メ「ここは・・・」
広いステージで何人かの宇宙人が演奏をしている。
みたことも聞いたこともないような楽器もあれば、コロニーとほとんど同じ楽器もある。
チ「音楽をやるのは間違いないようやな。」
メノリは黙ってメロディに聞き入っている。
チャコもしばらく音楽を楽しむことにした。
ル「ごめんね、シャアラ。私が最初から言っておけば。」
シャ「ううん、私こそごめん。贅沢なんて言ってられないのに・・・」
ハ「僕はあんな気味悪いものと同居するのはゴメンだな。」
ル「ごめんね。」
ハ「でも駆除しておっぱらっちまえばいいんじゃないのか?」
ル「それが・・・何匹食べて・・・じゃなくて追い払っても減らないんですって。」
ハ「ふーん。」
ル「私たちとは違う生き物らしくて、基本的に別次元にいて、
こっちの世界とあっちの次元の両方に存在してるとかって。」
ハ「なんだかシンゴが喜びそうな難しいヤツなんだな。」
シャ「ねえ、新しい家はどうするの?」
ル「それが、あそこの他は今の所持金じゃ住めそうな所がなくって。」
ハ「ちょっと手持ちを見せてみろよ。」
ル「あっ。」
ハ「これはメノリの2000サヴァイヴ札だろ。
で小銭が・・・うんん?他にも札があるな。ほんとに全部で8500サヴァイヴしかないのか?」
ル「そうよ、正確には9024サヴァイヴと50ドローン。あとは使えないお金よ。」
ハ「なんだ?その使えないお金っていうのは。」
シャ「? ルナ?」
ル「それは・・・」
静かに演奏の幕が下りた。
チ「ええ音楽やないか。」
メ「そうだな、この星でも音楽の素晴らしさは変わらないな。」
笑っているふたりにひとりの少年が気付いた。
?「あーーひょっとして、団長の名刺をもらったひと?」
メ「そ、そうだが。」
?「ごめんごめん、ウチの団長がすごい優しいメロディを奏でるひとがいる。
必ずウチに連れてくるぞ。ってはりきってたんだけど、
翻訳機を持っていってなかったことに後から気付いて、弱ってたんだ。」
メ「ああ・・・どうりで・・・」
?「どうだいウチの劇団は。
そこらじゅうのいろんな星の連中を集めて、時々舞台を開いているんだぜ。」
チ「それでメノリをスカウトしたっちゅうわけやな。」
?「スカウトっていうか、仲間になって一緒にやらないかってことだね。
お金ももらえるけど、もっとおおきな舞台でやる為の足がかりに
みんなで励ましあってやってるんだよ。」
?「キミは・・・もしかしてロボットかい?」
チ「 ああ、そうや。」
?「へえー珍しいな。キミも舞台にあがれるかもよ。」
チ「ウチ楽器は触れへんでぇ。」
?「ウチは音楽だけじゃないよ。お芝居とお笑いなんかもやるんだ。」
メ「じゃああなたも?」
「僕はシオン。舞台裏とお笑いをやってるんだ。」
メ「私はメノリ、ヴィスコンティ。こっちはチャコだ。」
「じゃあ団長とメンバーを紹介するよ。」
奥の通路へと歩きはじめた。
シオ「ところで団長がいってたとおりだ。」
メ「?」
シオ「女神さまのようだって。」