後日。

 

ベ「ハワード、この頃なんだか幸せそうだね。」

ハ「ぐっふっふっふ。」

ベ「なにかいいことでもあったの?」

ハ「誰にも内緒なんだが、ベルには教えてやろうか。実はな・・・」

ベ「うん。」

耳を近づけるベル。

ベ「ええ!?ヴィスコンティのあの人と結婚した?」

ハ「馬鹿、声が大きい。」

ベ「でも、そんなこと・・・」

ハ「なんだよ。お前は僕の幸せが祝えないのか?」

ベ「ハワードの親父さんが許さないだろう。」

ハ「親は関係ない。これは僕達の問題だ。」

ベ「そうか・・・」

ハ「そうさ。」

口笛を吹くハワード。

幸せそうなハワードを喜ぶベル。

ベ「おめでとうハワード。」

ハ「サンキュー。」

 

カ「おい。」

ヴィスコンティ家の男連中がハワード達を呼び止める。

ハ「お前は・・・」

シオ「お前、メノリさまに手を出したんだってな。」

ハ「手を出してはいない。

  愛し合っているだけだ。」

カ「貴様っ。」

ふたたび剣を抜くカオル。

シオ「あの時止めるべきではなかったな。」

カ「抜けっ。」

切っ先を向けるカオル。

ハ「僕は君らと争う気はない。

  これからは僕の力でヴィスコンティ家とも仲良くやっていけるようにしてみせる。必ずだ。」

シオ「ぬけぬけとよくいったもんだ。カオルッ。」

殺陣になると生き生き動き出す黒髪の少年。

カオルの剣の切っ先が、ハワードの心臓めがけて襲い掛かる。

ベ「ハワード。」

ベルがその前に立ちはだかる。

鋭い剣先はベルの胸に吸い込まれ、赤い鮮血を上げる。

ハ「ベルッ。」

ハワードが駆け寄るが、ベルはもうピクリとも動かない。

ハ「この野郎。」

ハワードも剣を抜き、カオルの剣を弾き飛ばして、カオルの心臓を貫く。

シオ「カオルッ。」

ふたつの屍が町の通りに横たわる。




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