ハ「うひょーいい匂いだな。この匂いはもしかして。」

シャ「カレーのつもりで作ったのよ。

ルーみたいなのがこの星にもあったから、人参ぽいものとジャガイモみたいな野菜とで作ったの。」

メ「ご飯もあるんだな。」

シャ「ナンのほうがよかった?」

ハ「馬鹿、なに言ってんだカレーだぞ。夢にまでみたカレーがあるんだぞ。

そんな些細なことにこだわるやつがいるか。」

シベチ「ただいまー」

べ「うわーいい匂いだね。」

シ「こ、この香りはもしかして・・・」

チ「カレーやな。」

シ「うわーゆ、夢にまでみたカレーライス。」

メ「ハワードとおなじ事言ってるな。」

シャ「ふふっ」

ハ「なーもういいだろ食べようぜー」

メ「おまえはいつもおなじこと言ってるな。」

ベ「ルナとカオルがまだだ。」

シャアラの顔が曇る。

ハ「シャアラ、おまえルナのリュック持ってたから会ったんだろ。何処行ったんだ?」

シャ「え、ちょっと用事があるって言って・・・もうすぐもどるはずよきっと・・・」

ハ「ふ〜ん」

シ「あ、帰って来たよ。おかえりっ。」

ル「ただいま。」

メ「あとはカオルだけだな。ルナは知らないか?」

ル「カオルは・・・」

ハ「ん?」

心配そうにシャアラがみつめている。

 

ル「カオルはちょっと大きな仕事を見つけてしばらく帰れないの。だから今日は一人分多いわよ。」

ベ「え・・・」

ハ「そうかぁアイツ頑張ってんなあ。」

シ「僕も仕事先が見つかったんだよ。宇宙船の製造に関系ある仕事だよ。」

ル「おめでとう シンゴ。」

シ「へへッ ありがと。」

ル「私達も頑張らないとね。さあご飯にしましょう。」

シ「今日はカレーライスだよ。」

ル「うわあ、おいしそうね。カレーなんて久しぶりねチャコ。」

チ「ウチには関係あらへん。」

ル「あはは、そうだったわね。」

ハ「も、もう我慢できないぞ。」

ル「それじゃあ、いただきまーす。」

ハ「い、いただきまーーす。」

 

 

 

 

久しぶりのカレー?ライスにありつくみんな。

ハ「ん、むぐふっ、ま、間違いないこれはカレーだ。」

シ「う、うぐふっ間違いないね、カレーライスだよ。」

メ「意地汚いぞ、お前達。」

ハ「よくやったぞシャアラ。パパに頼んで将来うちの会社で雇ってやる。」

シャ「お肉はないんだけどね。」

ハ「そんなことは関係ない。僕はこれから肉なしカレーでいいから毎日食うぞ。」

チ「毎日食うたらインド人になってまうがな。」

ハ「僕はインド人になる。」

シ「あはは・・・」

 

「ごちそうさまー」

ハ「あーうまかったー」

シ「これで肉があったら最高だったね。」

ハ「肉か・・・」

ベ「俺はらっきょうが欲しかったな。」

メ「私は副神漬けだな。」

シ「僕は両方だな。ハワードは?」

ハ「僕は卵とふつーのミルクが欲しい。」

シ「ゆで卵だね。」

ハ「え、生だろ。」

「え・・・」

 

シャ「そう・・・そんな危ないことをしてお金を稼いでいたの・・・」

ル「うん・・・それで身を隠すつもりらしいの・・・」

シャ「・・・そう・・・」

ル「戻ってくるかしら・・・カオル・・・」

シャ「え・・・?」

ル「だってカオルはずっとひとりで生きてきたって、これからもそうだって・・・」

シャ「ルナ・・・」

ル「・・・・・・・・・」

シャ「きっと戻ってくるわよ。

学園にいた頃は私もカオルもずっとひとりだったけど、ここにきてからはみんなが家族ですもの。私達にカオルが必要なこと、

カオルにもみんなが必要なこと、きっと気付いてくれるわ・・・」

ル「シャアラ・・・」

 

チ「ふたりともこんなとこでなにしてんのや?そろそろ風呂にいくで。」

シャ「うん、今行くわ。行きましょ ルナ。」

ル「うん。」

チ「?」

 

ル「あーさっぱりしたわ。やっぱり温泉はいいわね。」

シャ「ふふっ」

メ「なんだ?シャアラ。」

シャ「やっぱりルナには笑顔が一番ね。」

ル「そうね。私、元気しか取り柄ないものね。」

シャ「ふふっ」

ル「あはは」

メ「?」

ハ「よう星ばあさん。」

年配のこじんまりとした掃除道具を持ったおばあさんが振り返る。

ハ「またミルクもらうぜ。」

星ばあさん「ふん、またお前らか、これはフェアリーレイクでの労働で疲れた者のためのサービスじゃ。

お前に飲ませる為のもんじゃないわい。」

ハ「堅いこというなよ。僕だって他人にはみえないところを酷使してきたんだ。」

星「・・・・・・」

 

