裁きを受けるとき、地蔵菩薩の功徳によって救われるとされている、土地柄の所為か地蔵信仰が盛んだったようで、このような故で地蔵菩薩が建長寺の本尊になったのでしょうか。
右手に錫杖、左手に火炎の付いた宝珠を持つ |
台座の両側に長く垂らされた衣の裾 |
後日、本尊の写真を掲載するにあたって寺務所にお願いしたところ快く了解いただき感謝します。
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