出発直前・・・
ポ「よいか。グルーオンコントローラーの出力を必要な時以外はできるだけ節約して・・・」
シ「うん。」
シンゴはまだ、ポルトさんに宇宙航海の秘訣を叩き込まれていた。
ハ「いよいよこの星ともお別れか。」
メ「寂しくなるな。」
ア「メノリ。」
メ「なんだ、アダム。」
ア「最後に一曲聴いてくれる?」
メ「・・・ああ。」
みんなの見守る中、お別れの曲を演奏するアダム。
拍手をするみんな。
以前と比べてもかなり上達した音楽になっていた。
団「良い音楽ですねえ。」
ア「ぼくもっともっと練習して、上手くなっておくからね。」
メ「楽しみにしているぞ。」
笑いあうふたり。
シオ「とうとうお別れだね。」
メ「まだ、また会えるさ。」
シオ「うん。」
右手を差し出すシオン。
シオ「元気で。」
メ「ああ。」
手を握るメノリ。
ハ「またな。」
手を振るハワード。
シオ「ああ。」
静かに答えるシオン。
親方さん「ベル・・・お前なら、お前の大切な仲間をちゃんと支えていけるはずだ。」
ベ「はい。」
親「しっかりな。」
ベ「はい。親方さんも元気で。」
親「でっかい目標をほんとに達成させたんだなあ。」
出発を待つオリオン号を見上げる。
親「でもお前がいなくなると、仕事の手も減るし、寂しくなるなあ・・・」
ベ「親方・・・」
親「おっとめでてえ旅立ちに湿っぽい言葉はいらねえな。
本当の目的地はこれからだからな。」
ベ「はい。」
親「じゃあな。」
ベ「色々とありがとうございました。」
親方さんは、グスッと鼻を拭うと、その背中を見せた。