軽やかな音楽と共に、宴がすすむ。
ぎこちなくクルクルと踊りながら、なんとかカタチになってきた、ルナとフィオ。
フィ「もうちょっと、体を軽く自由におどらせて・・・」
ル「こうかなあ。」
炎の明かりにゆらゆらと照らされながら踊るふたり。
草はらに腰を落とすふたり。
ル「あ〜気もち良かった。ありがとう。」
フィ「ルナさんは、いつも元気ですねえ。」
ル「元気しか取り柄がないのよ。」
フィ「そんなことないですよ。」
ル「・・・落ち込む事もたくさんあったけど・・・みんながいたから・・・」
フィ「仲間っていいですね。」
コロニーと、劇団員の仲間を見守るふたり。
フィ「・・・もう、かえっちゃうんですね・・・」
ル「どんな旅になるかもわからないけど、必ずコロニーへ帰るつもりよ。」
まだ続く宴をぼんやりと眺める。
フィ「それでですねえ。」
炎の中で、枯れ木がパチパチと音をたてる。
ル「なあに?」
フィ「ぼ、僕ルナさんのことが好きなんですよ。」
自分の気持ちをぶつけるフィオ。
フィ(言っちゃったよ、オイ。)
キョトンとしているルナの顔を覗き込む。
ル「私も好きよ。」
フィ(ええ〜。そんなあっさり?)
フィ「・・・愛してるってことですよ?」
ル「私もここにいるみんなを愛してるわ。」
フィ(えええ〜。)
ル「私達気が合うわね。」
フィオの手をしっかり握り握手をするルナ。
魂の抜け落ちるフィオ。
屈託のない笑顔を向けるルナ。
ア「ルナ〜。」
ル「あ、アダムが呼んでる。ちょっとゴメンね。」
立ち去るルナ。
フィ(そ・んな・・・)
すがる両手が宙に浮くフィオ。
カ「見たか?」
ベ「うん。」
静かに食べ物を口に運ぶふたり。
カ「手強いな。」
ベ「勉強になったよ。」
カ「あれ以上なんて言えばいいんだろうな。」
ベ「う〜ん。」
抜け殻になったフィオを見ながらふたりは心の中で「お疲れさん」と言葉を送る。