翌朝
ル「私も行きましょうか?」
カ「ひとりで行きたいんだ・・・」
ル「わかったわ。」
見送るルナ。
ル「みんないつでも一緒だからね。」
カ「ありがとう。」
感謝の言葉を残して、昨日の下町へと向かう。
こじんまりとした、住宅にたどり着いた。
表札に「グレン」と書いてある。
カ「こんにちは。」
留守だろうか?
誰も出てこない。
「なに用じゃね?」
小さな庭口から、歳をとったおじいさんがでてきた。
知識があって、優しそうだ。
カ「ここに、俺くらいの、男の子が住んでいませんか?」
「アンタぁ。ルイの友達かぁ?ようきなすったなあ。」
やっぱりルイなのか・・・
高まる胸のうちをなんとか抑えようとする。
カ「友達というか・・・友達ですね。」
「そうかぁ、そうかぁ。」
嬉しそうなおじいさん。
勧められたお茶をすする。
「あの子はウチのばあさんを、趣味であつまっとる寄り合いに送っていっておる。
近所じゃから、もう戻るはずじゃ。」
カ「ルイは元気ですか?」
「おうおう、元気じゃ。
賢くて真面目で、なにより誰にでも優しい。
あんないい子は滅多におらん。」
カ(やっぱりルイに間違いない。)
「しかし、お前さん。ルイと体のつくりがようにておるのう・・・まさかとは思うが・・・」
「ただいまー。」
「おう、お帰り。」
ルイ「あれ?お客さん?いらっしゃい。」
居間にいるカオルに声をかける。
「お前を訪ねてきなすったんじゃ。」
カ「ルイ。」
ルイと目が合うカオル。
緊張が高まる。
ルイ「?初めて会う人だけど・・・よろしく。」
握手を求めるルイ。
ルームメイトになったあの時と全く同じように・・・。