ハ「ふっふっふー見ろカオル。秘密兵器だ。」
カ「?」
ハ「手頃な大きさの磁石を箒の柄に付けたんだ。これをこういうトコロに突っ込むと・・・」
がさがさ
ハ「ほらみろ、芋づる式に取れるってわけさ。」
カ「・・・」
星「昼飯じゃぞー。」
ハ「お前ら何匹捕まえたんだ?」
シャ「食事中はその話はやめてよー。」
メ「お前たち、ちゃんと掃除もしたんだろうな?」
ハ「したよ、で?何匹なんだ?」
ル「合わせて20匹くらいかしら・・・」
ハ「なんだそれだけか・・・僕たちは100匹は捕ったぜ。」
メ「そんなに捕まえたのか。」
ハ「ああ、汚れたトコロ程多いんだ。でもそれでも250サヴァイヴくらいか・・・なあ黄金のやつは見なかったのか?」
ル「いなかったわ。黒か灰色のやつだけ・・・」
メ「そんなに簡単に見つかるなら、高値はつかないだろう。」
シャ「私・・・赤いのならみたわ。」
ハ「なに。どこだ?」
シャ「一階のロビー。」
ハ「捕まえなかったのか?」
シャ「だって恐いんだもの。」
メ「赤色は値打ちあるのか?」
ハ「今まで見たことないんだ。高値に決まってるさ。よーし、午後はそこを探すぞ。」
メ「掃除だろ。」
ハ「ご、午後は、そこの掃除だ。」
ハ「いないじゃないか・・・ほんとに見たのか?」
腰を曲げて床を探すハワード。
シャ「うん。でももうだいぶ時間が経ってるから・・・」
ハ「大体赤いブリキ虫なんて、メルヘンチックじゃないか。頭ん中で想像してただけじゃないのか。」
シャ「ホントに見たんだもん。」
カ「ハワード。」
ハ「なんだよ?カオル。」
カ「みろ。」
ハ「!いた・・・」
確かに赤いブリキ虫だ。カーペットも赤いので見つけにくい。
ハ「うおーーーっ。」
ハワードは躊躇なく真正面から飛びかかる。
がさがさ
すばやくかわして、カオルのほうへと向かってきた。
左手をタイミングをあわせて振りぬく。
ハ「とったか?」
カ「駄目だ。すばやいぞ。」
ぶーん
赤色ブリキ虫は空を飛んでシャアラのほうに向かっていった。
ハ「いったぞ、シャアラ。捕まえろ。」
シャ「きゃーーっ。」
シャアラは必死で屈む。
ハ「なにしてるんだ。ああ、逃げられちまう。」
カ「借りるぞハワード。」
カオルはハワードの秘密兵器をひったくった。
赤色ブリキ虫めがけて柄の先端を投げつける。
ハ「ああ、それ僕の・・・」
カキィン
金属音がして、宙の赤色ブリキ虫が赤いカーペットの上に落ちる。
ハ「やったぜ。」
急いでハワードが手持ちの袋にブリキ虫を入れる。
ハ「とうとう捕まえたぜ。見てたろ?シャアラ、僕が捕まえたんだ。」
シャ「カオルのおかげでしょ。」
ハ「あの道具は僕が作ったんだ。9割は僕が捕まえたようなもんだ。」
ハワードはよっぽどうれしかったのか、小躍りして喜ぶ。
そんなハワードをみて、シャアラと・・・カオルも笑みをみせる。
シャ「子供みたいね。」