踊り終わって木陰で休んでいるふたり・・・

シオ「帰っちゃうんだね。」

メ「ああ。」

シオ「どれくらい遠いの?」

メ「それすらもわからない旅なんだ。」

シオ「ふうん。」

賑やかな宴を見つめるふたり。

シオ「色々楽しかったね。」

メ「ああ、そうだな。」

穏やかな空気が透き通るように感じる。

シオ「僕はやっぱりメノリが好きだったよ。」

メ「ああ。」

ふたりとも黙ったまま時間が流れる。

メ「私もシオンが好きだ・・・でも・・・」

黙って聞くシオン。

メ「多分シオン程強い想いじゃないんだ。

男の人を好きになるっていうのが、自分でもまだよくわからないんだ。

子供なんだな。ゴメンな。」

シオ「メノリは大人だと思うよ。」

メ「・・・」

シオ「ハワードのことはどう思ってるの?」

メ「アイツは・・・シオンの足元にも及ばない。

はっきり言って眼中にもないんだ。

シオンが気にするような男でないことは宇宙がひっくり返っても間違いない。断言する。」

きっぱりと否定されるハワード。

シオ(そういうとこは素直になれないんだねえ。)

メ「でも、色んな異星人に好きだのなんだの言われたけど、

  シオンに言われたのが一番嬉しかったよ。」

シオ「・・・わかった。ありがとう。」

メ「ああ。」

立ち上がるふたり。

シオ「絶対故郷に帰りなよ。」

メ「うん。」

シオ「そして、また会おうね。」

手を差し出すシオン。

メ「ありがとう。」

握手をするふたり。




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