ハ「さてと・・・アイツラがでてくるまで30分程か・・・先に帰ってるか?」

シャ「ちゃんと待ってあげましょうよ。」

シ「帰っても寒いだけだし、ここにいれば暖かいし飲み物もあるし、

ここにいたほうがいいと思うよ。」

メ「おまえだけ先に帰って留守番してればいいじゃないか。」

ハ「しょ、しょうがない。僕も待ってやるか・・・」

 

シャアラは置いてある雑誌を手に取った。

チ「シャアラ、この星の文字が読めるんか?」

シャ「少しだけど、勉強中なの。チャコみたいにすぐにインプットできればいいんだけどね。」

チ「いやあ、見上げたモンや。さすがは文学少女やな。」

シャ「ふふっそんなにすごいコトじゃないのよ。

それに新しい本は指でなぞるだけで頭に流れ込んできて、意味がわかるものも多いのよ。」

シ「えっ?本当?」

メ「点字のようになぞるだけで理解できるのか?」

シャ「うん、手触り翻訳文字っていうんですって。」

ハ「なんだと、どれがそうなんだ?」

シャ「ほら・・・このお花の本とか・・・」

ハ「どれどれ・・・なになに・・・ドラゴン・・・フラワー・・・近づくと火を吹いて身を守ります。

大変危険ですが、根が薬品の元となったり、稀少価値もあり大変高値で取引されます。

おお、本当だ。読めるぞ。」

 

 

 

メ「TV番組か・・・お笑いスター誕生、高重力に耐えて100万サヴァイヴ?

 最強格闘王を決めろ、優勝賞金200万サヴァイヴ。

人気スターのマル秘私生活、目指せ明日のサヴァイヴスターはキミだ、か・・・」

 

 

 

シ「宇宙船カタログ・・・・・・、当機一台で未開の宇宙の隅々まで安全に航行できます。

乗員100名収容可・・・1億5000万サヴァイヴ・・・・・・高すぎるよ・・・

隣星蒼き月まで手軽に快適な旅ができます・・・

定員12名・・・120万サヴァイヴ・・・・・・隣の星じゃ地球までは無理だろうなあ・・・

超遠距離航行用・・・とにかく遠くに行きたい人にオススメです・・・コールドスリープ付・・・

定員5名・・・1200万サヴァイヴ・・・・・・か・・・

遠距離航行用・・・宇宙の旅を楽しみたい人にオススメです・・・船内栽培農園付・・・

600万サヴァイヴ・・・定員8名・・・

改造用宇宙船・・・安く宇宙船を製造できます・・・

基本形を作った後、必要なものを自由に付加していって下さい・・・要改造製造技術・・・

200万サヴァイヴ・・・定員?・・・・・・うん、これなら・・・

探索用・・・未知の惑星までいけます・・・刺激的な冒険を求めているひとへ・・・

450万サヴァイヴ・・・定員7名・・・・・・これでも帰れるかな・・・・・・?」

ハ「どうなんだ?よさそうなのは見つかったか?」

みんなが注目してみていた。みんな帰りたいのだ。

シ「うん・・・。良さそうなのもあるよ。サヴァイヴさえあれば帰ることもできるかも・・・」

メ「やっぱりサヴァイヴがネックか・・・」

シ「いろんな宇宙船の必要なところだけをうまくあわせれば、

安く手に入れることもきっとできるよ。」

 

ベ「おばあさん今晩は。」

星「ふん、またお前らか・・・」

ハ「今日もいただいてるぜ。」

星「ふん。」

ベ「お掃除、手伝いますよ。」

星「ふん。」

メ「そうだな。いつもお世話になってるんだ。それぐらいしないとな。」

シャ「そうね。いままで気付かなくてごめんなさい。」

シ「僕も。」

星「ふん。」

 

