ル「どうだった?」
ルナが心配して声をかけてきた。
カ「・・・やっぱり俺と一緒にいたあのルイに間違いないはずだ。
しかしルイは記憶をなくしたのか、俺を見ても知らない人だって・・・」
ル「そう・・・」
カ「なにか、あったんだろうか・・・」
再会した、男のことを思う。
ル「・・・もう会えないと思っていた人に会えたんですもの。
とても、うらやましいわ。」
カ「ルナ・・・」
ル「ねえ。ルイって子も誘ってみたら?」
カ「誘うって・・・」
ル「一緒にコロニーに帰らないかって。」
まるで、一緒に遊ぼうというみたいに事も無げに明るく言うなあと思った。
でもそれが、コイツのいいところなのかもしれない。
ル「パイロットがもうひとりいたらなあってシンゴもファーロさんも言ってたじゃない。
カオルに勝った人なんでしょ。」
カ「その上、この星でもパイロットになる夢を持っていて、
努力しているようだから、ルイなら十分やれると思う。」
ル「なら決まりね。」
カ「でもアイツはコロニーのことは覚えていないみたいだし、
なによりここで幸せそうに暮らしていたから・・・」
ル「でも、カオル自身の気持ちがスッキリしないでしょ。」
カ「・・・」
ル「自分の思ってる気持ちを正直にぶつけたらいいんじゃないかな。
大丈夫。カオルなら、昔の友達のことを傷つけるようなことはしないわ。」
カ「俺は・・・」
ル「自信を持って。」
背中を強く叩かれて、なんとなく元気を分けてもらったような気がした。
・・・ベルの気持ちがわかったような気がした。
カ「明日、もう一度行ってみるよ。」
みんなで決めたコロニーへの出発予定日は明後日・・・