ルイ「へえー。違う宇宙の遠い星から・・・」
「それで、自分達で宇宙船を手に入れて帰るのか。」
ルイ「すごいねー。大変だったんだろうな。」
「ウチのルイもすごいんじゃぞ。
宇宙飛行士訓練学校に通っておって、そこのナンバー1じゃ。」
ルイ「僕も、宇宙にでるのが夢なんだ。」
「自慢の孫じゃよ。」
笑うふたり。
やっぱり他人の空似なのか・・・
宇宙は広い。
そっくり同じ人間が存在するっていう話もあったかな・・・。
カ「じゃあそろそろ・・・」
「おお。ルイ送って差し上げなさい。」
ルイ「はい。」
ルイ「今日は同じ夢を持つ仲間に会えて嬉しかったよ。」
カ「ああ。」
ルイ「無事にキミ達のコロニーへ帰れることを祈ってるよ。
それじゃあ。」
カ「さよなら。」
別人だったことがわかって、心が晴れたような、心残りのような、複雑な気持ちで別れる。
パサッ
ルイのポケットから、カードが落ちた。
拾い上げて渡すカオル。
ルイ「ありがとう。
これは僕がこの星に来た時から持っていたものらしいんだ。
学生証みたいなんだけど・・・
写真も半分はげかけてるし、写ってるのも僕じゃないみたいなんだよね。」
そうか、といってそのまま別れるカオル。
ルイが落としたIDカード。
見たことがある。
アストロノーツの在学証明書だ。それにあのIDカードは・・・
「無くしたはずの、俺のカードだ。」
汗ににじんだ手を強く握り締める。