チ「みんなええ心がけやで、お年寄りは大切にせんとな。」

星「わしゃあまだ若いわい。」

メ「おい、ハワード。お前もやるんだ。」

ハ「やめとけ、やめとけ。そんな掃除屋のばあさんに恩売ったってなんにもなりゃしないぞ。」

星「ふん。その金色のいうとおりしゃー。なんにもやらんぞ。」

ベ「いいんだよ。おばあさん、俺たちは好きでやっているんだから・・・」

星「ふん。」

ル「みんなーおまたせー。」

チ「おお、あがったんか?」

ル「なんでみんな掃除してるの?」

シャ「いつもお世話になってるから・・・これくらいしましょうって・・・」

ル「そうね。私もやるわ。星おばあさん。」

星「ふん。」

ル「ほら、カオルも・・・」

カ「ああ・・・」

 

メ「これくらいでいいのか?」

星「ふん。」

ル「じゃあ今日もありがとうございました。また明日もつからせてもらいにきますね。」

ハ「あーあ今日もこれで終わりか・・・明日からはまたサヴァイヴの為に働くのか。」

ル「カオルもね、シャアラのカレーを食べたのよ。とってもおいしかったって。」

シャ「本当?カオル。」

カ「ああ・・・」

チ「お前・・・もっとおいしかったーって顔せんかい。」

カ「・・・」

シ「はははは・・・」

星「ほい。」

メ「?」

星「おまんらまた野宿か?」

メ「ああ・・・まあそうだが・・・」

星「ちょっとついてこんばあ。」

温泉大いなる木の2階にたどりついた。

星「この部屋開いとるけん、

朝晩の掃除とお湯の用意を手伝うのを条件に置いてやってもええがあ。」

メ「本当か?」

ル「すごく助かります。お願いします。」

 

星「そんかしい、朝ははやいぞ。」

チ「もちろんや。屋根のあるところで寝られるだけで恩の字や。」

シ「うわあ、これ畳みだよ。お金持ちの家にしかないような床だよ。」

カ「昔の地球には普通にあったらしいものだ。」

ベ「じゃあ俺ちょっと荷物とかもってくるよ。」

シ「あ、ぼくらも行くよ。」

ハ「ちょっと待て。ばあさんにそんな権限あんのか?僕らだまされてるんじゃないのか?

そんなうまい話があるもんか。」

星「ふん、わしゃあここの経営者じゃ。おまんは掃除もせんかったな。」

そういえば、従業員がみんなお辞儀をしてたな・・・。あれは年寄りだからじゃなかったのか。

ハ「あわわわわ、掃除のスペシャリストといえば、このハワード様だ。

明日からここは見違えるようにキレイになるぜ。」

星「ふん。お調子もんめ。ひゃっひゃっひゃ。」

ベ「良かったね。ハワード。」

ハ「お前、なんであのばあさんが経営者だってわかったんだ?」

ベ「いや・・・わからなかったけど・・・」

ル「ひとにはね、親切にするものなのよ。

それは見返りを求めるためじゃなくって、助け合っていくためなのよ。」

チ「情けは人の為ならず や。」

ハ「情けは人の為にならないじゃないのか?」

メ「ひとに親切にすればその人の為だけじゃなく

回りまわって自分に返ってくるって言う意味じゃないのか?」

チ「メノリは近いけどちょっと違うなあ。自分の中身とその人の為に見返りを求めずにするんや。

まあウチやルナのように苦労すれば、言葉だけじゃなくてその中身が自然とわかることや。」

シ「みて布団だよ。ベッドはないけどこれで雑魚寝するんだね。」

シャ「うわあ物語で読んだわ。枕を投げるのよ。」

シ「違うよ。こうやって、ハワード!」

ハ「なんだよ。わ!」

シ「こうしてハワードの上にどんどん積み上げていくんだ。」

シャ「ふーん。」

メ「乗せればいいのか?」

ハ「おお、なんだかとても暖かいぞ。もっと乗せていいぜ。」

ル「私も。」

チ「ウチも」

シ「それで・・・ええとみんなで乗っていくんだよ。」

シ「それっ。」

シャ「えいっ。」

ル「きゃっ。」

シ「ほらベルとカオルも。」

 

シ「ハワード、気持ちいいかい?」

ハ「く・・・苦しい。パパ・・・タスケテ・・・」






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