星ばあさんは黙って行ってしまった。

ハ「なんだい、いつも感じ悪いばあさんだな。」

メ「仕方ないだろう。

  我々はいつもミルクをいただくだけじゃなく、明朝の分まで持ち帰っているんだ。

  疎まれてもしょうがない。」

チ「気にしてもしゃあないわ。

若干一名はともかくウチラはちゃんと労働して疲れた体なんや。遠慮なくいただこうやないか。」

ハ「誰だよ。若干一名って。

言っとくが僕は毎日大金を手に入れる為にいろんな方法を模索して・・・。」

ル「わかってるわよハワード。」

わかってるならいいんだ。

皆黙っていつもの甘いミルクを飲んでいる。

シャ「それにしてもおいしいわね。これ。」

シ「うん、甘さにも慣れたし飲みやすいよね。」

ベ「体にもいいみたいだ。」

チャ「う、うまいでーウチ幸せやー。」

ハ「確かに病み付きになるミルクだな。」

星「ふぉっふぉっふぉっふぉっ」

ハ「なんだよばあさん。おどかすな。」

星「おまんさんたちそれをミルクだと思っているようじゃが、それはアレの体液じゃて。」

モップで壁を指す。

そこには荒れ狂う大海蛇の絵が・・・

ハ「うげぇっ」

星「ふぉっふぉっふぉっ」

「・・・」

メ「知りたくなかったな。」

ハ「くそぅ、あのばあさん。」

チ「ウチは気にせえへん。う、うまいでぇ。」

 

ル「今日も星がキレイね・・・」

(カオルは今頃どこでどうしているのかしら・・・)

ハ「なあ、住む所は決まったのか?」

ル「それが・・・もう少しだけお金が足りなくて・・・」

ハ「ちぇっ、まだ野宿か・・・早く屋根のあるとこで眠りたいよ。」

シ「雨が降った時はつらかったよね。」

 

 

ベ「あとどれぐらい足りないの?」

ル「多いほどいいけど3000・・・2000サヴァイヴは欲しいわね。」

べ「これ・・・皆には内緒だけど。」

ル「・・・どうしたの?これ。」

ベ「カオルが俺の所に来て頃合をみてルナに渡してくれって。」

ル「5000サヴァイヴも・・・」

ベ「・・・・・・・・・それと、心配するなと伝えてくれって。」

ル「そう・・・カオルが・・・」

ベ「なにかあったの?」

ル「うんちょっとね・・・でもカオルが心配するなっていうならきっと大丈夫なのよ。」

ベ「そう・・・」

ル「ごめんね。ベルにも心配かけて。」

ベ「いや・・・俺はいいんだよ。」

 

メ「そうだ、昼間公園でこんなものをもらったんだ。」

チ「なんや?」

メ「名刺とお札みたいなんだが、チャコに見てもらおうと思って忘れていた。」

チ「ふーん・・・」

メ「たいしたものじゃないとは思うが・・・」

チ「こ・・・これは・・・」

メ「?どうした?」

チ「2000サヴァイヴ札や・・・ウチも見るのは初めてや・・・」

ハ「なんだ?」

チ「大変やハワード!メノリが2000サヴァイヴ稼いできたでー。」

ハ「なんだと?」

シャ「すごいじゃないメノリ。」

シ「やったね。これで住む所も決めれるんじゃない?」

ハ「そうだルナ 住む所だ。これで足りるだろ?」

ル「えっ?あ、そうね・・・」

ハ「なんだその反応は?やったぞ、とうとう野宿とはオサラバだ ひゃっほうー。」

メ「気の早い奴等だ で、こっちの名刺はなんて書いてあるんだ?」

チ「わからん文字もあるけど、音楽団って書いてあるわ。スカウト・・・とちゃうやろか?」

メ「音楽団か・・・」

チ「いくんか?メノリ。」

メ「でもなんだか怪しげな感じだったからな・・・

しかし本当に楽団のスカウトなら迷ってる余裕は私達にはないな。」

 

チ「不安ならウチがついていこうか?」

メ「本当か?頼む。」

 

ハ「よーし明日は僕も暇だからルナの家探しに付き合ってやるよ。」

シャ「私も明日はお休みだから。いいでしょルナ?」

ル「え・・・ええいいわよ。」

シャ「どんな所で私達の新しい生活が始まるのかしら。」

ル(困ったわね・・・)

 

その頃別の場所で・・・

カ(・・・女にぶたれたのは初めてだな・・・)

カオルは今日の出来事を思い出していた。

(目の前で泣かれたのもな・・・)

左頬に触れる。

 

 

ル「それじゃあみんな おやすみー。」

シャ「おやすみなさい。ハワード明日は早いわよ。

ハ「わかってるよ、おやすみ。」

 

 

チ「・・・なあルナ・・・」

ル「うん?」

チ「ウチがおらんなってもルナは平気か?」

ル「なに言ってんのチャコ。そんなわけないじゃない。」

チ「さよか・・・」

ル「なあにチャコ突然・・・」

チ「いやあ なんでもあらへん気にせんでええで はは。」

ル「?」



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